現在地 HOME > 掲示板 > 不安と不健康9 > 286.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041108-00000073-nnp-kyu
「食塩の取り過ぎは高血圧を招く」との通説には普遍性がないことが近年の医学研究で明らかになってきたが、食塩摂取が血圧に影響を及ぼす体質と、そうでない体質とを分ける要因として、血管の細胞膜に存在するタンパク質が深く関与していることを福岡大医学部の岩本隆宏講師(薬理学)=写真=のグループが解明した。このタンパク質は誰でも持っているが、量によって体質が左右されるという。米科学誌ネイチャー・メディスン(今月一日発行)に論文が掲載された。
みそ汁や漬物など塩分を多く含む食べ物を好む日本では、高血圧の予防には減塩を心掛けるべきだといわれてきた。だが近年の研究で、食塩を多く取ると血圧が上がり、減塩すると下がる「食塩感受性」が高い体質の人は、高血圧患者の半数程度であることが分かってきた。残りは、食塩摂取が血圧に影響を及ぼしにくい体質とされる。
この二タイプに分かれる原因としては、腎臓の機能の一部に遺伝的な違いがあることが指摘されている。
岩本講師らはこれに加え、血管自体を収縮させて血圧を上げる作用を持つカルシウムを血管の細胞に運び込む「NCX1」というタンパク質に着目。このタンパク質の量によって、食塩感受性の体質が決まることを動物実験で解明した。
実験では、NCX1の発現量が異なるマウスに同量の食塩を与えたところ、発現量の多いマウスは血圧が上昇し、少ないマウスは血圧に変化が見られなかった。
国内の複数の製薬会社がこのタンパク質の機能を抑制する新薬の開発に取り組んでおり、岩本講師は「臨床応用には時間がかかるが、将来は食塩感受性の高い人でも、薬を投与すれば食塩を気にせずに食事を楽しめるようになる」と話す。
ただ、体質にかかわらず「食塩の取り過ぎは、高血圧以外にも胃がんなどの危険因子となり避けるべきだ」と指摘する研究者も少なくない。
ワードBOX=高血圧
血圧とは、心臓から送り出された血液が動脈の内壁を押す力のこと。「上の血圧」とは心臓が収縮したときの値、「下の血圧」は心臓が拡張したときの値。医療機関での測定で上140、下90を超えた状態が続くと「高血圧」に分類される。「正常」は上130、下85未満、さらに理想的な「至適血圧」は上120、下80未満。高血圧になると血管がいつも張りつめた状態になり、次第に厚く硬くなる。これが「動脈硬化」で脳出血、脳梗塞(こうそく)、大動脈瘤(りゅう)などの原因となる。高血圧の治療はまず生活習慣を改善することで、加えて薬物療法がある。
(西日本新聞) - 11月8日14時29分更新