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シリーズ・現代の優生思想との対決(12)ソ連のヴィゴツキーと日本の全障研の「発達保障論」
http://www.asyura2.com/0406/health9/msg/417.html
投稿者 手ポリオ 日時 2004 年 12 月 04 日 00:44:38:HcDLIonJaW4jM
 

〜社会の表側に映るものと映らないもの〜
反戦も福祉も、映らないものを表に出す運動だ。知らないことを知ろう!なるべく世間と変わったことを知ろう!常識や世間の空気や日常性などは、すべてまず疑おう!そのエネルギー源になる怒りを否定するな!精神の去勢をするな!

まず【大お詫び、と前置き】
―――前回、ルイセンコが全障研の元にからんでいると思い込んだら、試練の道を、行くが男の…、大間違いでした。調べたら、ヴィゴツキーというソ連の心理学者でした。謹んでお詫びと訂正をいたします。ルイセンコはおもに農業の品種改良の分野でした。下のほうに少しルイセンコのことも載せます。間違えて何が悪いものか!おかげで、ルイセンコのことも調べて、ソ連のまた別の闇の部分も知ることが出来た。何度も書くが、私はまったくのドシロートで、しかも誰も教えてくれない、と言うより、周り中がそういうことをわざと避けて、何も言わないような環境にいた。そういう者が一人で自発的に調べることは非常に良い傾向だし、その時には、むしろ間違うことはいいことなのだ。それを弱みのように付け込んで、いじめをしたり冷笑したりするほうが、はるかにおかしい。こういうあり方が本来の勉強の基本精神で、教育というものはそこを大切にしなければならない。…お詫びのはずが、お詫びではなくなりましたが、これを、ひらきなおりとか屁理屈をこねていると言うことがまた(先程から言っているように)、弱い者いじめであり冷笑であり勉強の基本精神をつぶすことになるのだ。どちらがおかしいのか!!こういうことをやるのが、どこが悪いか!現実に下記のような理論のもとで障害児教育がなされているのだ。
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―――「全障研(全国障害者問題研究会)」と「発達保障論」のもとは・・・、
◇『障害者問題研究』2003年8月25日発行(特集 発達保障論の諸相と課題)全障研出版部 http://www.nginet.or.jp/ken/k312/katounaoki.pdf 「特集にあたって 発達保障論の発展のために」加藤直より
〜「発達保障」ということばが初めて記述されたのは1961年、滋賀県の知的障害児施設・近江学園であった。発達保障の呼称者、理論的提起の中心的役割を担ってきた田中昌人氏(当時・近江学園研究部長)。1966年、日教組の第15次・全国教育研究集会・障害児教育分科会へ提案し、その中の(おもに日本共産党系の)教師や研究者らが集まって1967年8月、全障研の発足へ【※当時は、今の日共系の教師の組合「全教」は、まだないから、社会党系などとみんな一緒で日教組なんだそうだ】。1977年「全障研・第1回共同研究者集会」のまとめとして『「発達保障論」の成果と課題」が78年に刊行され、1987年8月『障害者問題研究』50号記念号↓で分野ごとの到達点をまとめた。…〜。
http://www.nii.ac.jp/sokuho/articles/ncid/AN10336694/19870800_50.html 

◇「ヴィゴツキー理論から見た発達保障」藤野友紀(北海道大学大学院)より。(同・2003年8月25日号) http://www.nginet.or.jp/ken/k312/ken31-2.html
〜ヴィゴツキーは、人間の発達に対してすぐれた理論(方法論)を構築した心理学者として知られている。彼は「内的論理」「超補償」「一次的障害と二次的障害」などの興味深い概念を用いて、人間の「障害」と「教育」の問題について本質的な議論を展開した。その主張は次のようにまとめられる。@「障害」は所与のものではなく発達の過程で生み出される、A「障害」は個人に所属するものではなく、他者や社会との間に立ち現れてくる、B発達を質的に評価するならば、障害児における、一見すると微々たる進歩に見える発達にこそ重大な価値がある、Cすべての人間は能動的生活に参加する欲求と能力をもっている、D教育は、能動的生活への参加の能力が発揮されるような活動のデザインを基盤に据えるべきである。これらは日本における発達保障論の思想的展開の歴史との間に多くの共通点をもつと同時に、心理学理論としての発達保障論の構築に向けて豊かな示唆を与えてくれる。〜

