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世界初 完全IP化固定電話網 NTTの牙城、KDDI挑戦
加入権不要/番号そのまま
固定電話サービスが国内で開始されてから約百十年。KDDIは、来年二月から世界で初めて固定電話網の完全IP(インターネット・プロトコル)化を実現し、固定電話網をほぼ独占してきたNTTへ挑む。全国一律料金や基本料金の値下げ、電話加入権廃止など、これまでの既成概念をあらゆるサービスで払拭(ふっしょく)する。IP技術を駆使するKDDIが、巨大企業・NTTの牙城を切り崩せるか、注目が集まっている。(冨岡耕)
KDDIが開始する固定電話網の完全IP化は、平成十九年度末までに完了する計画で、小野寺正・KDDI社長は、こうNTTへの対抗意識をむき出しにする。
「IP技術が利用者に与えるメリットは計り知れない。NTTの独占体質を根底から覆せる」
これに、NTTは「KDDIがここまで早くやってくるとは」と驚きを隠さない。というのも、完全IP化は、NTTの収益体質に打撃を与える可能性を秘めているからだ。
IP電話はインターネット接続事業者がすでに展開しているが、データと音声が一緒に流れる(混載)ため、通話の品質が必ずしも保証されていなかった。「050」などで始まる新たな電話番号が必要で、契約に煩わしさがあった。一一〇番など緊急電話には対応できないため、結局は従来型のNTTなどの固定電話も併用せざるを得ず、「NTTへの脅威とまではいたっていない」(業界関係者)のが実情だった。
KDDIの完全IP化による固定電話サービスは、データと音声が流れるIP網で、音声をデータよりも優先して転送することで、NTTの固定電話とほぼ同等の通話品質を確保する。これまでの電話番号がそのまま使える上に緊急電話にも対応できるため、NTTと契約する必要がなくなる。
電話加入権も不要で、独自IP網を構築するため、NTTに支払う接続使用料も発生せず全国一律料金が可能だ。基本料金は月額千五百円(税抜き、プッシュホン使用料込み)。NTTの固定電話が都市部住宅用で千七百五十円だから、二百五十円の割安になる。
このため、NTTがこれまで独占支配してきた定期的な収入源約一兆八千億円の「基本料金」収入が侵食されかねない。
企業のコスト負担についても、NTTのような電話交換機を利用した従来型では「数千億円規模かかる」(通信大手)ものの、KDDIは十九年度末までの完全IP化網の設備投資で半分以下の四百億−六百億円で済むという。
NTTグループもIP網化の検討を開始しているものの、法人・個人ともに顧客数が莫大(ばくだい)で、電話交換機の置き換えだけでもかなりの投資額になる。IP技術をいつのタイミングで転換するかは未知数で、しばらくは先行するKDDIがNTTのシェアを奪うことになる可能性が高いとみられている。
◇
≪固定電話網の完全IP化≫
固定電話サービスで、すべてインターネット技術を利用したIP網の通信設備に置き換えること。電話番号などもそのまま使える。IPとはインターネットの通信手順をいう。
完全IP化では、IP網で音声とデータが1つの回線に流されるが、データよりも音声を優先することで通話品質を固定電話と同等レベルにできる。KDDIは音声優先制御サーバー「ソフトスイッチ」を昨年から一部実用化しており、運用ノウハウがあった。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/21kei002.htm