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(回答先: NY原油:一時49.36ドル 50ドル突破うかがう [毎日新聞] 投稿者 あっしら 日時 2004 年 9 月 27 日 16:02:10)
9月27日(ブルームバーグ):国際石油市場では、中・重質油であるドバイ原油と軽質油である欧米産原油との価格差が一段と拡大している。付加価値の高い灯軽油の需要が好調な一方で、重油は低迷するという製品需給の二極化などを踏まえ、石油会社が軽質原油の調達に傾きやすくなっているためだ。石油会社や商社関係者は、石油製品の需給ギャップが解消されない限り、原油間の価格差は続きやすいとみている。
24日時点のドバイ原油価格は1バレル当たり36.09ドル。ニューヨーク原油先物相場(WTI)の期近物価格に対して12.74ドル安い。両者間の価格差は9月に入ってから急拡大し、22日には1990年以降で最大の13.06ドルを記録した。 石油輸出国機構(OPEC)は、11月以降の原油生産枠を過去最大の日量2700万バレルに引き上げて増産に前向きな姿勢を示したが、「追加的に供給されるのは、サウジ産中心に重質原油になっている」(コスモ石油の日下部功・海外部長)。このため、ドバイ原油など中・重質原油は供給圧力がかかりやすく、「重質原油は余剰感がある」(住友商事・コモディティビジネス部市場チームの佐野慶一課長)という。
サウジ産の油種格差
実際、世界最大の石油輸出国であるサウジアラビア産のアジア向け公式価格(10月物)を見ると、軽質原油のスーパー・ライトとエクストラ・ライトのプレミアムが上昇しているのに対し、中・重質原油のアラブ・ミディアムとアラブ・ヘビーではディスカウントが拡大。エクストラ・ライトの公式価格は、基準価格(ドバイ産とオマーン産の平均価格に基づく)に対して 2.60ドルのプレミアム。アラブ・ヘビーは逆に3.65ドルのディスカウント。 米国向けの10月公式価格も、ディスカウント幅が拡大し、アラブ・ヘビーは基準価格(WTI価格に基づく)に対して11.50ドルのディスカウントになっている。
製油所で原油を処理すると、ガソリンや灯油、軽油、重油などが一定の割合で生産される。軽質原油は、付加価値の高いガソリンや灯軽油を生産しやすい半面、重質原油は付加価値の低い重油の生産が多くなりやすい。
製油所の能力不足
原油間の価格差拡大に拍車をかけているのが、石油製品ごとの需給ギャップや製油所の能力不足。アジアの石油製品市場では、ジェット・ケロシン(灯油と同成分)などが高値を更新している結果、石油会社の収益性を示すクラック・スプレッド(製品価格と原油との価格差)も拡大し、増産意欲を高める要因となっている。さらに国内の製品在庫が前年水準を大きく下回るなかで、石油会社は暖房燃料を積み増す時期を迎えており、「日本を含め、アジア全体が灯油に合わせて生産する必要がある」(ジャパンエナジー・原料部の森田憲司部長)状況だ。
この半面、重油価格は低迷。原油を処理すると、各石油製品が一定比率で生産される。石油会社としては、重油の生産を抑制するために「重油の出にくい軽質原油を処理する」(住友商事の佐野課長)傾向が強まっている。ジャパンエナジーの森田部長によると、価格の安い重質原油を処理した方が経済性は向上するものの、すでに重油処理装置は「世界的にほぼフル稼働とみられ、処理する手段がない」という。
石油製品の二極化
24日のシンガポール市場では、ジェット・ケロシンがバレル当たり 58.45ドル、ガスオイル(軽油)は同55.35ドル。いずれも昨年来高値を更新し、需要の強さをうかがわせている。 ブルームバーグ・データによると、同市場のクラック・スプレッドは、代表的な3?2?1(ドバイ原油3単位の合計価格、現物ガソリン2、現物灯油もしくは軽油1)をはじめとして、軒並み17ドル前後を記録。欧州市場(ブレント原油と欧州製品)の8ドル台、米国市場(WTI原油とガルフ製品)の12ドル台を大きく上回っている。スプレッドの拡大は、製油所の利益率が高いことを示し、石油会社の増産意欲を促す要因になる。 この半面、シンガポールの高硫黄C重油(FOB?180)は、トン当たり 188ドル(バレル当たり概算で29.61ドル)。5月高値からは4%安い。昨年10月ころからドバイ原油価格を下回り、8月には価格差が一時10ドルに達するなど、需給はだぶついた状態だ。
油種間格差の解消には時間
市場関係者は、原油の油種間格差が解消するには、1)製品需要の減少、2)製油所能力の拡大、が不可欠との認識で一致しており、現在の状態が少なくともこの冬場は続くとの見方が多い。 住商の佐野課長は、格差解消には「石油製品ごとの需要の歪みが消えることが必要」と指摘するが、これから冬場の需要期を迎えることを考えると、現在の状態はしばらく続きやすいと予測している。コスモ石油の日下部部長はこのほか、中国などの一部石油会社は重油処理装置が不足し、割高な軽質原油を買わざるを得ない状態であることを挙げ、「重油分解装置がないと、この状況は改善しない」とみている。
コスモ石油の株価終値は前週末比変わらずの314円、住友商事は同6円(0.7%)安の815円、新日鉱ホールディングスは同1円(0.2%)安の546 円。
記事に関する記者への問い合わせ先:
東京 藤元 茂 Shigeru Fujimoto sfujimoto@bloomberg.net
記事に関するエディターへの問い合わせ先:
東京 沖本健四郎 Kenshiro Okimoto kokimoto@bloomberg.net
東京 小沢均 Hitoshi Ozawa hozawa1@bloomberg.net
更新日時 : 2004/09/27 16:57 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/commentary.html