―――これに対して、
◆『障害者はどう生きてきたか――戦前戦後障害者運動史』杉本章・著(Nプランニング)の中には、次のように書いてある。 http://homepage3.nifty.com/epoepo/books.htm#−日本の障害者運動− 第4章のP.67〜68
[全障研の「発達保障論」の考えによれば、「障害児」はすべての人間が通過する発達過程のある段階で「もつれ」を生じているために次の発達段階に進むことができていない子どもであって、その「もつれ」の構造と発達の過程を科学的に解明することによって、障害児の全面的な発達を保障することができるというのです。(中略…『全障研三十年史』548頁参照だそうだ。)しかしこの考え方は、「障害」をマイナスととらえ、その軽減克服をはかることが「発達保障」であるとするという点で、「障害」を持つ人をまるごとの存在として肯定し、その上でその人間としての尊厳と権利を守るというノーマライゼーションの思想とは明らかに異質のものです。(中略)…それ自体は憲法の理念に基づく基本的人権としての社会保障権の主張でした。…が、背景にあったのは高度経済成長によって支えられていた「パイ」の大きさであったことは否定できません。…1970年代後半に結成された全障連(全国障害者解放運動連絡会議)【や、青い芝の会】を「過激派暴力集団」と規定し…1979年「養護学校義務制」をめぐって激しく対立しました。…(以下略)第5章‘高度経済成長の破綻と「青い芝の会」の衝撃’へつづく。] 
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―――発達保障論・・・・・・ヴィゴツキー 田中昌人 茂木俊彦 ほか―――
■レフ・セミョノヴィチ・ヴィゴツキー(1896〜1934)  
http://www.tabiken.com/history/doc/B/B273R100.HTM http://cgi12.plala.or.jp/okamoto/Arseno2_1_4/dr.cgi?key=177
〜ソヴィェトの心理学者。「心理学のモーツァルト」と呼ばれている。1917年,モスクワ大学法学科とシャニャフスキー大学歴史・哲学科を同時に卒業。1924年精神神経学会における意識の問題をめぐる論争で心理学界に登場。1925年,芸術心理学で博士号取得。以後38歳の若さで病死するまでの10年弱のあいだ,ソヴィエト心理学界最高の理論家として活躍。中心課題は児童の言語・思考の発達的研究。

◇『はじめて学ぶヴィゴツキー心理学―その生き方と子ども研究』フォーラム21 明神もと子(編集)2003/05
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4788040077/qid%3D1102008720/249-5001689-0313133

◇ヴィゴツキー学協会 1999年11月3日〜 http://human.h.kobe-u.ac.jp/education/doi/vygotsky-index.html

