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【ニューヨーク=藤田和明】米国で監査法人が外部監査を担う顧客企業の入れ替わりが激しくなっている。今年一―六月は四大監査法人(ビッグ4)はそろって顧客数を減らした。企業側がコストに見合わないと解約する一方、監査法人側も会社側の体制不備などを理由に辞めるケースが出ている。米企業改革法成立から二年。企業と監査法人の関係に緊張感が増しつつある。
米調査会社オーディットアナリティクス・ドット・コムが米証券取引委員会(SEC)への各企業の開示書類から集計した。プライスウォーターハウスクーパース(PwC)などビッグ4から一―六月に純流出(獲得と流出の差)した会社数は、合計で百七十一社に達した。
ビッグ4離れがじわりと進んだ理由は大きく二つある。米企業改革法により、不正会計が発覚した場合には外部監査の責任も厳しく問われる。このため監査法人側が顧客企業側の不正リスクがないか、厳しくチェックするようになった。「顧客の選別は自らの重要なリスク管理」(KPMG)といい、解約に踏み切るケースが増えている。
企業側の事情もある。かつてビッグ4に依頼することが一種のステータスとされたが、規模の小さい企業には、負担がかさむ一方の監査を割高な大手に頼む必要はないとの判断が働きつつある。「効用と費用のバランスを考え始めた」(オーディットアナリティクスのジョー・シア氏)。
最も顧客企業数を減らしたのがアーンスト・アンド・ヤング(E&Y)で六十二社の減少となった。新規獲得数が十七社と少なかった。監査先企業のピープル・ソフトとの間で別の共同事業を行ったことが独立性を損なったとして今春、新規顧客向けの営業停止処分を受けたのが響いた。
次いで大きかったのがPwCの五十四社減。デロイト・トウシュ・トーマツは二十社減と大手でもっとも小さかった。
大手が落とした企業を獲得したのがBDOシードマン。二十三社の純増となり突出して多かった。獲得した三十八社のうち二十九社が元ビッグ4の顧客だった。グラント・ソーントンもビッグ4から多く獲得したが、一方で地方の監査法人に取られるケースも多く、総数では四社の減少。
またビッグ4間での顧客の入れ替わりも目立つ。例えばアプライド・マテリアルズは六月にPwCからKPMGに監査法人を変更した。大手年金基金などが監査法人の独立性を厳しく求める圧力がかかっていた。企業と監査法人の緊張関係は増している。
簿外の不正取引が発覚したエンロン事件では、監査を担当したアーサー・アンダーセンが解体された。その後成立した米企業改革法では、企業と監査法人のなれ合いや癒着の防止を重視。監査法人は監査業務を提供する企業に対してコンサルティング業務を行うことを原則禁止したほか、監査人のローテーションなど厳しい規制を敷いた。
もっとも監査法人の変更を、株式市場はマイナスと取らえる場面も少なくない。会計上の問題でもめ、安定した監査法人が決まらぬまま、上場廃止に追い込まれる企業も出てきている。