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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041123-00000007-yom-soci
厚生労働省研究班が、兵庫県など4県で捕獲したイノシシを調べたところ、肝臓などからE型肝炎ウイルスの遺伝子が検出された。
遺伝子は型が、国内のE型肝炎患者から検出されたものとよく似ており、イノシシから人間に感染している可能性を強く示唆する結果となっている。厚労省は「ウイルスは加熱すれば死ぬ。よく調理して食べてほしい」と呼びかけている。
分析したのは国立感染症研究所の宮村達男ウイルス第2部長と、東芝病院の三代俊治研究部長を班長とする2つの研究班。両研究班は昨年11月から今年4月にかけ、長野、愛知、和歌山、兵庫、長崎県で85頭の野生イノシシを捕獲。
肝臓と血液を調べたところ、8頭(兵庫3、長崎3、愛知1、和歌山1)からE型肝炎ウイルスの遺伝子が検出された。このうち愛知、和歌山、兵庫の遺伝子は国内の患者から見つかったウイルスの遺伝子型とほぼ一致した。
E型肝炎は昨年、長崎や鳥取で複数の感染患者が発生。いずれも患者がイノシシの肉や肝臓を食べており、これが原因と強く疑われたが、決定的な証拠は見つかっていない。イノシシの血液からウイルス遺伝子が見つかったことで三代部長は「感染するウイルスが肉にも含まれることがほぼ裏付けられた」としている。
厚労省食品安全部は「野生イノシシの肉には、E型肝炎ウイルスだけでなく、ほかの病原体や寄生虫も含まれている可能性が高い。生や、生焼けを食べるのは避けて」としている。
E型肝炎ウイルスに感染すると約6週間後、発熱や腹痛、黄だんなどの症状が出る。大半は安静にしていれば治るが、まれに劇症肝炎になる。発症者の死亡率は1―2%とされる。
(読売新聞) - 11月23日14時47分更新