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障害で立ち上がることすらできなかった女の子と、痴呆(ちほう)症で寝たきりのお年寄りが、触れ合いを通じてともに歩けるようになった事例があり、20日から山口県下関市で開かれる全国保育士会研究大会で報告される。
この子は山形市に住む現在、4歳の女の子。元気に走り回っているが、生後間もなく脳性小児まひの可能性を指摘され、医師からは「歩けるようになるかどうかはわからない」と診断された。
1歳だった2001年秋、託児と高齢者介護に取り組む山形県新庄市の非営利組織(NPO)法人「オープンハウスこんぺいとう」(川又真貴子代表)に通い始めた。そこで、痴呆症で寝たきりの89歳の女性と知り合った。その当時、女の子は食事をほとんど取らず、手足はやせ細り、はって歩くのが精いっぱいだった。
女の子はよく、女性のベッドにはって行き、女性もまた、女の子が近づくと手を差し伸べるしぐさを見せた。こうして2人の交流が始まった。
女の子を担当していた保育士は「この子は歩きたがっている」と感じ、運動機能のまひで硬直した足首のもみほぐしなどをした。やがてつかまり立ちができ、ひざ歩きへと進んでいった。
半年が過ぎたある日、ベッドの端につかまった女の子が女性の手を引くと、女性は初めて自分の意思でベッドから足を下ろした。こうして女性の歩行訓練が始まり、女の子はおぼつかない足取りで後に続いた。女性はトイレに行けるまでに回復、女の子も7か月後には1人で歩けるようになった。
女性は間もなく老衰で亡くなったが、生前、長女(70)に「私が行かないと、あの子がさみしがる」と話していたという。保育士会研究大会では、21日の「特別分科会」で、女の子と女性を担当した保育士の佐藤幸佳さん(25)と介護士の早坂滝子さん(37)が、「2人の交流」を報告する。
東北福祉大学の阿部芳久教授(障害児教育)は「互いの刺激で歩くことの動機付けが成功したケース。一般化はできないが、貴重な事例だ」と話している。
(2004/10/20/14:49 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20041020ic13.htm