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2004年8月25日水曜日 No.537
ダイエーは堂々たる優良企業 --- その実体と紛糾の背景を探る
http://www.kyas.com/club9/c9/c9_537.html
「イオンをしのぐ収益力」
別表は私が作成したものではなく、あえて20日付日経から転載した。さらに現在までに開示された今2月期の業績予測を加えると、ダイエーは収益力でイオンを大幅に上回る可能性が高い。
第1に、ダイエーは今期に営業利益を31%増の180億円に改善し、有利子負債を9000億円以下に圧縮する。
第2に、その結果、有利子負債は金融庁が優良債権の条件とするキャッシュフローの10倍以内に収まる。
第3に、今期の売上高は前期比マイナスであるが、同業他社も皆マイナスである。
第4に、発表が近い8月中間期の予想営業利益は60億円で、20億円のイオンを上回り、業界第2位に躍進する。
第5に、通期単体の最終利益でも400億円のダイエーは190億円のイオンの2倍である。
第6に、にもかかわらず主力3行が再生機構送りを画策しているのは金融庁がUFJの検査で不良債権と断定し、他の2行が金融庁の報復を恐れて同調したからだろう。
第7に、経済産業省は金融の都合で企業の生死を論じるのは本末転倒だと述べている。
第8に、日経はこの表を作成して、なおかつダイエーを不良債権と報道している。文明国では企業が開示する決算に基づいて株価を形成しているから、日経は不良債権の根拠を示す責任がある。
「ダイエーは超優良企業に変身も」
しかしダイエーが20日にまとめた自主再建計画案には銀行団による4000億円の金融支援が含まれている。金融庁がダイエーの有利子負債を5000億円以下に圧縮することを要求したために、主力3行が金融支援を条件に高木社長に再生機構送りを迫ったと推定される。
しかし再生機構に送れば銀行は金融庁のメンツを立てるが、黒字のダイエーは根拠なく経営責任を問われる。そればかりか解体されて格下のイオンに買収される可能性さえある。高木社長が名誉と意地をかけて抵抗するのは当然である。
マスコミがこれらの事実を正確、公平に報道すれば、世論は逆転し、ダイエー主導による再建と銀行の支援が同時に実現するだろう。
その時ダイエーは新たな増資資金を加えて借入金を一挙に5000億円以下に縮小し、現在の優良企業から超優良企業に飛躍するだろう。
「減資説に疑問」
私は再生機構と関係なく普通株の減資はないと思う。ダイエーは前回の減資で資本準備金を取り崩しており、新たに減資するメリットがない。ただし銀行保有の優先株の減資はあり得る。まして黒字企業の金融支援や再生機構送りは銀行の都合であり、株主が責任を問われる理由がない。
以上が開示された情報に基づく所見である。
(9月1日付はお休み。次回は、9月8日掲載予定)
大手スーパーの2003年度の経営状況(単体)
ダイエー イ オ ン イトーヨーカ堂 西 友
売 上 高 (億円) 14,302 17,643 14,939 6,442
営 業 利 益(億円) 137 240 241 66
店 舗 数 (店) 266 364 177 210
従 業 員 数 (人) 40,582 64,393 47,402 20,517
連結有利子負債(億円) 10,751 4,301 2,678 4,604
※ 8月20日付 日経新聞より