◇新・ヴィゴツキー http://www001.upp.so-net.ne.jp/niche/library/Room-1/04.html
[書評]『拡張による学習−活動理論からのアプローチ』ユーリア・エンゲストローム(山住勝広他訳)(新曜社、99年8月)〜日本では日教組の影響もあって、戦後いっせいにヴィゴツキー理論が採用されたようです。いまもその残党がいて、なにごとにつけても教条主義的にとらえてしまう、というマイナス面が指摘されています。ところが最近になって、その流れとは違う、ヴィゴツキーの再評価の上に立った新たな流れが生まれているのです。マルクスもまた、新鮮な眼で読み直されています。従来のマルクス学者たちが自信喪失しているなかで。ヴィゴツキーの理論は個人のレベルに重点があったので、これをもっと社会のレベルに持っていこう、というのがエンゲストロームのねらいです。・・・
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【全障研(全国障害者問題研究会)】1967年8月1〜3日結成大会。(兄弟団体・障全協は1967年12月4〜5日結成大会)
■田中昌人(全障研初代委員長。現顧問。元・近江学園研究部長。人間発達研究所所長。京都大学名誉教授)
「全障研第37回全国大会 滋賀2002.8.1〜3」大会プログラムより。 http://www.nginet.or.jp/news/37siga/content1.html
1932年生。教育心理学の発達的基礎を障害発達心理学の立場から研究。全障研初代委員長。人間発達研究所所長。主著 『発達保障への道』(全障研出版部)『人間発達の理論』(青木書店)『子どもの発達と診断@〜D』(大月書店)他多数。記念講演では、20世紀をふりかえりながら21世紀を展望し、課題として、教育権保障と共に、憲法27条の「働く権利」を強調されました。
・・・と書いてある。私ゃ、「働かない権利」「働けない権利」を強調したいわ!!
――※ところで、その同じページには別の人の次のような言葉も載っているが・・・。
「…全障研が結成された36年前の1967年には、米軍の北ベトナム爆撃がいっそう激しくなり、国の内外で「ベトナム侵略戦争反対」の行動が大きく広がった年でした。第37回全国大会を開催する2003年には、米英軍がイラクヘの無謀な軍事攻撃をおこない、世界中でかってない大規模な「NO WAR」の抗議行動が巻き起こりました。戦争は、人為的かつ大量に障害者を生み出します。私たちは、すべての人の生命と人としての尊厳が保障される世界の到来を強く望んでいます。…」第37回全国大会(滋賀)準備委員長・渡邊武(ノエル福祉会理事長・全障研全国委員)
・・・みんな、おじいさんばっかりだわ。長生きするわ。
■人間発達研究所 1985年〜 http://j-ihd.com/index.htm http://j-ihd.com/schoool_schedule.htm
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■全障研出版部発行『発達保障を学ぶ』茂木俊彦(もぎ としひこ)(東京都立大学総長・前全障研委員長)2004/7/20
http://www.nginet.or.jp/shuppan/2004/mogimanabu2004.html
しんぶん赤旗(2004/9/26)書評 越野和之(奈良教育大学)
〜「発達保障」ということば。このことぱは、1960年代に端を発する障害のある子どもの教育権保障運動の中で提起され、それ以降の、障害のある人たちの人間的諸権利の総合的な保障を求める多面的な運動を導いてきた理念である。著者は、ちょうどこの理念が提起された時期と前後して心理学研究者としてのあゆみをはじめ、全国障害者問題研究会の活動や、各種の教育研究集会、乳幼児期の子どもにかかわる保育者との共同研究などの活動を通して、発達保障の現場に密着しつつ、その理論と実践の発展をリードしてきた。本書は、そうした立場から書かれた、発達保障という考え方への入門書である。
■『障害者問題研究』2004年5月25日発行―連載:発達保障論をめぐる理論的問題(1)ヴィゴツキーの発達理論をめぐって―キーワード:ヴィゴツキー,発達論,発達の最近接領域,「階層−段階」理論,弁証法 http://www.nginet.or.jp/ken/k321/ken32-1.html
■発達保障論・関連・全障研出版案内のページ 
http://www.nginet.or.jp/shuppan/nomber1.html http://www.nginet.or.jp/shuppan/nomber2.html ほか。
清水寛 茂木俊彦 玉村公二彦 峰島厚 秦安雄 近藤直子 荒川智 白石正久 ほか。月刊誌『みんなのねがい』(全障研出版部)
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■清水寛(埼玉大学教育学部教授)…研究テーマ「戦争・ファシズムと障害者問題史 アジア・太平洋戦争の旧植民地を含む障害者の実態 日本における優生政策と障害者・病者の人権 軍隊と障害者問題」 http://www2.crcsu.saitama-u.ac.jp/Phtml/86.html 
■季刊『障害者問題研究』目次総覧(全障研出版部)のページ http://www.nginet.or.jp/jsdh/index.html 
No.1(1973年7月)からの全号の目次の詳細が載っている。No.1から、ちゃんとヴィゴツキーが載っている。
それより、ちゃんと「戦争と障害者」を取り上げたものがある!絶版!ああ、もったいない。
――【★いまこそ、これらをブックレットか何かにして復刊すべきだ!過去の財産を活用せよ!そして運動に結び付けろ!】 
◇No 36(1984年1月)<特集>戦争と障害者問題 
・明治期における軍隊と障害者問題 : 徴兵制および陸軍懲治隊を中心に 清水寛
・日本の植民地下における社会事業と障害者問題 慎英弘
・戦争とハンセン病患者の生存と人権 大竹章
・戦争と障害者の前近代史 : 鉄砲伝来を中心に 河野勝行
・<報告>視覚障害者と戦争 岸博實
・<研究ノート>戦争下における断種法,精神衛生関係法制と障害者 野村拓 ・・・などが満載!     http://www.nii.ac.jp/sokuho/articles/ncid/AN10336694/19840100_36.html
◇No.63(1990年11月)<特集>天皇制と障害者の人権 
