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“回復の方程式” 三菱自動車、苦悩続く
進まぬリコール処理 新車生産本格化も発売日未定
振るわない国内販売 “救い”はアジア、欧州での健闘
経営再建中の三菱自動車が、国内販売回復の切り札としたい小型乗用ワゴン「コルトプラス」の発売日が決まらない。一連のリコール(無償回収・修理)問題の処理が遅々として進まず、“安全宣言”を出せないためだ。品質問題に区切りをつけ、新型車発表と広告自粛解除により、再建計画を軌道に乗せたい三菱自は、“回復の方程式”を描けぬまま年度下期に突入する。(納富優香)
来年中に閉鎖される岡崎工場(愛知県岡崎市)は活気にあふれている。生産ラインでは、切れ目なく百三十一秒に一台のペースで完成車が出来上がり、従業員の表情にもやる気が目立つ。増田勝名古屋製作所長は「ものづくりに真剣に取り組む姿は後退していない」と言い切る。
国内販売不振でフル生産時の約四分の一に落ちた稼働率も上昇、休日出勤さえ検討するほどになったのは、待望の新型車「コルトプラス」の生産が本格化したためだ。
六月から広告活動を全面自粛中の同社には、販売店からは「営業ができない」と広告再開を望む矢のような催促が来る。国内販売を統括する張不二夫常務も「盆明けには(品質問題に)めどをつけ、九月中に通常に戻りたい」と、広告再開に期待を込めていた。
だが、国土交通省へのリコール届け出と拡大調査終了を機に自粛を解除する計画は、その後もずるずる遅れてきた。
八月二十六日の会見では、新たなヤミ回収やリコール回収率の低さを厳しく追及され、「安全と感じていただくには距離がある」(古川洽次副会長)と、結局は新型車の発売時期が白紙に戻された。
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三菱自の八月国内販売(軽自動車含む)は前年同月比45%減。新たなリコール隠しが判明した六月の47%減、七月の52%減からは底を打ったかにみえるが、依然として低水準だ。古川副会長も「今年いっぱい(国内販売は)回復しない」と見る。増資の成功で債務超過転落を免れたことと、海外販売の意外な健闘ぶりが、わずかな“救い”だ。
六月に今年度国内販売を前年度比38・5%減の二十二万台と下方修正した同社も、世界販売は4・8%減の百四十五万台を譲らなかった。米国市場は八月が61%減と深刻だが、三菱商事の支援効果もあり、欧州、アジアは好調。世界生産台数は四−七月累計5・9%減に踏みとどまり、タイでは年内に五割増産も決めた。
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活気が戻った岡崎工場だが、今月末で製造部門千四百人のうち、トヨタグループなど地元で再就職希望の四百八十人と、早期退職に応募した百三十人が退職する。トヨタは約四百人をグループ全体で受け入れる方針だ。
従業員の半分近い約六百人がいなくなるが、逆に、コルトプラス増産のため新たに期間工の募集を始めるなど、ちぐはぐな対応も目につく。岡崎洋一郎会長は「三菱のDNAを持った新車攻勢」とPRに懸命だが、その肝心のコルトプラスは、今のところいつ販売できるかわからない。
今月二十一日、有識者による諮問機関「企業倫理委員会」から「新型車投入の広報活動は社内の志気向上につながる」との“お墨付き”を得た三菱自。しかし、その発売時期にも慎重にならなければならないほど厳しい状況は続く。本格的な再建の手がかりをつかむまでには時間がかかりそうだ。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/24kei001.htm