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旧ミドリ十字の血液製剤フィブリノゲンによるC型肝炎感染問題で、福岡市内の病院が同社の経営を引き継いだ三菱ウェルファーマ(本社・大阪市)に納入実績を問い合わせたところ、昨年までは「ない」と答えていたのに、厚生労働省が公表方針を固めた後の今年4月になって「あった」と一転して認めていたことが分かった。同省は年内に納入先医療機関を公表する方針だが、同社の「納入実績隠し」とも受け取れる対応は公表の基になる資料の信頼性に疑問を抱かせかねず、企業の姿勢に批判が集まりそうだ。
納入の有無を問い合わせていたのは福岡市博多区の千鳥橋病院。病院によると、各地で集団提訴の動きが起きるなどフィブリノゲンによるC型肝炎が注目を集めた01年から昨年にかけて、投与していれば早期に患者に検査を呼びかける必要があるため、納入実績があるか同社福岡第一営業所に3回口頭で問い合わせた。営業所は「納入実績はない」と回答した。
今年になって納入医療機関名の公表を拒否してきた厚労省が方針を転換したことから、病院は3月、念のため書面で同社に問い合わせた。すると4月になって「80年に11本、87年に3本の納入があった」と以前の回答を翻した。
同社広報部門担当者は毎日新聞の取材に「一貫して(80年11本、87年3本という)同一の(納入)本数を(病院側に)報告している。それ以上はお答えできない」と回答。病院側は「あまりに不誠実な対応だ。使用したり保管していた記憶のある職員がいるため、何度も問い合わせをしてきた。厚労省が公表方針に転じたため、同社も本当のことを言わざるを得なくなったとしか思えない」と非難している。
フィブリノゲンは80年以降だけでも約7000の医療機関に納入され、出産時の止血剤などとして約29万人に投与された。血液製剤によるC型肝炎感染者は1万人以上との推計も出ているが、感染を自覚していない人が大多数。このため、感染者の家西悟参院議員(民主)や訴訟の原告らが医療機関名の公表を求めていた。【山本直】
▽厚労省血液対策課の話 納入医療機関の基礎資料は三菱ウェ社から出ており、そこから漏れた医療機関があれば当省としても調査しようがない。ただ、約7000といえば全病院に匹敵する数なので、公表を機に、投与を受けた可能性のある方に広く検査を受けていただきたい。
■ことば=薬害C型肝炎
C型肝炎ウイルスに汚染された血液から製造されたフィブリノゲンなどの投与によって感染した肝臓病。急激に炎症が起きて肝細胞が壊死(えし)する。多くは自覚症状のない慢性肝炎となり、20〜30年たって肝硬変や肝がんに高率で進む。発症した患者は1万人以上にのぼるとみられ、製造承認した国や製薬会社に損害賠償を求める訴訟が福岡、東京、大阪、名古屋、仙台の5地裁で争われている。
毎日新聞 2004年10月17日 3時00分
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20041017k0000m040110000c.html