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異常気象・自然破壊のしっぺ返し 人も動物も住処が失われていく (SENKI)
http://www.asyura2.com/0406/health9/msg/686.html
投稿者 愚民党 日時 2005 年 3 月 09 日 15:44:46: ogcGl0q1DMbpk
 

異常気象・自然破壊のしっぺ返し

人も動物も住処が失われていく

http://www.bund.org/culture/20050315-2.htm
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台風23号でダムが放水し、川が氾濫

ダム建設で故郷の自然はどうなるのか

遠藤道郎

 兵庫県北部の山深い山村に私の郷里がある。昨年、台風23号で大きな水害被害を受けた所だ。たいした地場産業もなく、ただ水田と山々が広がる村である。  

 その郷里を流れる川にダムができるという。私にとっては、幼い頃より魚を取ったり、泳いだりして遊んだ思い出深い川であり、オオサンショウウオの生息する貴重な清流でもある。  

 「全国的に脱ダムが叫ばれる今になってなぜダム建設なのか」「川への影響は?」  私にとっては大変ショッキングな計画だ。どのような計画なのか、ともかく自分の目で確かめなければと思い、地元の友人たちとダム建設予定の川へ出かけた。

オオサンショウウオをさがしに

 大雪が降った直後、体の芯まで冷え切るような寒さの夜、友人たちが連れて行ってくれたのは、ダムサイト建設予定地のすぐ下流にあるオオサンショウウオが生息する場所だ。友人たちは、最近、専門の調査機関の指導の下でオオサンショウウオの生息調査を始め、「オオサンショウウオの会」を結成して活動している。  

 現場に到着後、すぐに巣穴に向かい、特殊な道具を使ってオオサンショウウオを巣穴からおびき出そうとする。頭は出してくるがなかなか体全体は見せてくれない。夜の川歩きをしていると、あちらこちらでうろうろしているのに出くわすというが、その夜はどうも引きこもり気分のようだった。それでも水中で餌に食いつく瞬間や、巣穴から頭を出したところなど多く確認することができた。  

 驚いたのは、オオサンショウウオが巣穴にしている石積みの護岸である。いつ頃建設されたのか定かではないが、昨年の台風被害で多くのコンクリートの護岸が壊滅的な被害を受けた中で、びくともしていないのだ。推定年齢40歳ほど(体長80センチほど)のオオサンショウウオが多く生息できているのもうなずける。  

 しかしこの護岸も、ダム建設の「見返り事業」として、コンクリートの護岸に作り変えようと計画されている。  ダムは、高さ54・4m、堤長150m、貯水量108万m3。規模はそう大きくはないが、高さは相当なものだ。ダム建設の目的は、洪水調節、水道用水、流水の正常な機能の維持であるという。下流河川の氾濫を防ぐと共に、渇水時期の農業用水、生活用水の不足を解消するということだ。  

 昨年の台風23号では川が氾濫し、田畑が砂をかぶるなどの被害を受けた。ダムが作られる下流域には水田が広がっており、ダム建設により河川の水温が約1℃上昇して稲作には良い影響があるとさえ言われている。郷里の主要産業である土建業界は当然ながら潤う。  

 私の父親世代(戦中・戦後育ち)によると、ダム建設は地元住民にとって何十年来もの「悲願」であるらしい。  そういえば、水田の水争いなどは私も幼いころ目にした記憶がある。地元行政によれば、生活用水は慢性的に不足しており、近隣の町より水道代が高いとのこと。今春行われる市町村合併に伴う人口増によりさらに深刻化するという。人間の生活を守るためには、オオサンショウウオの犠牲などは仕方がないということなのだろうか。  

 環境アセスメントでは、「オオサンショウウオの繁殖活動には適しておらず、現在ではおこなわれていない」と結論付けられている。しかし友人たちの調査では、多くの幼生が発見され、繁殖が今でも続いていることが報告されている。結局、工事の「ための」アセスにすぎず、内容が信頼に足るものとはなっていないのが実情だ。

