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野村証提携、りそなと証券分野“包囲網に危機感”
証券界のカリバー野村証券が、りそなとの提携をきっかけに、総合金融サービス会社へと歩を進める
証券最大手の「野村証券」が、昨年実質国有化された「りそなホールディングス」と証券分野で提携する。まずは１２月に解禁となる銀行の“証券仲介業”を提携の柱にするが、目指すは銀行業務を取り入れての総合金融サービス業への“進化”だ。銀行界では、業態やケイレツを越えて再編が進む。こうした動きに危機感を持つ野村は、すでに外資系金融機関から銀行の専門家を招き、銀行業務をいかに取り込むか研究中だ。ついに“巨艦”が金融再編の最終章に向けて動き始める。
個人投資家からの株式や投資信託などの売買注文を取り次ぐことができる「証券仲介業」が、１２月から銀行など金融機関でも解禁される。銀行にとっては、大口預金者の口座を活発化させ、手数料（フィー）ビジネスとしての新たな収益源になると積極的な取り組みをみせている。
当然、メガバンクは傘下の証券会社と協業を進める。その場合、営業の最前線となる支店数は、証券最大手の野村でさえ１３０店程度なのに比べ、メガバンクグループはどこも野村の３倍程度を数える。これをフル稼働させて営業されたとすれば、さすがのガリバー野村にとっても脅威だ。
これまで野村は、証券仲介業の解禁では、地方銀行との提携を模索してきた。
「地銀にとっては、野村は業界首位の上、銀行色のない“独立系”で組みやすい相手なんです。野村は地銀５０行との提携を標榜しているといいます」（証券筋）
そのうえで今回、りそなとの提携を決断した背景には、やはり、各メガバンクグループの個別戦略が野村包囲網に映るという危機感がある。
三菱東京ＦＧとＵＦＪホールディングスの経営統合が実現すれば、両グループ傘下の三菱証券とＵＦＪつばさ証券も合併し、証券４位に浮上する。
ＵＦＪを巡る攻防で三菱東京の向こうを張る三井住友ＦＧも、ライバルの大和証券と接近が顕著な上、廃業した山一証券の元社員を大量に再雇用して証券業務への関与を深めている。
２年前のシステムダウンの“前科”から、現況ではシステム統合に全力をあげ、動きにくいとされていた「みずほＦＧ」も、傘下で現在、証券４位のみずほ証券の株式の１５％を、“隠れたメガバンク”『農林中金』に譲渡する形での提携を進めている。
こう見たとき、野村・りそなの提携は、証券仲介という範囲にとどまらず、野村による銀行業への本格進出への布石と見る向きもある。
「もともと野村は、大正１４年（１９２５）に大阪野村銀行の証券部を分離して設立されました。この大阪野村銀行がのちの大和銀行という関係から、野村はこれまでも苦境にあるりそなを支援してきた。今回をきっかけに広範な提携に広がる可能性は十分あります」（同）という。
金融界の大再編（ビツグバン）は、野村の登場で最終章に入るか。
ZAKZAK 2004/09/10
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。