・天皇制と差別 山口和孝 ・社会福祉研究における天皇制 小川政亮 ・天皇の軍隊と障害者:国家総力体制下の徴兵検査と陸軍教化隊 清水寛 ・川本宇之介の「デモクラシー」論と障害児教育 平田勝政 ・戦争の起源と障害者問題:""兵器""が現われ,障害者が消えた? 河野勝行 ・<書評>清水寛著『人間のいのちと権利』 安川寿之輔 ・・・など。
     http://www.nii.ac.jp/sokuho/articles/ncid/AN10336694/19901100_63.html 
◇Vol.24-4(1997年2月)<特集>戦後障害児教育50年
・<特集にあたって>日本国憲法・教育基本法の施行50周年と障害児教育 渡部昭男 ・近代日本における「特殊教育」概念の形成:学校教育法の「特殊教育」概念に関する歴史的検討 平田勝政 ・占領期教育改革と障害児教育対象概念の展開:学校教育法・児童福祉法の成立過程を中心に 高橋智 ・盲学校の戦後とともに 藤野高明 ・子どもと父母のねがいが学校を変えた 松本昌介 ・ダイオキシンによる人体への被害:文献的考察とベトナム現地調査 尾崎望 ・・・など。
     http://www.nii.ac.jp/sokuho/articles/ncid/AN10413004/19970200_24%284%29.html
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■記録映画『夜明け前の子供たち』(1968年監督・柳沢寿男)滋賀県の知的障害児施設・近江学園(1946年11月開設。糸賀一雄。1948年知的障害児施設認可) http://www.city.yamagata.yamagata.jp/yidff/catalog/99/jp/02/004.html#004
◇本『精薄児の父 糸賀一雄講話集 愛と共感の教育 増補版』柏樹新書11〜昭和43年9月17日、大津市で開かれた滋賀県児童福祉施設等新任職員研修会での講義の録音。この講演の最期にさしかかった頃、「この子らを世の光に、この子らを-…」と演壇でマイクを握ったまま倒れられた先生は翌18日そのまま帰らぬ人となられたのでした。 http://ww3.tiki.ne.jp/~teppey/osusumenoissatu/aitokyoukannokyouiku.htm
◇記録映画『わたしの季節(予告編)』(2004年)〜「夜明け前の子どもたち」から30余年。第二びわこ学園(1966年開設)施設老朽化による新築移転を2005年に控え、現在撮影進行中。 http://www.hanga-cobo.jp/niyaniyu/watasi-1.html 
◇びわこ学園のあゆみ http://www.biwa.ne.jp/~ikyoku2b/ayu.html
◇福祉映画祭inNAGOYA(2003/6)〜白井佳夫さんは「障害者を取り上げた作品は昔は安易な美談が多く、運営スタッフはそんな社会の見方も超えようとしていた」と話す。 http://www.aju-cil.com/isuctr/eiga-lu.htmlhttp://www.mainichi.co.jp/universalon/clipping/200306/214.html
◇1950〜60年代日本のノンフィクション映画素描 http://users.ejnet.ne.jp/~manuke/zatsu/eiga/katan.html 〜
★★社会の表側に映るものと映らないもの★★〜
◇田中昌人『「夜明け前の子どもたち」と、ともに』1974/09/01 全国障害者問題研究会出版部,全障研新書,講座発達保障への道2,
■共同作業所全国連絡会(きょうされん) 
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―――※全障研は、研究者・学者の研究団体だそうで、運動体としては「障全協(障害者の生活と権利を守る全国協議会)」が平行重複的に作られているが、そこがほとんど反戦運動はしない。したとしても一般の戦争反対の程度で深めない。ましてや障害者運動に結びつけることなどしない。政府にたてつくなど極端に避けて、取り入って癒着しようとする。発達保障論の中身以前に、こういう姿勢が、私には合わない。これでは反戦は出来ない。材料や視点はあるのに。
発達保障論自体はとてもむずかしい理論のようで「専門家に従っていろ」という感じ。それで目先の効果が幾分出れば良いと思ってしまう。あるべき形にはめ込まれる。すごく閉鎖的で権威主義的。ここでもまた、専門家のタコツボ現象。京都大学の「近代の超克」への現在の対応と同じ。全障研は教育心理学なのに、負の心理にちゃんと対応しようとしない。私のことを完全に無視するやり方の根源がそのあたりにある。科学の目・唯物論にこだわり、心・情感にふれることをさける。オカルトにはまらないようにするのはいいとして、あまりにも機械的・技術的・冷血になるな。やはり、共産党(「諸悪の根源としての党」)っぽいし、自民党の利権獲得集団みたいでもある。
障害者運動の系列についても、他の運動と同じで完全に分かれている。「全教」は共産党系、もう一方の「日教組」は旧・社会党(現・民主党、社民党)系の「連合」の下部組織みたいで「平和フォーラム」と重なるらしいが、どちらもフヌケてるから、それ以外の全共闘世代の一部や旧ベ平連の人などは別のところか。東京都の場合、「全教」の「都障教組」(JD系)と「日教組」の「都障労組」(DPI系)の違いは(※ほかに「都障労協」だとか、いろいろあるらしいが)、障害児を養護学校へか、普通学校へかが最大の相違点。「都障教組」は主に養護学校の先生、「都障労組」等は普通学校(地域の学校)の障害児学級や統合教育の先生たちのようです。三年前のあの教科書が一部の養護学校のみに押し付けられた時も、こういうことでは、それほどの運動にならない。どうしても目先の授業や身近な自分たちの職場や生活のことだけになってしまう。そうされてしまっていること自体が戦争・軍事構造のせいだということに通底しているのに、も一つ、熱が入らない、避けようとしている。一番運動をやっていたのは、今、日の丸・君が代問題などでも運動をしている人たちだ。
なお、1979年前後の養護学校義務化反対闘争の関連については、長くなるから、いずれまた・・・。
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【その他の資料】・・・ルイセンコとメドベージェフ

