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http://www.marino.ne.jp/~rendaico/daieico/walmaatco.htm
2004.8.19日、ダイエー(高木邦夫社長)乗っ取り外資企業の正体がはっきりした。年間売り上げ約28兆円、世界最大の小売企業・米国ウォルマート・ストアーズが、経営再建中のダイエーに触手を伸ばしていることが判明した。
来日中のジョン・メンザー海外(国際)部門最高経営責任者(CEO)が同日午後、産業再生機構の斉藤惇社長と会談し、「支援参画」に向けた意向を伝える見通しだ」と述べた。ウォルマートが正式に参戦を表明することで、ダイエー問題は一気に風雲急を告げてきた。
ウォルマートは日本上陸の際、イオンに買収を申し入れたが断られ、西友を買収した経緯がある。こうして既に西友と提携関係に入っているが、日本最大の小売業企業ダイエー買収のステップに過ぎなかったことになる。ウォルマートが、全国260店以上を持つダイエーを手に入れれば、日本市場深耕の好機となる。同社は、「米ゴールドマン・サックス、ドレスナー・クラインウォート・ワッサースタインの投資銀行2社に査定を委託し、ダイエーに対する投資機会があるかどうかの査定を行っている」ことを明らかにしている。
ダイエー支援には、イトーヨーカ堂やイオンなど国内の流通大手も関心を示しているが、「買収本命企業の“黒船”ウォルマートの参戦」により断念し始め、「ダイエー争奪戦の勝者は米ウォルマート」になりそうな気配である。
8.19日、ウォルマートのダイエー買収の動きが伝わり、ダイエー株がストップ高になった。この日の東京株式市場ではダイエー株に買い注文が殺到し、値幅制限上限(ストップ高)となる前日終値比50円(27.02%)高の235円まで値を上げ、ストップ高のまま取引を終えた。値上がり率、出来高(4369万株)とも同日の東証1部銘柄の中でトップだった。
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【産業再生機構制度とは】
主力銀行との交渉が大詰めを迎えているダイエーの経営再建問題で、産業再生機構活用が争点になっている。「産業再生機構制度」は、有用な経営資源を持ちながら過大な債務により身動きがとれない企業を対象に、非主力銀行が持つ債権をまとめて買い取り、主力銀行と協力し企業を再生する為の手法として創設された。
ダイエーがこれに入ると、事業の見直しによる売却整理、人員削減などのリストラを進め、3年以内に企業再建にめどをつけることになる。債権の買い取り期間を2005.3月末までとする支援企業への債権売却を予定している。これによると、支援決定までに3、4か月かかることから、逆算すると今年11月末が申請のタイムリミットとなる。
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【ダイエーの自主再建策と銀行団の応答の様子】
ダイエーの高木邦夫社長は「再生機構の活用は考えていない」と自主再建の構えを見せており、UFJなど主力取引銀行と再建策をめぐり激しく対立している。ダイエーが抱える有利子負債は一兆円強。このうち主力三行の融資額は八千億円を超えている。主力行はダイエーに対し、プロ野球の福岡ダイエーホークスやオーエムシーカードなどの売却も迫る見通しと伝えられている。ダイエー買収の外堀が着々と埋められつつあることが判明する。
2004.8.20日、ダイエーは、UFJ銀行など主力取引銀行3行に自主再建案の修正案を提示した。
ダイエーが示した修正案は不採算店舗の閉鎖を当初案の20店から60店程度に拡大。衣食住をそろえた総合スーパーは碑文谷(東京)や福岡などの基幹店を除いて原則撤退し、大型店には専門店を入れ、ダイエー自体は食品中心に縮小する。出店エリアも首都圏、関西、九州に絞る。店舗などの不動産も売却する。
こうした店舗閉鎖などによる損失の拡大に伴い、2500億円規模としていた主力3行の債権放棄を3000億円程度に拡大。優先株の減資約1100億円と合わせ4000億円規模の金融支援を仰ぎ、1兆円余の連結有利子負債を半減させる。さらに投資ファンドなどから総額1000億円程度の出資を募り、新規出店などの設備投資資金とする。また、グループ企業はOMCカードの株式の一部とリクルート株式などを売却するが、球団は継続保有する従来方針を変えていない。
