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http://www.carenet.com/news/jm/2004/08/0830_01.aspx?SID=5573889879576936
厚生労働省が病院会計準則を全面改正したことを受け、医療現場では新準則の導入に向けて動き始めた。日赤や済生会などの公的病院は、それぞれの会計規則を新準則に合わせたものに見直す方向で検討を開始するほか、民間の医療法人で構成する全日本病院協会や日本医療法人協会は、民間病院でも導入する動きが広がるとみている。ただ、自治体立病院については、総務省自治財政局が現行の地方公営企業法の会計基準を見直すことに現時点では積極的ではなく、すべての開設主体での統一的な導入は一筋縄ではいかないようだ。
「病院会計準則の改正(案)」のパブリック・コメントに対する厚労省の回答によると、新しい準則は、企業会計の基準を入れることで病院の経営成績を的確に把握し、異なる開設主体であっても比較可能とすることが改正の目的だ。導入は各病院の自主的判断となったが、同省はとくに公的病院で率先して採用することが期待されるとしている。
これに対し公的病院のうち日本赤十字社経営指導課は、検討開始時期は決まっていないものの、病院の会計ルールを定めた「医療施設特別会計規則」について、準拠できる部分については同規則の改正を前提とした見直しに着手するとしている。
済生会本部も、新しい準則に従って病院の経理規定を見直していくことになるとしている。
民間病院についても、全日病の西澤寛俊副会長は「病院の経営環境が厳しくなるなかで、しっかりとした経営をしようとすれば新準則の内容を網羅した会計はどうしても必要。キャッシュ・フロー計算書にしてもすでに作成している病院は多いはず」と話しており、新準則を導入する病院が増えるとみている。
医療法人協の豊田堯会長も、「公私格差の問題を議論するうえでも、同じ会計上の土俵に上がる必要があった。民間病院でも、ひとつのスタンダードができたことで、導入の準備を進めるところが出てくると思う。早急にすべての病院が導入することは難しいが、その流れはできたと思う」と話している。
退職給付会計は導入の障壁でない
導入することで財務諸表が悪化し、資金調達に支障を来すのではないかと懸念されている「退職給付会計」については、「すでに一般企業で導入されている概念であり、たとえ財務諸表が悪化したとしても融資の専門家はきちんと経営状況を理解してくれるはず」(西澤副会長)、「会計を別の尺度から見てみるという話であって、会計の内容そのものが変化するわけではない」(豊田会長)との意見で、導入の障壁にはならないとの見方だ。
すでに退職給付引当金を積み立てているほか、独自のキャッシュ・フロー計算書も作成している特定医療法人雪ノ聖母会(福岡県久留米市)も、「改正内容を吟味している段階だが、必要があれば現行の会計方式を見直したい」(医療事務部)としている。
新準則採用へは公営企業法の改正必要
一方、自治体立病院については事態は複雑だ。総務省自治財政局公営企業課によると、今回の病院会計準則の改正は、あくまで厚労省の局長通知であって法令ではなく、現在の地方公営企業法による会計基準を見直す動きはないとの立場だ。総務省にとって病院事業は公営企業の一部であり、病院会計準則が改正になったからといって、水道やガス、バス事業など地方公営企業全体をカバーする法律までを変える動きにはつながりにくいとみられる。
全国自治体病院協議会の小林暢広経営指導部長も、世の中の会計原則見直しの流れに沿うのは当然で、今回の改正を真摯(しんし)に受け止めて対応すべきだとしたうえで、「自治体病院では長年、地方公営企業法に基づく会計基準が使われており、新準則に合わせるのは小手先ではいかないだろう」と話している。
更新:毎週 月/水/金 情報提供:(株)じほう