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ダイエーの高木邦夫社長は二十七日、主力三行との協議後、産経新聞の取材に応じ、自主再建案に関連し、公募増資に応じるパートナー企業を四つ程度に絞り込み、それらの企業から「外部の血を相当入れる」として経営陣に大幅な人材派遣を受け入れる考えを明らかにした。
高木社長は同日の主力三行との協議は産業再生機構の活用が焦点だったことを認め、「機構の役割は二つある。ひとつは民間ベースの調整が難しいとき。二つ目は新たなパートナーが手を挙げづらいときに、期間限定で役割を果たすことだ」と指摘。そのうえで、「ダイエーの場合、公募増資に応じたいとする新たなパートナーが相当数あり、民間の調整も進んでいる。民間でやれることを民間でやるのが基本なのだから、再生機構は(再建案策定の)当事者には含まれない」と、改めて再生機構の活用を拒否する考えを示した。
ただ、「次の中期計画を突然、ものすごいスピードでやれというのが外部の要請。時間の使い方が極端に変わってきているなかで、ダイエーが対処していることを理解してもらえないと、私としてはつらい」との心情も吐露した。
また、注目されているダイエー球団の保有については、「小売業とのシナジー(相乗)効果がある」として継続する意志を改めて表明した。
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■自信と重責 抵抗どこまで
連日のように、朝と夜、千葉県内にあるダイエー社長、高木邦夫氏の自宅前に記者が集まる。二十七日朝も、いつも通りの淡々とした口調で切り出した。
「(銀行の担当役員に)過去三年間きちんと改善できたことを伝えたい。公募増資の引き受け先も相当数あるので、今後もこの進め方で透明性や実効性を担保できる」
産業再生機構の活用を焦点とするダイエーの再建案をめぐり、高木氏は一貫して反発している。
その根拠が、現行再建計画の目標値を達成してきた実績だ。公募増資や支援企業との提携を進め、自主再建できると主張を繰り返す。「民間でできるのに、なぜ公的な再生機構に頼るのか」という高木氏の反問が、再生機構入りを説得する主力三行に大きく立ちはだかってきたのである。
しかし、「先延ばしは絶対に困る」(竹中平蔵金融・経済財政担当相)と、再生機構活用による決着を求める圧力は高まるばかり。高木氏の経営手腕が問われ、追い詰められているのも事実だ。
◆負債は減ったが
リクルート専務だった高木氏が出身母体のダイエーに呼び戻されたのは平成十二年秋。そのとき、グループの有利子負債は約二兆四千億円。マイカル、青木建設と大型の企業破綻(はたん)が相次ぎ、ダイエーは経済への影響から「大きすぎてつぶせない」状況だった。
急務となったのは、有利子負債の圧縮と本業の収益回復。元取締役の平山敞(たかし)氏を副社長に迎えて営業力強化をまかせ、財務畑が長い高木氏は財務健全化に邁進(まいしん)した。
ローソン、プランタン銀座、オレンジページ、福岡ドームはじめ福岡事業などを次々と売却、債権放棄を含む主力三行の金融支援を受け、十六年二月末現在で有利子負債は一兆七百五十一億円まで削減された。「今後もこの進め方で大丈夫」というのが高木氏の主張だ。
◆幹部の退任
営業力の強化はなお「永遠の課題」として残っている。
営業面を託された平山氏が思うような売り場作りができないことに対して不満をもらしながらダイエーを去り、経済産業省OBとして会長に迎えられた雨貝二郎氏は、「(高木氏が)銀行ばかりみて、現場の声に耳を貸そうとしないと批判して退任した」(関係者)という。
現在、マルエツ元社長の吉野平八郎氏を営業責任者に迎えて会長に昇格させ、本業の中核となる食品部門の立て直しを進めている。が、既存店の売上高は今年三月から五カ月連続で前年同期比1%減の計画を割り込んだ。
銀行の体力が回復し、皮肉なことにダイエーはもはや「大きすぎてつぶせない」存在ではなくなった。蜜月関係にあったUFJ銀行も「再生機構の活用が一番確かな道筋」(沖原隆宗頭取)と、突きつけてきた。
二年半前の平成十四年一月。二度目の金融支援を受けて、高木氏はこう言い放った。
「わたしの責任は、三年後にぴかぴかの会社に仕上げることだ」
いま、少なくとも、その責任を問われることから逃げられそうになくなってきた。(佐野領)
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■主力3行と協議「再生機構」物別れ
ダイエーの高木邦夫社長とUFJ、三井住友、みずほコーポレートの主力三行の役員が二十七日、UFJ銀行東京本部で会談し、ダイエーの経営再建問題について大詰めの協議を行った。高木社長は、自主再建案を提示して協力を要請したことに対し、主力三行は産業再生機構を活用する再建案を改めて伝えた。これに、高木社長は「再生機構の活用は考えていない」と拒否、協議は物別れに終わった。
再生機構の支援には、銀行と当該企業の要請が必要。主力三行は再生機構への支援要請は「月内がメド」としており、引き続き説得を急ぐ。最終的には沖原隆宗UFJ銀行頭取らがトップ会談に踏み切ることも検討する。
ダイエーは私的整理ガイドラインに沿って、自主再建することを主張し、「透明性、市場性のある」民間資本による公募増資を実施したい考えを示した。これに対し、主力三行はダイエーが過去二回にわたって金融支援を受けながら、業績が明確に上向いていないことを重視。公的機関で透明性の高い再生機構の支援が不可欠と主張した。
同日夜、沖原頭取は記者団の質問に答え、「再生機構の活用は不変。本当にダイエー復活の道筋を付けるスキーム(枠組み)だ。(私が)いつでも説明にうかがう。正しい道はひとつ。必ず、理解してもらえると思う」と述べた。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/28kei002.htm