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露の拡張主義 旧ソ連圏再支配着々と 高騰するエネルギー資源を武器に
【モスクワ=内藤泰朗】エネルギーを武器とした旧ソ連圏に対するロシアの拡張主義が顕著になっている。米国や中国の進出が著しい中央アジアのウズベキスタンの天然ガスがロシアの影響下に入ったほか、ウクライナでも長期エネルギー協力が実現。欧米の影響が強いアゼルバイジャンへの攻勢も強まっている。世界で高騰する戦略資源のエネルギーによる旧ソ連圏再支配をもくろむプーチン政権の戦略が浮き彫りになっている。
ロシアは先月、「スラブの兄弟国」であるウクライナが欧州の協力で建設した黒海沿岸オデッサから北西部ブロディに延びる石油パイプラインの使用権を獲得し、ロシアのエネルギー関係者は喜びに沸き立った。
同パイプラインは当初、カスピ海の石油をロシアを経由させずにオデッサ−ブロディのルートで欧州に運ぶ計画で建設されたが、最終段階でロシア産石油を逆向きに流し南欧に石油を送るとするロシア提案が勝った。これまで送油管がなかった南欧へのルートを手に入れたロシアは、石油の新顧客開拓に乗り出せるようになったのだ。
さらに、ロシアの日刊紙、独立新聞によると、ロシアは、カスピ海の石油をアゼルバイジャンのバクーからロシアの黒海沿岸の積み出し基地ノボロシスク経由で欧州に送るルートもあきらめてはいない。政府高官が相次ぎバクーにもうで、アリエフ新大統領への働きかけを繰り返す。米国の影響力が拡大する中東に、ロシアの影響力を確保する狙いがあるとみられる。
世界の天然ガスの二割を産出するロシアの天然ガス独占企業体、ガスプロムは十一日、十六億ドル以上にのぼるウクライナの対露債務を帳消しにする契約を結んだほか、先月には、中央アジアのトルクメニスタンの天然ガスをウクライナのパイプラインを経由して二十五年間の長期にわたり欧州に運ぶ契約も締結した。
ガスプロムはウズベキスタンとも六月に同国南部カディムなど大天然ガス田の共同開発契約を結び、パイプラインの建設などでさらなる交渉を継続中だ。
ロシアの「柔らかい下腹」「裏庭」などと呼ばれる中央アジア諸国のほか、ウクライナなど旧ソ連各国はソ連崩壊後、ロシア離れを進め、親欧米路線の戦略を立ててきたが、エネルギーの価格が上昇する中、欧米だけに頼るよりロシアとも協力した方が利益が上がるとの現実的でしたたかな計算が働いていることが背景にはある。
だが、プーチン・ロシア大統領は「ロシアは、独立国家共同体(CIS)諸国の再統合の原動力となるべく行動すべきだ」と言明し、旧ソ連圏の再支配の夢を隠さない。「経済拡大によるCISの支配」(ロシアの経済紙、コメルサント)は、着々と進んでいる。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/24int001.htm