■トロフィム・デニソビッチ・ルイセンコ(1898〜1976)・・・マルクス・レーニン思想「弁証法的唯物論」で遺伝も変わりうるとし、ナチスが遺伝による人種の優劣を唱えたことに反対して、遺伝による素質の差を認めないこと、などでスターリンとフルシチョフに取り入り、ソ連の農業コルホーズ・ソホーズをダメにしたエセ学者。スターリン時代、ダーウィン派のバビロフはルイセンコを批判し捕えられ獄中死。スターリン死後、フルシチョフがスターリン批判したときジョレス&ロイ・メドベージェフ兄弟(双子)はルイセンコ批判を開始したが、フルシチョフの素人考えに取り入ったルイセンコはしばらく権力を保持した。1964年ブレジネフ時代になって始めてルイセンコは失脚した。ジョレスは『ルイセンコ学説の興亡―個人崇拝と生物学』出版、発禁処分。ロイは1969年に国外で『共産主義とは何か』出版、ルイセンコを越え共産党一党独裁に触れた批判書。ロイはさらに1972年『社会主義的民主主義』などを国外出版、ジョレスは1973年イギリス滞在中にソ連国籍剥奪され、そのまま亡命。ロイは精神病棟に強制的に入れられた。1977年『告発する!狂人は誰か』(ジョレスと共著)。これを助け出したのはサハロフ博士であった。ゴルバチョフ改革とともに88年には名誉回復され、公式出版物や歴史の学術雑誌にも寄稿するなど、改革を支持する立場に立ち、89年春には新設の人民代議員大会の代議員に選挙で当選した。98年に来日。現在も活躍中。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~mike/medvedev.htm ほか多数。
【――※他にも、右翼系のサイトにも、この種のものは、たくさんあるようだが、そういうのは参考にしない。ルイセンコやスターリンを叩く感性があるのなら、日本軍国主義や天皇やナチスやブッシュやシャロンやコイズミも叩かなきゃ。右も左も中道も権力の座に着いたら同じようなもの。根っ子が優生思想との対決だという認識をしないと、弱い者の味方をする振りをしている奴らにごまかされる。その点、障害者は非国民・ごくつぶし・役立たず・自己責任・自業自得・税金泥棒と、ののしられるだけだから、そう簡単には乗せられねえぞ。】

