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8月31日(ブルームバーグ):原油などエネルギー価格の急騰は、世界の多くの国の経済成長見通しを押し下げているが、米国など各国の中央銀行当局は今のところ、見通し修正が金利決定に影響を及ぼすという意見について公には抵抗している。
ほんの数カ月前には、米金融当局者は今年下期(7〜12月)の米経済成長率を5%付近か、それ以上と期待していたのだが、ここにきて一部の当局者は4%未満とか、3.5%足らずにとどまる可能性が高いとの見方を示している。
米当局者の多くは、失業率は低下しなくても年率3.5〜3.75%の成長は可能だとみている。こうした成長率見通しの低下は、米国の労働市場のだぶつきを吸収することにはつながらない半面、人件費がインフレ問題につながる可能性も抑える。
一方で、当局者らは現行1.5%としているフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は、経済成長が潜在的な水準にとどまった場合でも、居心地の悪い水準だとの見解を繰り返している。アトランタ連銀のジャック・グイン総裁は先週の講演で「厄介なインフレ問題は差し迫っているとは思えないが、緩和的な金融政策の継続は、景気拡大に勢いと広がりが出てきているだけに、適切だとはいえない」との認識を示した。
追加利上げ
問題は、春に見られた景気拡大の勢いと広がりに原油高騰の衝撃がどの程度マイナス効果をもたらすかということだ。
グイン総裁は6月と8月の25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)ずつの利上げは、「景気拡大が急速すぎたとの当局の認識を理由に実施されたものではない。手元のデータや事例報告は依然、より中立的な政策金利に『慎重な』ペースで向かうことが可能であることを示している。目標は持続可能な成長への道を開くことだ」との見解を示した。
ほかの当局者も講演やインタビューで、これと同じポイントを指摘している。コンセンサスでは、次回9月21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)は政策金利を25bp引き上げて1.75%にするとみられている。
指標発表待ち
ただ、原油高騰による景気への衝撃の規模を把握するのは難しく、次回FOMCの結果は、それまでに発表されるほぼ1カ月分の経済指標によって決まるだろう。9月3日発表予定の8月の雇用統計は特に重要だ。
その翌週にはグリーンスパン連邦準備制度理事会(FRB)議長による下院予算委員会での証言が予定されている。議長は先月、景気減速は一時的現象という見解を示したが、それについて新しい見方を示してくるはずだ。
余裕
今年前半の予想外のインフレ高進は急成長の結果だ。ボトルネックにより一部の商品価格が急騰した。原油高も需要急増の結果だ。ただ、インフレ高進が賃金に波及した証拠はなく、インフレはうまく封じ込められているため、米金融当局には、比較的緩やかに利上げに動く余裕がある。
過去2回の利上げ決定に対する金融市場の反応からみれば、米金融当局はインフレ・ファイターとしての評判をだれからも疑問視されることもなく、FOMCで金利を据え置くことができるはずだ。10年物米国債利回りは8月30日現在 4.18%と、インフレ期待の上昇を表しているとは言い難い水準にある。(ジョン・ベリー)
(ジョン・ベリー氏は、ブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)
原題: Oil Prices Unlikely to Alter Fed's Rate Decisions: John M. Berry(抜粋) {NXTW NSN I3AM8V0D9L35 更新日時 : 2004/08/31 14:53 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/commentary.html