現在地 HOME > 掲示板 > 国家破産36 > 700.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
9月13日(ブルームバーグ):先週、米連邦準備制度理事会(FRB)高官の間からは、利上げ継続を正当化するのに十分なペースで国内景気は拡大しているとの認識が相次いで示された。
FRB高官は、原油価格が1バレル=40ドルを超えているにもかかわらず、インフレを問題視しておらず、景気刺激型の金融政策を中立型に戻すまでは、成長ペースが落ち込まない限り段階的な利上げを続けたい考えを鮮明にしている。3カ月前に比べれば成長見通しは勢いを失っているものの、利上げを続ける方針に水を差すまでには至っていない。
利上げ方針の見直しは、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標が例えば2%に引き上げられた時に行われるのかもしれない。
グリーンスパンFRB議長は8日、下院予算委員会での証言で、景気拡大ペースは「軟弱な局面」を過ぎ、「一部推進力を取り戻した」と指摘。年初ほどではないが「雇用情勢の上向きにつながる」のに十分なペースだとの考えを示した。
「完全雇用」
グリーンスパン議長は雇用情勢が回復している証拠として、労働省がまとめた求人状況に関する7月のアンケート調査を挙げ、「民間企業の求人が目立って増加した」と語った。
ミネアポリス連銀のスターン総裁は9日、モンタナ州での講演で、「年内の成長率は4%程度になる可能性が高いようだ」とし、「来年も同様の成長になると考えても妥当だろう」と述べた。
サンフランシスコ連銀のイエレン総裁も同日、スターン総裁と同様の認識を表明。「成長ペースが長期的に持続可能な水準を超え、労働市場が完全雇用の状態に段階的に近づくことになっても驚きはない」と語った。イエレン総裁が景気や金融政策について公式にコメントするのは6月の就任以来初めてだった。
9月21日のFOMC
さらにクリーブランド連銀のピアナルト総裁は10日、オハイオ州で銀行関係者を前に「私は本日、なぜ金利をこれほど低い水準に永遠にとどめておくことができないのか、なぜ金融当局が緩和的な金融政策を無期限に続けるべきではないのかについて、私の考えを明らかにしたい」と述べた。
こうした一連のコメントは、次回9月21日の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利が0.25ポイント引き上げられ1.75%になるとの観測を裏付けている。
9月の次のFOMCは11月10日。イエレン総裁は政策金利の「中立的な水準」を3.5−4.5%、ピアナルト総裁は3−5%とみている。
イエレン総裁は、エコノミストの間には「FF金利が景気に与える影響を中立的にするには、現行水準から相当引き上げる必要がある」との見方が多いと指摘。ピアナルト総裁は、金利先物の動向は「FF金利が今後2年間で、(3−5%)付近に上昇するという市場関係者の予想を反映している」と説明した。
適正水準
最近の数人のFRB高官の指摘通り、短期金利がまさに上昇し始め、加えて景気動向が当初の予想を下回っていることへの不透明感が依然かなり強い時に、大型減税や歳出拡大によるここ数年の刺激効果は色あせ始めている。
例えばイエレン総裁は講演で、企業の設備投資などいくつかの警戒すべき項目に言及した。「設備投資はこれまで力強かったが、企業収益やキャッシュフロー(現金収支)が非常に好調であることを考えれば、予想したほどの力強さには届いていないと言える」と説明。「実際、企業のキャッシュフローが設備投資を上回るのは数十年ぶりのことだ」と述べ、「これは、テロに対する脅威やコーポレート・ガバナンス(企業統治)問題を受け、企業が意思決定をする上での警戒姿勢を崩していないことを示唆している」と語った。
FRB高官の間で共通しているのは、FF金利の適正水準は1.5%のように極端に低い水準ではないという認識だ。適正な金利水準の探求は、利上げを行い、それが経済に与える影響を見極めるという作業を伴う。つまり、試行錯誤ということだ。
(ジョン・ベリー氏は、ブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)
原題:Fed Sees Economic Growth Justifying Higher Rates: John M. Berry
{NXTW NSN I3YOML0YHQ0X 更新日時 : 2004/09/13 15:00 JST http://quote.bloomberg.com/apps/news?pid=90003009&sid=a5BsCZYwS7I4&refer=jp_top_world_news