■ジョレス・A・メドベージェフ(兄)(反体制生物学者・生化学者・歴史家) http://www.msz.co.jp/titles/02000_03999/ISBN4-622-03788-2.html ほか多数。
ロイ・A・メドベージェフ(弟)(反体制歴史学者)ともに1925年生まれ。双子だから当たり前。79才。
共著『知られざるスターリン』現代思潮新社刊 第三部 第二章「スターリンとルィセンコ」2003/04
http://www007.upp.so-net.ne.jp/associe21/newsletter/2003/no56.htm#SEC2 http://www.gendaishicho.co.jp/syohyo/sirasuta.htm

■『日本のルィセンコ論争』みすずライブラリー 中村禎里(著)1997/03(初出は1967年)みすず書房¥2310(悪税込)
――ルィセンコの学説が、誤りであることがほぼ明らかになったあとも日本の学会だけは擁護し続けた、という滑稽かつ情けない歴史が描かれる。戦後日本の生物学・思想界の一部に熱狂的な支持を集めるところとなり、それに伴う深いイデオロギー対立の全貌を明らかにする。この問題に適切に科学者達が答えないことには、今日の「サイエンス・ウォーズ」の科学者側からの反論など説得力をもちようがない。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4622050129/qid=1101414506/sr=1-2/ref=sr_1_10_2/249-7647952-3686754
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■『知識人とは何か』平凡社ライブラリー(236)エドワード・W・サイード(著)1998/03 ¥882(悪税込)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4582762360/qid%3D1065752250/sr%3D1-1/ref%3Dsr%5F1%5F2%5F1/250-7216740-9482637
   「永遠に呪われた亡命者」こそが知識人なのだと著者は説く。
    権力に迎合せず、狭い専門性に閉じこもることなく、
    少数派であることを受け入れる。それが知識人。
   「知識人とは亡命者にして周辺的存在であり、またアマチュアであり、
    さらには権力に対して真実を語ろうとする言葉の使い手である」。

