現在地 HOME > 掲示板 > 不安と不健康9 > 556.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
痛風の代表的な治療薬「ベンズブロマロン」(成分名)について、旧厚生省が安全対策を講じた00年2月以降も、副作用によって少なくとも患者6人が劇症肝炎などの肝臓障害で死亡していたことが、分かった。製薬会社1社の集計では、肝障害を起こした人は約170人おり、入院が必要な重症のケースも99人にのぼったという。厚生労働省は「医師がきちんと対策内容を守っていれば防げた可能性がある」として、製薬会社に使用上の注意を医師に徹底するよう促した。患者には定期的な肝検査を呼びかけている。
関係者などによると、亡くなった6人のうち、急激に肝臓の機能が落ちる劇症肝炎が原因だったのが2人、重症の肝障害は4人。性別では、男女ともに3人ずつ。年齢は40代1人、50代1人、60代1人、70代2人、80代1人だった。いずれも、ベンズブロマロンを継続的に服用し、3カ月から1年半近く使っていたという。
重症の肝障害で亡くなった50代の女性はC型肝炎の感染者だった。劇症肝炎で亡くなった40代の男性は肝検査で異常値が出たあとも、服用を続けていたという。
ベンズブロマロンの副作用では、97年ごろから00年までの間に、服用した患者8人が劇症肝炎を起こし、うち6人が死亡した。
このため、旧厚生省は安全対策として「緊急安全性情報」を出し、(1)服用する場合は、少なくとも6カ月間は定期的な肝機能検査を行う(2)患者に肝障害の発生の可能性を事前に説明すること(3)肝障害のある患者は使用禁止――などの点を、全国の医療機関に通知し、薬の添付文書にも同様の内容が盛り込まれるようになった。
しかし、今回、明らかになった6人については、緊急安全性情報が守られていない可能性がある。東京女子医大膠原(こうげん)病リウマチ痛風センターの山中寿(ひさし)教授は「痛風は関節痛から気づく場合が少なくない。内科や整形外科など、患者が訪れる窓口によって意識が違う恐れがある」と指摘している。一方で、長期間にわたって服用しても、肝臓に障害がない場合は、服用を中断する必要はないとしている。
ベンズブロマロンは、痛風の原因となる尿酸の排泄(はいせつ)を促す作用がある医療用医薬品。78年に承認され、「ユリノーム」などの商品名で売られ、毎年約30万人が服用している。日本痛風・核酸代謝学会がつくったガイドラインでも、最も多く使用されている尿酸排泄促進薬として紹介されている。
厚労省によると、鳥居薬品(東京都中央区)が製造・販売しているユリノームが大半を占めている。また約10社も別の商品名で販売している。副作用が続いていることに対し、鳥居薬品は「医療関係者には情報を伝えており、今後も、適切に対処していきたい」と話している。
(01/08 06:17)
http://www.asahi.com/national/update/0108/003.html