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(回答先: 血液製剤「フィブリノゲン」の納入先 C型肝炎問題で厚労省公表【中日新聞】 投稿者 バルタン星人 日時 2004 年 12 月 13 日 05:27:43)
<前略>
政府がつくったニュースラッシュ
先週のニュースラッシュはいったい何だったのだろうか?
八日午後、拉致被害者の横田めぐみさん(行方不明当時十三歳)の遺骨として
北朝鮮が提供した骨について、DNA鑑定の結果、めぐみさんとは別人のものだ
ったという政府発表が行われた。
拉致被害者の遺骨問題では、翌九日午前の細田博之官房長官会見で、北朝鮮が
松木薫さん(行方不明時二十六歳)の「遺骨」として提供していたものも、DN
A鑑定の結果、別人だと判明したという発表が行われた。
九日午後には、厚生労働省が三菱ウェルファーマ(旧ミドリ十字)の血液製剤
フィブリノゲンによるC型肝炎感染問題で、フィブリノゲンが納入された医療機
関など6933カ所を公表し、ホームページに掲載したと発表した。
九日は、自衛隊イラク派遣の期限延長が閣議決定された日である。この日程は
一カ月も前から決まっていた。その日程を前提に、大野功統防衛庁長官や、武部
勤自民党・冬柴鉄三公明党の両幹事長がイラクに行き、サマワの自衛隊を視察し
て「治安は大丈夫」などと小泉純一郎首相に報告していた。
イラク派遣延長についての賛否論議が高まるのを抑えるため、「遺骨」「薬害肝
炎」の両大ニュースをぶっつけたのではないか、と私は疑っている。両方とも政
府発表だから、その日時を決めるのは政府である。
「めぐみさんの遺骨」を持った第三回日朝実務協議代表団が帰国したのは十一月
十五日だった。細田官房長官は翌十六日午前の記者会見で、鑑定に要する期間に
ついて、「一週間か十日ではないか」と語っている。
「遺骨は高温で焼かれており鑑定は難しい」というのが関係者の一致した見方だ
った。新聞報道を読むと、警察庁科学警察研究所では鑑定ができず、帝京大法医
学研究室でようやく可能だったらしい。
帝京大は細胞内にある小器官で、細胞核とは別に独自のDNAを持っているミ
トコンドリアに着目した。一つの細胞に数十から数千のミトコンドリアがあるた
め、微量の試料を鑑定しやすい。遺骨から取り出したミトコンドリアDNAの塩
基配列を、めぐみさんのへその緒に含まれるミトコンドリアDNAと比較した。
ミトコンドリアDNAは約一万六千塩基対でできている。うち個人差が生じやす
い部分(約三百塩基対)を比較し、別人と結論付けたという。さらに鑑定に使用
した骨五片のうち四片の塩基は一致したが残りの一片とは合わず、二人分の骨と
判断したという経過のようだ。
難しい作業ではありそうだが、それほど時間がかかるとは思えない。帝京大か
ら取材した新聞社もあるのに、鑑定結果がいつ出て、新潟県警に連絡したのは何
日のことであったかを聞いていないのはいただけない。
いずれにせよ八日の「遺骨はニセモノ」発表によって、メディアは北朝鮮制裁
論議一色になり、自衛隊イラク派遣延長をめぐる論議はどこかに吹っ飛んでしま
った観がある。
薬害C型肝炎問題では、家西悟・参院議員らがフィブリノゲン納入先病院の公
表を求めていた。〇二年十二月には情報公開法に基づく開示請求もしたのに厚労
省は「医療機関に不利益が出る可能性がある」という理由で非開示を決定。今年
二月、内閣府情報公開審査会が「人の健康のほうが優先する」と原則開示の決定
をしていた。
こうした経過がある情報公開が、イラク派遣論議をつぶすために使われたとい
うのは、私の邪推だろうか。小泉首相は厚相を四期もつとめ、官邸をとり仕切っ
ているといわれる首相秘書官・飯島勲氏は、とくに厚労省に強いといわれている。
イラク派遣論議をトーンダウンさせるため、九日にあわせた発表としたのなら、
被害者を冒とくする行動だろう。
いま日本のメディアは、「政府発表」に振り回されているようにしか見えない。
政府は発表によってニュースをつくる。そのニュースづくりがいかなる意図で行
われているか? それを見ようとしないなら、言論機関失格だと言わざるをえな
い。
<後略>
http://backno.mag2.com/reader/BackBody?id=200412150730000000024557000