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日本人の脊髄(せきずい)損傷患者が中絶胎児の細胞を移植する治療を受けるため、中国に次々と渡航しており、日本脊髄障害医学会の有志の医師らが、有効性が十分に確かめられていないとして、帰国した患者の実態調査に近く乗り出す。
実態調査に協力する脊髄損傷の患者団体「日本せきずい基金」によると、これまで日本人十数人が中国に渡航し、治療を受けた。手術は、中絶胎児の鼻の粘膜細胞を採取、培養後に患者の損傷部付近に移植する。
鼻粘膜細胞が神経の再生を促し、腕や足に感覚が戻って自力で動かせるようになるとされる。しかし、中絶胎児細胞の入手方法が不明で、倫理面での懸念がある。また「治療計画がずさんで人体実験に近い」との批判も出ている。
同学会の柴崎啓一・国立病院機構村山医療センター院長ら有志の医師らが今後、手術前後の身体の変化などを調べることになった。同基金から患者情報を提供してもらい、患者や主治医に協力を求める。長期的な追跡調査も行う。
脊髄損傷患者は国内で約10万人おり、交通事故などで毎年5000―6000人の患者が出ている。
(2004/11/14/03:44 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20041114i401.htm