現在地 HOME > 掲示板
> 国家破産36 > 641.html
★阿修羅♪
|
現在地 HOME > 掲示板
> 国家破産36 > 641.html
★阿修羅♪
|
|
| Tweet |
財政余剰を国内債の返済と開発事業に振り向けるサウジアラビア
（2004年9月6日掲載）
余剰分の第一の充当先は国内債の返済
サウジラビアのアブドゥラ皇太子は2004年9月2日、サウジ通信とのインタビューの中で、神の祝福による原油価格の急騰から2004年度の財政が巨額の黒字を計上する見通しであることから、こうした巨額の黒字はまず国内債務の返済に充当されるものの、同時にサウジ国内全土の国民の福祉向上のための開発支出にも振り向けられることを明らかにした。
まず、アブドゥラ皇太子は「予想される財政余剰の多くは公的債務の返済に充当されるべきである」「何故ならば、こうした債務の返済を怠ればサウジアラビアの名声と経済力に傷がつくばかりでなく、将来の世代に負担を残すことにもなるからである」「それゆえ我々は財政余剰の多くをこうした債務の返済に廻すこととした」と説明し、国民に理解を求めている。因みに、イブラヒム・アル・アッサーフ財政相は先般声明を発表し、2003年末のサウジアラビアの国内債務残高が6600億サウジ・リアル（1760億ドル）に達したことを明らかにしていた。
109億ドルが振り向けられる開発支出
その上で同皇太子は「財政余剰のうちの410億SR（109億ドル）は国民の福祉の向上のために使われる」「サウジ政府は将来世代のことを考えている一方、現世代の福祉や繁栄も無視してはいないので、（410億SRのうちの）300億SR（83億ドル弱）は国民の日常生活を改善するために、今後5年をかけて社会・経済部門に廻される」「これら資金は、具体的には5部門を最優先するので、水利・汚水処理網、一般道路・高速道路、学校、医療施設、技術・職業教育に充当される」と述べ、財政赤字の継続からないがしろにされてきた社会・経済インフラの整備・拡大に改めて注力する姿勢を鮮明化させている。
さらにアブドゥラ皇太子は、次のように語り、サウジ全国民に漸次マイホームを提供する計画であることも明らかにしている。「サウジ全国民に段階的且つ組織的な方法で適切な住宅を提供して行く。そのために不動産開発基金の資本金を90億SR（約24億ドル）積みますことを決定した」「（2002年のリヤド市の）貧民街への訪問で愛すべき多くのサウジ国民が不適切な家屋に住んでいるのを目にした」「自分はその光景をまだ鮮明に記憶している。サウジアアビアのその他地域でも同様の地区のあることは知っている」と述べ、貧困地域の解消に向けて住宅供給を増やす方針であることを説明している。
加えて、若年層の失業問題に関する質問に対して、「我々は、低所得者向け融資を拡充すべく、サウジ信用銀行の資本金を10億SRから30億SRに増額させる決定を行った。また同行はサウジ人の若者が小規模事業を始めるための資金も提供する」と答えて、政府の新計画及び新政策ではサウジ人の若年層の雇用をいっそう支援する内容となっている旨、明らかにしている。
最大350億ドルにもなる2004年の財政黒字
尚、アブドゥラ皇太子は予想される2004年の財政余剰の規模については言及していない。但し、国内のエコノミスト達は300億ドル弱から350億ドルに達すると推計している。因みに、サウジ・アメリカン銀行は7月時点で、本年のサウジアラビアの石油輸出価格が１バレル当たり平均31.50ドルと仮定して、財政黒字は288億ドルと推計していた。
（エネルギー・環境室長／主任研究員 畑中美樹＜はたなか・よしき＞）
http://www.idcj.or.jp/1DS/11ee_josei040906.htm
【IDCJ】サウジアラビアの最近の石油開発関連動向（2004年9月7日掲載）
http://www.idcj.or.jp/1DS/11ee_josei040907.htm
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。