これに対し、3行側は、「ウォルマートのダイエー乗っ取り」に繋がる産業再生機構への支援要請を柱にした再建をダイエーに迫っている。ダイエーはこれに反対し、投資ファンドなどからの出資と、銀行の債権放棄などの金融支援を受けて自主再建を目指す案を改めて示した。
銀行団は「月内にメドをつけたい」として「ウォルマートのダイエー乗っ取りに秋波」を送っている。
主力3行はダイエー再建について、4000億円規模で金融支援を実施し再生機構から1000億円超の出資を受け、食品スーパーに特化して一部の衣料品、住居用品を残す方向で検討している。これに対し、ダイエーは再生機構活用に強く抵抗。再生機構の代わりに投資ファンドなどから1000億円規模の出資を募り、主力3行にも2500億円超の金融支援を要請する案を軸に独自の再建案の策定作業を進めている。
経産省は「再生機構という官の組織は最後に出てくるべきもの」とダイエーの方針に理解を示してきた。しかし、主力行による過去2度の債権放棄でもダイエーの経営が抜本的に改善されていないことから「最終的には再生機構への支援要請もやむをえない」(経産省幹部)との判断に傾きつつある。
今のところ、ダイエーの「自主再建路線」を支持する側に立つのは、経産省と政府系金融機関の政策投資銀行で、「両者の後ろ盾が崩れない限り、ダイエーの高木社長は機構行きを拒否し続ける」(政府関係者)との見方もある。
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【ダイエーのウォルマート化の流れを一挙に促進した竹中平蔵金融相の動き】
ダイエーの再建を廻ってここ三、四年、一進一退の攻防が続いているが、2004.8月に入り急展開を見せることになった。2004.8.3日、竹中平蔵金融相が、「先送り型の再建策では何ら解決にならない」と発言。「これが呼び水となり、UFJ、みずほコーポレート、三井住友の主力三行は、再生機構の活用へと一斉にかじを切った」。
これに呼応して、金子一義産業再生担当相が、「機構を利用した方がベターと判断するなら活用すればいい」と後押し発言している。
8.10日、中川昭一経済産業相は、「最初にこうあるべきだと言うのは控えるべきだ。関係者は少し発言しすぎだ」と不快感を示している。
8.25日、再生機構活用の積極派の伊藤達也副内閣相は、「単に財務リストラを行うだけでなく、いかに競争力を回復できるかが問われる」と述べ、抜本的な再建策の必要性を強調している。
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【ダイエー、自主再建案を銀行団へ提示】
2004.8.25日、ダイエーの高木社長は、記者団に「出資の引き合いが多いことが市場の評価を示している」と述べた。1000億円の増資計画に対し、ドイツ証券、ゴールドマン、リップルウッド・ホールディングス、サーベラス、アドバンテッジパートナーズ、キアコンなどが名乗りをあげていることを明らかにした。銀行のダイエー向け債権を一括して買い取る案も出ている。
2004.8.26日、ダイエーの高木邦夫社長はUFJなど主力取引銀行の役員(UFJは川俣喜昭専務執行役員、三井住友は永田武全副頭取、みずほコーポは山本茂常務執行役員)と会談し、産業再生機構を活用しない独自の再建案を説明する。ドイツ証券、ゴールドマン・サックスなど8社が増資引き受けを希望していることも伝える。
これに対し、主力3行銀行は「再生機構を活用しない限り、多額の債権放棄には応じられない」などとして、再生機構の活用を通告する方針を示している。ダイエーが修正した独自再建案に対して、「食品スーパーへの経営資源集中などでは主力銀行と再生機構が検討している案に近づいてきた」と評価する一方、「3度目の金融支援には透明性を高めることが必要。再生機構を活用した方が再建の確実性が高まる」と主張する方針。
