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トヨタ、合弁会社を設立 中国市場巻き返しへ “念願の広州”に生産拠点
トヨタ自動車は六日、中国の中堅自動車メーカーである広州汽車(広東省広州市)と乗用車を生産、販売する合弁会社「広州トヨタ自動車」の設立記念式典を同市で開いた。北米で人気のセダン「カムリ」を二〇〇六年半ばから生産する。トヨタは中国での新たな拠点確保で、出遅れが目立った巨大市場で巻き返しを図り、二〇一〇年に市場シェア10%の獲得を目指す。
合弁会社の資本金は十三億元(約百七十三億円)で、折半出資する。総投資額は三十八億元(約五百八億円)。当面の生産能力は年十万台。カムリには合弁生産する二〇〇〇ccと二四〇〇ccのエンジンが載る。式典にはトヨタの豊田章一郎名誉会長らが出席した。
広州トヨタの設立で、トヨタは南部臨海地域に生産拠点を確保、天津での増産と併せ中国戦略を加速させる。当面は「カムリ」を年間十万台生産する計画だが、将来的には年間二十五万台程度の増産を視野に入れる。カムリは現在日本からの輸出で販売し、昨年の販売台数は二万千台。
広州はすでにホンダ、日産自動車も進出し、部品メーカーもトヨタグループのデンソーやアイシン精機などが拠点を整備。“中国のデトロイト”といわれるほど一大自動車生産拠点に変貌(へんぼう)しつつある。トヨタは「広東省に生産拠点を持つことは長年の願い」(白水宏典副社長)と生産準備を進め、当局の認可を待ち続けた。消費市場の過熱懸念などで、当初は春先とみられた認可は遅れたが、二〇〇六年生産開始の予定は変えない。
トヨタの中国事業は、大手の一角である第一汽車との合弁、天津一汽トヨタで小型車「ヴィオス」などを生産するほか、四川トヨタで「ランドクルーザープラド」などを製造。日本からの輸出もあわせ、昨年の販売台数は約九万八千台だ。
来年は天津市に第二工場を新設して「クラウン」などを生産する計画で、天津で計二十二万台、広州の稼働後は中国全土で計三十三万五千台を生産する見通しだ。さらに天津で五万台の増産計画もあり、数年内に五十万台規模に拡充。“出遅れ”とされた中国市場での巻き返しを図る。
中国では先行した独フォルクスワーゲンが圧倒的シェアを築き、日本メーカーは後発。トヨタとしては、大衆車ヴィオスから高級車クラウンまで幅広い車種を現地生産するとともに、販売網を整備して二〇一〇年にシェア10%を目指す。
また、年内に北京など六拠点で高級車ブランド「レクサス」店を新設する計画で、他の新興市場とは違い、高級車の販売が見込める中国には期待も大きい。ただ、海外メーカーと国産メーカーによる増産ラッシュが続き、五十万台は決して多い数字とはいえない。ライバルの米GMは二〇〇七年までに二・五倍の百三十万台、独フォルクスワーゲンも〇七年までに約70%増の七十万台への増産を計画する。
中国市場全体が停滞していることも懸念材料。昨年は乗用車で約二百十万台、商用車との合計で約四百五十九万台と世界第三の市場に成長したが、自動車ローン規制の強化などで、足元では四月から六月にかけて前年割れが続き、在庫が急増。日本メーカーも値下げを余儀なくされている。
トヨタとしては、北米への利益依存体質脱却のためにも中国や東南アジアなどの新興市場で拡大を急ぐ。広州工場の今後は、トヨタの世界戦略を占う意味で早くも大きな注目を浴びている。(納富優香)
http://www.sankei.co.jp/news/morning/07kei001.htm