■「知識人の政治的役割」ミシェル・フーコー(訳・解説 西山雄二)
http://www.h6.dion.ne.jp/~kazu-t/Lamitie/vol1/07/nishiyama-f.vol1.no3.htm
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【つけたし】
ルイセンコも一種の優生思想。 http://www.megabbs.com/cgi-bin/readres.cgi?bo=sisou&vi=1076681718&rm=100 ヴィゴツキーもだ。能力効率主義。それが「進化」で「発達」なのだと言う。「近代の超克」だ。元がそういう理論を、障害を持つ子供たちに用いるなんてことは、実験材料・いけにえになるだけで、まるで、あの教科書が押し付けられたことと同じではないか!戦争賛美の歴史教科書を、戦争の役に立たない非国民・ごくつぶしと、ののしられる障害児の養護学校の子供たちに真っ先に押し付けた!それと同じだ!これが怒らずにいられるか?なお、私が子どものころ入っていた所は、愛知県立第二青い鳥学園(岡崎市)です。結構楽しく過ごしていたけどね。何も知らずに・・・。
 
それにしても、もひとつ、この「ヴィゴツキー」や「発達保障論」が、日教組の障害児教育分科会に入った当時の教条的に広まっていた雰囲気がわからない。ソ連の思想ならとにかくよかったのか。(そのへんは今後もっと調べよう。)たとえば、最近のだけど‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

◇山梨医科大学附属図書館山梨医科大学附属図書館・図書館だより No.51 Nov. 2001
「ヴィゴツキーは踊る」看護学科 柳原真知子 http://www.yamanashi-med.ac.jp/~tosho/tayori/tayori.51/tayori51.pdf 
 ヴィゴツキーという名前を聞いても、よほどおたくな人でないとわからないかもしれま
せん。ピアジェは誰でもご存知と思うが、彼と並ぶあるいは理論的には彼を凌駕するソ連
の心理学者です。しかし、ヴィゴツキーの生まれた時代と場所が不運というのか、ソ連の
スターリン主義時代に、コスモポリタン的であるという理由で彼の本は発禁となり、彼も
34歳の若さで逝去してしまいました。
 このヴィゴツキーで学部の卒論や修士論文を書きましたが、これは“茨の道(?)”でし
た。彼の本のほとんどは絶版。再版されないのは買う人がいないという証明か。また、東
京の有名私立大学の某大学院の面接では、日本を代表する教育学者から「ヴィゴツキーは
古い、これからは新ヴィゴツキーだ」と言われ、奈落の谷に落ちていきました。しかし、
後にその教育学者に新ヴィゴツキーの研究者を問うたところ、あいまいな返答しか返って
きませんでした。
 それから、1年後J.ワーチというアメリカの心理学者の訳本が出版されたのを本屋で見
つけ身体が打ち震える喜びを感じました。彼は、ヴィゴツキー理論を評価すると共に新た
な視点からヴィゴツキー理論を論じていました。この本を合図にするように、新ヴィゴツ
キー主義と言われる人々の文献が次々と手にすることができたのです。そして、新ヴィゴ
ツキー主義は、近代の科学万能主義への反省的な視点となりアメリカの心理学や教育学そ
して看護学に対しても大きな影響を与えていました。(以下略)
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今も有力なのだ。しかし、やたらむずかしい。それよりも、とにかくこの全障研も障全協もおとなしい。最近の教科書問題やテロや戦争問題の時期のページを読んでいても、一応そういうことも書いてあるが、別世界のようなことを言っている。いちおう抗議声明文を出すだけ。これでは確かに、タンポポのお花畑で青い空に愛と希望のなんとやら・・・になるわ。ああ、ちからが吸い取られる・・・。そういう人間になることが発達の保障ですか?今の去勢された時代そのままだ。障害者や弱者やその家族などは、頭を下げてみんなに感謝して周りに合わせて生きましょうか?つまり、人の顔色を伺って卑下して本音も言えない屈辱の心を隠し、明るく楽しくおギョーギヨク、好かれる障害者を演じましょうね生きてくために、か?・・・まっぴらごめん!ヴィゴツキーの理論や発達保障論の中身以前に、まずそういう姿勢が問題だ。学者・専門家はタコツボへひきこもっているし、障害者自身は身の回りのことで精一杯で、お上にたてつくような反戦など、とてもやれないか?