ダムは人の生活を守らない

 ダムが人間の生活を守ってくれないことは、何より昨年の台風23号による水害が証明している。そもそも河川の直線化とコンクリート三面張りで進められてきた河川改修が都市水害を引き起こしてきたことは、70年代の水害訴訟ですでに明らかとなっていることだ。  

 考えてみてほしい。山深い谷あいにダムが作られ、そこを出発点にまっすぐにコンクリートの水路が延び、やがてそれが本流へ流れ込み、大きな堤防に囲まれた下流の都市を通って海へと流れていく。要するに山の奥深くから海までコンクリートの用水路が作られるということだ。直線的なコンクリ水路は凄まじいスピードで水を流し続け、雨が降れば爆発的に水量を増す。それがもしダムの許容量を超える雨量となったら……。  

 恐ろしい話であるが、台風23号の時には実際にあった話である。京都府舞鶴市の由良川が氾濫し、乗客ら37人が乗った観光バスが水没した水害では、現場から70キロ上流にある大野ダムの水位は、すでに由良川が氾濫するほどの放水を行っていた。さらに放水量を増やす必要があったが、そうすればバスの上に立っている乗客らは流されてしまうという状況に追い込まれた。  

 町を守るはずのダムによって、町の全てが押し流されてしまうところだったのだ。

植林で保水能力がなくなった山

 私の郷里のダム建設計画は、今のところ順調に進められている。多くの戦後世代にとって、「コンクリート三面張り信仰」はいまだ強烈に信奉されているのだ。町を牛耳っている彼らは言う。「ダムなしにどうやって水を確保し水害から生活を守るのか」  

 本来山林には高い保水能力が備わっていた。それが今では無くなってしまったのだ。その原因もまた人間の側にある。戦後の高度経済成長期において、地方では拡大造林政策(針葉樹植林)が進められた。わが故郷の山などは、なんと80%以上が植林となっている。そのことにより、保水能力が大きく損なわれたのだ。  

 このような植林は戦後の貧困の中で、地域の収入源として大変な努力によって進められてきたものだ。父親たちが休日のたびに山に出かけ一日中働いていたのを、私もかすかな記憶で覚えている。しかし現在では、収入が得られるどころか、切り出す費用分が赤字となる始末である。今残されているのは、季節感を感じさせない、だれも手入れさえしなくなったスギ・ヒノキの密集した山々であり、保水能力を無くした森林と森林土壌なのだ。

  「先人たちが壮絶な努力によって築き上げたこの町は、これから僕らに託されていく。だけど僕らに与えられた未来とはなんだろうね」。友人の言葉が寂しくひびく。        

(公務員)

 


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三里塚――空港建設で里山が荒廃

山から降りて落花生を餌にするタヌキ

今井俊政

 「平成たぬき合戦ぽんぽこ」という宮崎駿監督のアニメ映画があった。多摩ニュータウンの開発によって里山の住処を追われたたぬき達が、妖術を駆使して人間達と闘うというストーリーである。 

  アニメだけでなく、民話や諺によく登場してくるように、たぬきはきつねと並んでわれわれにとってもっとも身近で親しみのある野生動物である。

  昨秋三里塚熱田家の畑では、たぬき達の食害によってひどい目にあった。乾燥のために畑に広げてあった落花生が、ことごとくたぬきによって食べられてしまったのだ。ごていねいに殻をむいて食べるので、畑には落花生の殻が一面に落ちていた。隣接して植えてあった大豆やサツマイモも被害にあい、ほとんど収穫できなかった。たぬきは雑食といわれるが、ふしぎなものでらっきょうや大根、にんじん、里芋は被害にあっていない。好きなものから食べているようだ。  

 これまでも被害がなかったわけではないが、今回はかつてない規模である。空港周辺の開発が進み、移転農家が増えたことで周辺が荒廃して、餌場が少なくなったことが原因だろう。たぬき達も空港の犠牲者なのだ。  

