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『金融ビジネス』6月号掲載記事
覆面座談会
問題の核心
「出口」の心配どころか 福井総裁そこにある「危機」
量的緩和の「出口」論がかしましい。が、憂慮すべきは、むしろ、景気の腰折れ。そのとき、アナウンスメント効果の化けの皮が剥がれる。
座談会メンバー：Ａ＝会社役員／Ｂ＝主任研究員／Ｃ＝編集委員
本社 本日は福井俊彦・日銀総裁の金融政策を俎上に載せていただきます。５月４日のＦＯＭＣ（米連邦公開市場委員会）でＦＲＢ（米連邦準備制度理事会）は、利上げを視野に入れた声明を発表しました。これをキッカケに日銀も「出口」を模索することになるのでしょうか。
うずく「本能」？ トラウマと自戒
Ａ いや、ＦＲＢは急には動かない。なるほどデフレ懸念はなくなった。１％の政策金利はデフレ警戒型の金利である以上、夏頃には多少の修正がありうる。それに備えて、マーケットがショックを受けないよう、少し地ならしをしておこう、という程度のことだろう。
Ｂ そう。1994年や99年、2000年の利上げのように、予防的にガンガン上げていくというのとは違う。まだ様子見の段階。ＦＲＢがそうなんだから、日銀が誘発されて利上げに動くということはない。
Ｃ 日銀は速水時代のゼロ金利解除がトラウマになっているしね。そう簡単に利上げできるとは思っていない。だけど今のように景気が上向くと、中央銀行としての「野心」が頭をもたげてくるかもしれない。なにしろ、「利上げ」を「勝ち」、「利下げ」を「負け」と言い続けてきたところだから、日銀は。
Ｂ 「本能」がうずきだすんだね（笑）。でも、福井さんのうずき方の度合いはどの程度なんだろ。速水（優）さんが直情径行の人だとすると、福井さんはかなりの曲者。自分の欲求はあっても、理性の人だから正反対のことを平気でやれる。
Ｃ 米国『タイム』誌が「世界に影響を与えた100人」に福井さんを選んだ。03年の第４四半期のＧＤＰ成長率6.4％が欧米を上回ったのが福井さんの手柄なら、デフレ幅が縮小したのも福井さんの手柄。あれだけ持ち上げられると「野心」もうずき始めるんじゃないか。
Ａ 自ら「野心」を戒めるためにも、１月に追加緩和（日銀当座預金残高の目標値を32兆円から35兆円に）したんだろ。４月の記者会見では「流動性の水準を下げることは全く念頭にない。心配ご無用」とまで言い切った。普通、中央銀行の総裁はあそこまで断言しない。グリーンスパンが言うように、「建設的なあいまいさ」が本来、中央銀行の武器なんだから。
Ｂ 最低でもあと１年、来春のペイオフ解禁までは金融政策は現状維持で行くことになる。
それにしても、勝てば官軍とはよく言った。景気が上向いたのは、中国特需がおかげだろ。さっきの『タイム』じゃないが、いつの間にか、すべてが量的緩和の「成果」になっている。
日銀当座預金って何 「真実」の時
Ｃ
現状維持が世間のコンセンス、文句あるか、と言われればそれまでだが、日銀の執行部＝企画ラインは困り果てている。理路整然と政策を説明することに命をかけてきた連中なのに、説明が支離滅裂なんだよ。
Ａ 論理じゃないんだから。１月の追加緩和も、政府の月例経済報告さえ「景気回復」と言い出したのに、なぜ、追加緩和なのか。そもそも、量的緩和自体、日銀当座預金残高の目標が最初の５兆円から７倍に膨れ上がった。効果があるなら、よくも悪くも、実体経済に大変化が起きているはず。効果がないから、安心して膨らませてきたというのが、実態だろう。
Ｂ そういう風に批判されるから、「量的緩和にはアナウンスメント効果がある。とくに消費に効いているんじゃないか」と事務局にご下問がある。調査統計局は「いや、２月の消費がよかったのは閏年だからで」とは、とても言えない。とにかく、調べてみるか、となる。
Ａ 経済人の講演会に呼ばれて、「日銀当座預金とは」とやると、聴衆はみんな寝ちゃうんだよ（笑）。国民レベルで見ると、まず当座預金目標というのが、何のことか分からない。それでアナウンスメント効果なんて、あるはずないんだが。
Ｃ 本来の日銀マンには耐え難い屈辱だと思う。だけど、やはり人事権が怖い。速水時代も「速水四天王」というのがいたが、細かい人事は山口副総裁辺りに任せていた。福井さんは自分で人事を見ているし、彼の目からは、理事たちも課長クラスにしか見えないんだろうな。
Ｂ 福井さんは一貫してプリンスとして育てられてきた。60年代、日銀法改正が議論され始めた時の経緯からすべてを知り尽くしている。日銀の現代史の語り部なんだよ。その語り部が話し始めたら、ほかの理事は黙るしかない。彼に反論する心理的コストは非常に大きい。
Ｃ 執行部のみならず、政策委員会も福井さんに振り回されている。決定会合の議事録を見ても、大半は「まぁ、福井さんがそう言うなら」という感じ。
Ａ さすがに、１月の決定会合では、学者出身の２人の政策委員が反対票を投じた。福井さん的な右脳の政策判断を良しとするか、論理の整合性を重んじるかの違いかな。
切りすぎたカード 「信認」はどうなる
Ｃ
このまま景気が上昇すればご同慶の至りだが、中国は過熱を警戒して引き締めに転じている。万が一、中国特需が剥落し、米国の住宅バブルがはじけたら、日本経済は最悪だ。その時、日銀への政策プレッシャーは想像を絶するものになる。
Ａ そうなったら、福井さんには・・・
この続きは『金融ビジネス』6月号にて、お楽しみ下さい
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英経済誌：中銀総裁最優秀は日銀の福井総裁 最新号で称賛 ［毎日新聞］【ホメ殺し（福井氏）か、ハメ殺し（日本）か、それとも、エコノミスト誌が単なるバカなのか】
http://www.asyura2.com/0401/hasan33/msg/538.html
投稿者 あっしら 日時 2004 年 2 月 15 日 01:16:36:Mo7ApAlflbQ6s
第1次大戦後のドイツのハイパーインフレーションは、誰が、どんな目的で描いたシナリオなんでしょうか？
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。