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もhttp://www.yomiuri.co.jp/main/news/20041222i206.htm
乳幼児を対象としたポリオワクチンの集団接種で、東京都の板橋区医師会が今年度、1本20人分のワクチンを二十数人に使用する接種を行い、「ポリオの抗体がつかない」などの苦情が寄せられていることが22日分かった。
同区の年間接種者数は、数年前からワクチンの年間使用量を大幅に上回っており、ワクチンの“節約”が恒常化していた実態が浮かび上がった。
ポリオワクチンの集団接種は、生後3か月から1歳半の間に2回行うことが推奨され、自治体が無料で行っている。同医師会は、板橋区からの委託で接種を実施。今年度は7861人が接種を受けた。
同医師会の今年度のワクチン使用量は355本。1本の容量は20人分のため、接種可能人数は最大で7100人のはずだが、761人も多かった。2003年度も、385本(7700人分)の使用量に対して、接種者は8220人にのぼった。
ポリオワクチンはマイナス20度以下で凍結保存され、使用前に解凍して用いる。1度封を開けると、雑菌が混入する恐れがあり、余った分は廃棄される。
例えば、1日に30人が接種を受けた場合、2本のワクチンを開け、余った10人分は捨てる。適正な接種を行えば、接種者数は必ず、用意したワクチン量を下回ることになる。
ワクチンの製造元の日本ポリオ研究所は「接種予定者を10%程度上回るワクチンを用意するのが一般的」とするが、同医師会ではこの数字が逆転。だが、板橋区からの委託費は、適正なワクチン本数が使われていることを前提に、接種者1人あたり約1400円が支払われている。
板橋区などには今年、都内の大学病院でポリオの抗体検査を受けた子供の親から「接種を2回とも受けたのに、抗体がまったくついていなかった」などの苦情が寄せられている。
国立感染症研究所ウイルス第2部の宮村達男部長は「接種量が多少足りないとしても、抗体をつける効果はあるので安心してほしい。ただ、一部を口からはき出すなどしてさらに量が減ると、効果が半減する恐れもある。規定量は厳密に守るべきだ」と語る。
同医師会は「ワクチン1本には元々、規定量を超える量が含まれており、1本あたり23人に投与できる」と説明するが、同研究所は「容量がわずかに多いのは、微量のワクチンが容器や口に入れるためのスポイトに残ることへの対策。容量はあくまで20人分」と話している。
◆ポリオ=ポリオウイルスの感染で、脊髄(せきずい)神経が侵され、四肢にまひが起きる病気。かつては小児に多発したことから、小児まひと呼ばれた。
国内では1960年代まで流行したが、飲む生ワクチンの接種で患者は激減、80年を最後に、自然界の強毒のポリオウイルスによる患者は発生していない。
(2004/12/22/14:34 読売新聞 無断転載禁止)