 それにしても丹精こめて作った作物をそっくり横取りされてはたまらない。堪忍袋の緒を切らした熱田夫婦から「なんとかしてほしい」と、たぬき退治の相談を受けた。「平成たぬき合戦」の始まりである。

タヌキと人間の共生の道

 昨秋のクマ騒動では、台風による餌不足のためクマが人里に降りてきて駆除される事件が相次いだ。捕獲頭数は1775頭にのぼったが、人に危害を加えたものでない場合は殺されず山に帰された。しかし里山でくらす野生動物の場合、クマと違って山に追い返し人間との接点をなくしてしまえばいいとはならない。  

 とりあえず、たぬき被害の問題についての行政窓口である千葉県環境生活部自然保護課に話しを聞いてみた。千葉県の鳥獣被害としては、タヌキ、キツネの他、アライグマ、ハクビシンなど中型獣が多いらしい。そこで担当者がいうのは、まず何による被害なのかを特定することが大事で、それによって対策も異なるとのこと。基本的な考え方は被害を防除することで、柵やネットで侵入を防ぐ、音や臭いで忌避させることだという。  

 防除対策の中で、電気柵は高い効果を上げるようだ。木登りがうまくないたぬきの場合、地面から8cmと15cmの高さ2段程度に通電線を張っておく。畑全面を囲うとなると管理が大変(草や蔓が絡むとショートする)で費用もかかるが、たぬきの好きそうな作物だけ部分的に囲うことならば出来そうだ。  

 その他にも地上30cmの高さで、100mに20個ほど強力なフラッシュランプを吊したり、カット綿にアンチボアスプレー(クマ避けにつかう強力な刺激臭を放つスプレー)をスプレーし、2〜3m間隔で吊すなどの方法があるという。銃声やイヌの声など、音による威嚇の方法もあるというが、近所に民家があると問題だし、けっこう慣れてしまうものだ。  

 ともあれ、年間を通して根気よく、まずはたぬきを作物に近づけないようにしなければならない。たぬきには人様に被害が及ばないように、周辺で木の実やネズミなどを食べて棲み分けしてもらう以外ない。それでもだめということならば本意ではないが、フェイズ2(有害鳥獣として駆除する)の闘いに突入する以外ないだろう。

鳥獣保護法とその現実

 たぬきは誰でもいつでも捕獲していいというわけではない。たぬきは鳥獣保護法によって 狩猟獣に指定されているため、猟期(地域によってことなるが、だいたい11月15日〜2月15日)にのみ、狩猟免許を所有する者が捕獲してよいことになっている。学術調査の場合でも、専用の捕獲許可を県に提出する必要がある。  

 狩猟免許には空気銃やライフル銃だけではなく、網・わな猟免許というものが別個にある(甲種狩猟免許)。  いずれにしても勝手にやるわけにいかず、行政を通さねばならない。有害鳥獣の駆除は市町村単位で行われているため、芝山町の生活環境課に連絡してみた。狩猟一般ということであれば地元の猟友会にやってもらうが、たぬきは夜行性なので銃は使えず、金網や木製のわなによる捕獲が一般的だという。とらばさみでも捕獲できるが、残酷だし、捕獲された個体がひどい怪我をするので自然に帰せず、あまり使わなくなったとのこと。もっともな話だ。ただし「有害鳥獣の駆除ということなら、産業経済課に金属製の捕獲器があるので貸し出せます」ともいう。  

 この辺、法律的にどういう関係になっているのかよくわからないが、被害を受けた人が申請すれば何の審査もなく案外簡単に「有害鳥獣駆除」の許可が下りる仕組みになっているようだ。こうした現実に対して、野生動物の保護を求めて活動しているNGOの間では、「被害補償制度がほとんどないため、被害を受けた人々はただ殺せとしかならない」との批判がある。  