一方、それに対する側は、ちゃんと戦争構造や差別問題や優生思想に関連させて運動にもつながっている。(それについては次回へ。)そういう人たちは、やはり、あの「68年革命」を中で経験して来た人たちもいるようだが、「優生思想反対」が基盤だから、簡単に世間に受けるようなことではなく、世間の去勢された日常意識の人々の中では、無言の空気の圧力で、とてもやりにくいと思う。数が少ないし(しかし団塊の世代で数は多いのに、実際にわかってかかわっていた人間は少ないのか?)また、わかってかかわっていた者は傷が深すぎて触れたくないらしいから、わかっていた・いないの、どっちにしても、伝えられない。これじゃあ、その後の世代は何にも知らないわけだ。ベンヤミンの言う「歴史を逆撫でし、敗者の歴史を語り継ぐ」ということは、従軍慰安婦や南京大虐殺や、秩父事件や郡上一揆や、古くはアテルイなどのことだけではなく、まず自分たちの負の歴史(と思い込んでいる…実際はそうばかりでもないし、大事な反骨精神のことなどが、いろいろ含まれている有意義な歴史)のことから伝えなければ、ほかの埋もれた歴史を伝えよう・残そうと言っても説得力がないわ。これは共産党にこそ一番言いたいこと。都合の悪いことは全部隠蔽し触れさせない。うわべはきれいで、とってもいい人。ゲッ!

あと、ひとつ。上の「戦争は、人為的かつ大量に障害者を生み出します。」という言葉はあまりよろしくない。でも、すぐあとで「私たちは、すべての人の生命と人としての尊厳が保障される世界の到来を強く望んでいます。」と言われているからいいかもしれないけれど・・・。
下記参照。。「DPI札幌大会に参加して」 宮永久人(枚方市職員組合)障労連(註:自治労障害労働者連絡会)
http://www.google.co.jp/search?q=cache:tAORJue95PwJ:homepage3.nifty.com/loyola/DPI-2002-Sapporo.htm+%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%BB%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%80%80%E3%80%80%E5%84%AA%E7%94%9F%E6%80%9D%E6%83%B3&hl=ja&lr=lang_ja
[かつて第2次世界大戦において「優生学者たち」が、戦争は健常者を殺し、障害者を増やすから逆淘汰につながるとして反対したことを指摘し、我々障害者が戦争に反対するときには障害者を増やすという観点からではなく、人間の命そのものを奪い、その尊厳を貶め、障害者のQOL(生活の質)を下げるという観点から反対するべきであると主張したが、ほかの分科会でも戦争をめぐっては議論があったようである。]
―――怒りがこみ上げる時に明るくヘラヘラさせられるようでは、生きながら殺されているのだ。人としての尊厳が保障されるということは、最も怒りにくい立場の人が、怒れることだ!「発達保障」をするのなら、権力に向かって怒れるような人間になる発達を保障すること!そういうことに目覚めること。さめよ、わがはらから、あかつきはきぬ〜♪(つづく)[近藤和也]
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【次回予告】シリーズ・現代の優生思想との対決(13)反・発達論、反・優生思想、反差別と共生の教育のために
《16歳で、お母さんの背中で亡くなった少年がいます。筋ジストロフィー症による障害と抗いつつ、いっしょに障害者解放のたたかいをした仲間です。あたりまえのこととして、地域いっしょ(インテグレーション)教育を希望しただけでしたが、教育行政者は実にたかびしゃで、「障害者が何を言う、障害者の行く学校は別にある。普通学級を選ぶなぞもってのほか、予算の二重どりだ」と言い放ったのでした。・・・施設へ隔離。学校で、障害ある子が周りのみんなからじゃま者扱いされる。するとすぐ、本人がかわいそうと、みんなから分離する。・・・こんなにも、考えることを放棄したこの世の中。このままですまされるはずはないのです。ますます、ひきさかれていく状態です。・・・人間として、ちょっと立ち止まってみませんか。わたしは黙っていられません。あなたは許せますか。》〜障害者の教育権を実現する会より。

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