現在地 HOME > 掲示板 > 国家破産36 > 695.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
「オレオレ詐欺」 狙われる「医系大学」 学生名簿利用、富裕保護者に“接近”
目立つ被害、流出防止は困難
高齢者を中心に被害が後を絶たない「オレオレ詐欺」。最近になって医学系大学生の保護者がターゲットとして浮上している。文系に比べ学費が高い医大生の保護者は“富裕層”とみられがち。犯人側が電話帳から高齢者を探し出す従来の非効率な方法から、学生名簿を利用することでより効果的な一獲千金を狙う手法にシフトしている一端がうかがえる。(花房壮、日野稚子)
■妨害工作も
「あなたの息子が死亡事故を起こして逮捕された。保釈金二百万円を用意してください」
北里大学(東京都港区)に通う息子の実家にこんな電話があったのは七月下旬だった。母親は「息子」の涙声に続いて出た弁護士を名乗る男の要求に、混乱した状態で送金した。続いて損保会社社員が電話に出て、車の修理代などを請求された。これに不審に思った母親が警察署に確認したことで事故が架空だったことに気付いたという。
この間、息子の携帯電話には意味不明の脅し電話が入り続け、母親が連絡できないよう妨害工作も行われていた。
同大では七月下旬から八月末までに保護者宅に計六十九件の電話があり、四人が総額約一千万円の被害に遭っている。
■全国波及?
群馬大学(前橋市)では八月中旬、医学部生や研修医の父母二十四人に交通事故の示談金や保釈金名目のオレオレ詐欺の電話があった。うち三人が、それぞれ数百万円の被害に遭っている。
関東近県に複数のキャンパスを持つ日本大学でも昨年暮れから、学生の保護者宅に少なくとも八件の電話があった。
実際に電話を受けた父親(五四)は、「息子が無免許で交通事故を起こしたと聞いて気が動転した」と振り返る。
同大では今年三月、理系学部の新入生全員の自宅に「入学後に使う器材の購入リストに記載漏れがあり、新規購入物がある」と、振込用紙が送られる架空請求騒ぎも発生している。
■難しい管理
「一つの大学に被害が集中するのは名簿が使われている証拠だ」
ある大学関係者はそう指摘するが、一般的に大学では学生に配布するための名簿は作っていない。ただ、「学生が学部生単位やサークル単位で名簿を作っているかもしれないが、そこまでは把握できない」(大学関係者)ため、名簿管理は事実上困難とされる。
非公式な名簿については、ネット上で五千−一万円という買い取り価格を設定しているサイトが実在し、需要の高さをうかがわせる。こうした実態に警視庁の幹部は「名簿の流出は実際、止めることはできない。保護者世代は詐欺グループに狙われていることを十分認識し防御するしかない」と注意を呼びかける。
警察庁のまとめでは、今年六月末までの全国でのオレオレ詐欺の認知件数は六千二百八十四件で、昨年一年間の約六千五百件に迫る勢い。被害総額は五十七億八千四百万円余りと昨年一年分を十五億円上回っている。
◇
≪一層、悪質化 粗暴化する手口≫
都内で一時沈静化していたオレオレ詐欺が今年五月ごろから再び増加し始め、先月には二百件を突破するなどピーク時に戻っただけでなく、被害者の焦りを誘う手口が一層悪質化しているようだ。
背景には、オレオレ詐欺の手法を伝授する組織の暗躍が指摘されている。
今年二月に話術の未熟な少年を約一カ月間修業させたヤミ金業者が逮捕されたほか、今月には東京都中野区の通称「オレオレ中野学校」で、暴力団員から教えを受けた“生徒”ら二十二人が摘発されている。
最近目立つのは、偽警察官が「示談すれば拘束はしない」などと偽り、示談金などを要求するケース。
また、娘を装う「わたしわたし詐欺」も横行。「ブランド物を買って借金ができた。金を払わないとアダルトビデオに売られる」などと数百万円を要求。あるいは「金を振り込まないと北海道の風俗に娘を売り飛ばす」などと脅し、恐喝容疑で逮捕される事件も多発するなど粗暴化の傾向も出ている。
◇
■オレオレ詐欺に狙われた主な大学■
大学名 件数 被害額(件数)
北里大 69 1040万円(4)
群馬大 24 数百万円 (3)
日 大 8 −
東 大 2 不明
…………………………………
(注)数字は各校に届けがあったもの
http://www.sankei.co.jp/news/morning/12na1001.htm