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http://www.asahi.com/ (朝日新聞)
http://www.asahi.com/politics/update/0301/007.html
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惰性の隔離、国継続と指摘 ハンセン病問題最終報告
なぜ強制隔離政策が90年にわたって続いたのかを調査してきた「ハンセン病問題に関する検証会議」
(座長・金平輝子元東京都副知事)は1日、最終報告書を尾辻厚生労働相に提出した。国が差別を拡大し、
必要なくなった隔離を惰性のように続けてきたと指摘、医学界、報道機関、法曹界などの責任も免れない
と結論づけた。厚生労働省は、報告書に盛り込まれた提言を具体化するための組織を夏までに設置する
予定だ。
報告書は、戦前から始まった地域の患者を療養所へ収容する「無癩(らい)県運動」でハンセン病への
差別・偏見が拡大したと分析。戦後、国際的に在宅治療が中心になったにもかかわらず、日本では
ハンセン病医学の権威とされた国立療養所園長らの隔離強化の主張に基づいて、らい予防法が
廃止される96年まで強制隔離が続いた、とした。
廃止が遅れた最大の原因として、旧厚生省が、療養所に強制隔離された入所者の処遇改善に必要な
予算を獲得するため、同法の隔離条項を利用したことを挙げ、同省が「惰性的に現状を肯定した」と指摘した。
また、宗教界、法曹界、報道機関の役割と責任にも言及、「マスメディアは、隠蔽(いんぺい)された
人権侵害の救済に無力だった」とした。
さらに、熊本県黒川温泉のホテルで03年に起きた宿泊拒否事件で、元患者に差別的な手紙や中傷電話が
殺到したことにも触れ、ハンセン病への理解不足と偏見はなお残っている、と指摘した。
分析を受けた再発防止のための提言では、
(1)患者らの権利を定めた新法の制定
(2)感染症対策など政策決定過程の透明化
(3)正しい医学的知識の普及
(4)提言を具体化するための行動計画を作り、国などの実施を監視する第三者機関によるロードマップ委員会(仮称)の設置、
を求めている。
尾辻厚労相は同日、「提言を尊重し、必要に応じて関係省庁と連携しながら今後の政策の立案・実行に
あたる」と述べた。 このほか、標本として残されている人工流産や人工早産させられたとみられる
胎児・新生児114体の供養や責任問題、高齢化する療養所入所者の生活や医療の質をどう確保して
いくかなど残された課題は多い。
最終報告を受けて、全国ハンセン病療養所入所者協議会の神美知宏事務局長は「まだハンセン病問題は
解決していない。今後の国の政策にどう反映されるかが重要だ」と語った。
(03/01 22:06)
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