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2004.8.31日、ダイエーの8月の既存店売上高が前年同月に比べて6%程度減少したことが明らかになった。2005.22月期の目標(1%減)を下回ったのは6カ月連続。但し、在庫圧縮や経費削減の徹底で上期(3―8月)の単独営業利益は目標の60億円をほぼ達成する見通しという。上期の既存店売上高は前年同期比5%程度減少したが、粗利益率は前年同期の28.7%から大幅に改善したもよう。
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2004.8.31日、金子一義産業再生担当相は、ダイエー再建に産業再生機構を活用することになった場合のプロ野球球団「福岡ダイエーホークス」の扱いについて、「球団は経済合理性のみで判断できない。企業再建とは別の問題で、再生機構が主導すべきではない。『再生機構ホークス』はやらない」と述べた。再生機構が直接球団経営にかかわることはないとの見解を示した発言だ。ダイエーと主力取引銀行の再建協議に関しては「推移を見守る」と述べるにとどめた。
一方、中川昭一経産相は同日の記者会見でダイエー再建問題について「(ダイエーと主力取引銀行との協議を)強い関心を持って見ている」と語り「時期的に大詰めを迎えており、相談があればのっていきたい」と述べた。
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2004.9.2日、主力3銀行のうち三井住友銀行の永田武全副頭取が、高木邦夫同社社長と会い、再生機構の活用を受け入れるよう重ねて促した。ダイエーの高木社長は、私的整理に関するガイドラインに沿って金融支援を実行すれば、民間主体の再建は可能として、再生機構の活用を拒否し自主再建の考えをあらためて強調、会談は平行線だったもようだ。当初、3行役員と高木社長が会う見通しだったが、見送られた。
経営再建中の大手スーパー、ダイエーとUFJ銀行など主力取引銀行3行は、新しい再建計画策定に向けてダイエーの資産査定を早期に実施する方向で調整に入った。ダイエー側も資産査定により、自主再建策の妥当性が証明される可能性も出てくるため、主力行側の提案に同意したとみられる。但し、資産査定には二−三カ月が必要とされ、ひとまずは先延ばしの形となった。
自主再建を目指すダイエーと産業再生機構の活用を迫る主力銀行との溝は埋まらなかった。3行の中からは「ダイエーがここまで抵抗するとは思わなかった」と、予想外の展開にいら立ちも出ている。再生機構の支援申請にはダイエーの同意が必要なため、粘り強く説得する方針するしかない。
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【UFJが尻を叩かれている】
旧三和銀行、旧東海銀行、旧東洋信託銀行の三行合併により誕生したUFJグループが大口問題融資先の処理、再生を加速させている。「しているのかさせられているのか」。立ちはだかるのは、ダイエー、双日、アプラス、国際自動車、大京、国際興業、ミサワホーム…で、UFJは今年度、「一兆八千億円ある大口不良債権残高を八百億円まで減らす」と宣言している。
金融庁は来年三月までの不良債権比率半減目標を打ち出しており、UFJが「尻を叩かれている」。UFJの不良債権残高は、2004.6月末現在で4兆6200億円。UFJの不良債権比率10・24%は他行と比べて飛び抜けて高い。これを来年三月までに3%台に下げるという過激な方針を打ち出しているが、そのためには、大口融資先を一気に処理せねばならないことになる。来年十月までに統合する三菱東京フィナンシャル・グループが「UFJの責任で不良債権残高を減らすことが統合の前提」(首脳)との態度を崩していないこともある。
「不良債権問題の象徴」がダイエーで、瀬戸際の攻防を迎えている。主力三行がダイエーの産業再生機構入り決定の期限としていたのは八月末。ところが、高木ダイエー社長は、「民間でできることをなぜ公的なものに頼らなければいけないのか」と主力三行の産業再生機構活用案を突っぱねる考えを崩さず、八月中の決着はひとまず先延ばしになった。
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◆元ソ連元外交官が語る「ロシアーユダヤ闘争史」の全貌
http://blackbox777.at.infoseek.co.jp/hexagon/floorA4F_ha/a4fhb500.html