「昭和リース」買収を決めた新生銀の狙いとは…
ノンバンク事業再参入第３の中核業務へ

　ノンバンク事業の強化を目指している新生銀行は２日、りそなグループ系の大手リース会社『昭和リース』を買収する方針を決めた。買収に向けた優先交渉権をすでに獲得しており、数百億円を出資、傘下に収める。

　新生銀は、昭和リースが年内にも実施する第三者割り当て増資を引き受け、経営権を握る５１％以上を出資する筆頭株主になる。具体的な出資額は、約１カ月かけて資産査定を実施し、詰める。

　昭和リースの買収をめぐっては、新生銀のほか、ＧＥキャピタル、投資ファンドのサーベラス・あおぞら銀行連合が名乗りをあげていたが、昭和リースは新生銀の提案を評価し、優先交渉権を与えることを決めた。

　新生銀は、前身の日本長期信用銀行時代、リース事業を手がけていたが、直系の日本リースが過剰融資で破綻、ＧＥキャピタルに売却していた。今回、再参入を決断したのは「ノンバンク」事業を、不良債権の売買などの「投資銀行」、住宅ローンなどの「個人金融（リテール）」と並ぶ第３の中核業務として強化する狙い。

　「自行の取引先にリース案件を紹介できるほか、昭和リースの顧客との取引も開拓できる。銀行業に比べ、規制が少なく、高収益が狙える」（同行幹部）

　一方、りそなグループが昭和リース売却に動いたのは「本業の銀行業に資源を集中する」（細谷英二会長）路線の一環。昨年の実質国有化以来、再建策として証券、ノンバンク事業から撤退しており、今年は傘下のあさひ銀リース、近畿大阪リース、大和ファクターリースの３社を売却した。ただ、昭和リース株は今後も保有し、同社向けの融資も継続する方針。

　昭和リースは、株主資本比率が２％台と財務基盤が脆弱（ぜいじゃく）だった。リース最大手オリックスに対抗するため、新生銀の傘下に入り、財務基盤の強化と信用力のアップを図る必要があると判断した。

　【昭和リース】　りそなグループが１４．５％を出資する非上場の総合リース会社。総資産６１００億円は業界１０位。昭和４４年、協和銀行（現りそな銀行）が中心となって設立。主に建設機械、事務機器のリースを手がけ、取引先は中小企業を中心に約４万社。

　平成１６年３月期の売上高は１７２４億円、経常利益は５９億円。社員数４２６人（４月１日現在）。

ZAKZAK 2004/09/02

http://www.zakzak.co.jp/top/2004_09/t2004090225.html

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