 芝山町では「捕まえたたぬきは引き取らず、山に放してもらう」方針だという。「山って、一体どこに? このへんで放せば同じ被害を繰り返すだけでは?」とつっこむと、「放した先でたぬきがどうなっているか分かりようがない…」と歯切れの悪い返事が返ってきた。そちらで処分していただいてもけっこうですと言外にいっているのだ。  

 たぬきの毛皮はあまり質がよくないので商品価値はないし、民話によく登場する「たぬき汁」はまずくて食えたものではないらしい。捕まったたぬきの行く末がロクなもんではない以上、そうならないような距離でタヌキと折り合いをつけたいものである。        

(援農者)


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緑がなくなってスズメもいなくなった

都築由佳

 生まれ育った実家、現在住んでいる家のまわりの10年、20年前の風景を思い出してみよう。子供の頃、虫捕りに行った草むらや林が駐車場や住宅地に変わって、淋しい気持ちになった人は多いのではないだろうか。  

 私は1984年生まれである。生まれてから20年しか経っていない私から見ても、身の回りの環境変化に戸惑いを抱いている。それに伴い、最近気付いた事がある。身近に棲んでいる生物の種類の変化だ。  

 私が小学生の頃、朝、目を覚ますとスズメがチュンチュン囀る声が聞こえてきた。幼かった弟が追っかけまわしていたものだ。それがいつからか、小さな鳥たちは我が家の前からいなくなってしまった。  

 スズメは巣を造るのに人家の屋根や壁の隙間も利用する。都会にも生息し、人間にとって身近な鳥の一つである。巣立ちした若鳥は田んぼで稲の胚乳を食べ、秋になると耕地で雑草の種子を食べ、繁殖期には昆虫類を食べる。田畑や草地の減少は、スズメにとっても悪影響になっていると言えるだろう。  

 実際に私の住む桶川市の統計をみてみると、1965年には田、畑、山林、原野の面積が市の総面積の70・5%だったのが、75年には63・7%、85年には52・5%、95年には41・4%、2002年には65年の約半分の38・8%にも減少していた。  

 それに対して宅地面積は、1965年に10・9%だったのが2002年には28・6%へと増加している。これらに含まれない部分は雑種地、その他と括られているが、この中には公共施設や駐車場、商店などが含まれている。何となく緑の減少を感じていたが、この数値を見て納得した。  

 昨年は、クマが里山に下りてきて農作物を食い荒らす事件が多発した。例年よりもクマの餌であるブナやドングリの実が不作だったことや、過疎化による里山の荒廃や狩猟者人口の減少などが原因だ。日本ツキノワグマ研究所の米田一彦理事長は、「今年のクマの異常行動は酷暑、台風でしか説明できない現象」と指摘している。人間の生活の変化と台風・酷暑の猛威により生命を脅かされたクマは被害者ともいえる。ある一定の距離が保たれ共存してきた野生のクマと人間との関係が崩れてきてしまったようだ。  

 田舎の風景だけでなく、都心の風景も変わりつつある。東京の汐留や六本木には新しく高層ビルが建ち並んだ。買い物ができて食事ができて映画も観られる。近未来の想像図はいつも機械的で清潔感のある町並みだ。そこには原っぱも商店街も見つけられない。  

 人も生態も町並みも変わっていくことは自然なことだと思う。しかし、そこには守らなければならない大切なものもある。森林破壊は地球温暖化を煽り、地球温暖化は異常気象をもたらす。温暖化が進むと日本も亜熱帯気候になるという。そうなると四季がなくなり、多くの生き物たちが姿を消していくだろう。  

 自然破壊やエネルギー消費は努力次第でとめていくことはできる。希望ある未来の為に今やるべきことは、まずは最大の環境破壊である戦争をなくし、原発をなくしていくことだ。  

(学生)


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(2005年3月15日発行 『SENKI』 1172号5面から)


http://www.bund.org/culture/20050315-2.htm

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