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■借金体質、見えぬ出口 一般会計85兆5200億円
概算要求
05年度予算の概算要求の一般会計見込み額は、04年度当初予算より約3兆4千億円膨らみ、85兆5200億円。長期金利の上昇で、国債の想定金利を4年ぶりに引き上げたことも増額要因だ。財務省は年末の予算編成に向け、この見込み額をさらに3兆円程度削り込む構えだが、大幅な税収増がなければ、05年度も新規国債は30兆円台半ばの大量発行が続く見通し。借金依存体質からの脱却はままならず、同省は財政再建には歳出抑制の継続に加え、増税も避けられないとの姿勢を強めている。
一般会計見込み額の内訳で、最も増えるのは国債の元利払いに充てる国債費。04年度の概算要求では2・5%だった想定金利を2・7%に引き上げ、国債費は2兆6700億円増える。
昨年の想定金利は過去11年間の平均金利をもとに計算したが、今回は金利が高かった時代を取り込むために、13年間に広げた。「足元の金利上昇を反映して国債費を見積もるには、かなり前までさかのぼる必要があったから」(幹部)という。
地方交付税交付金等は地方税収の伸びが見込まれることを織り込んで、2500億円の減額としたが、政策的支出の一般歳出の上限は、社会保障の自然増などで04年度予算比1・2%増え、歳出全体の規模は膨らんだ。
いずれの歳出項目も、要求段階での「仮置き」の数字だ。財務省は「ここからどれだけ削れるかが予算編成の勝負」と位置づけるが、歳出削減の作業は、難航が予想される。
たとえば、7月末に決めた概算要求基準(シーリング)では、高齢化による約1兆円の社会保障の自然増を2200億円圧縮するとしたが、「制度改正で具体的に削減を見込める項目が少ない」(幹部)。
国と地方の税財政を見直す三位一体改革も、全国知事会など地方6団体は補助金3・2兆円の削減を求めているが、省庁の抵抗が強く、国と地方の歳出のスリム化につながるかどうか不透明だ。
歳出を04年度予算の82・1兆円の水準近くまで切り込めたとしても、歳入面では「経済が良くなっても国の税収は40兆円台半ばが限界」(幹部)とみられている。税収不足を補う新規国債の発行は、04年度の36・6兆円に引き続き、05年度も30兆円台半ばの大量発行が避けられそうにない。
「一刻も早く増税しないと、国家財政がもたない」。財務省内では増税への期待が急速に高まっている。これまでは「歳出削減の努力を尽くしたあとに、国民に増税への理解を求める」との建前だったが、「歳出カットと増税を同時に進める必要がある」との声が強まっている。
今秋から議論が本格化する05年度の税制改正では、小渕政権時代の99年に景気対策として始まった個人所得税の定率減税の縮減・廃止の実現を目指している。足元の景気は回復基調にあり、政府・与党では定率減税の役割は終わったとの認識だ。全廃すると3・3兆円の増税になる。
所得税見直しに続き、与党は07年度をめどに消費税率の引き上げを含む「抜本的税制改正」に取り組むとしている。景気の動向をにらみながらも、政府・与党は増税に向けて本格的に検討する可能性が高まってきた。
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◆05年度一般会計概算要求の見込み額
総額 85兆5200億円(3兆4100億円)
国債費 20兆2400億円(2兆6700億円)
地方交付税交付金等 16兆2400億円( ▼2500億円)
一般歳出 48兆2400億円( 6100億円)
NTT株売却益返済関連の補助 8000億円( 3800億円)
<注>カッコ内は04年度当初予算比増減額。▼はマイナス
http://www.asahi.com/paper/business.html