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増田俊男の時事直言!
bQ62号 (2004年8月20日号)
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日米株価のターニングポイント
私はラジオ、講演、本誌で「7月27日(8月)から相場が変わる」と言ってきた。また、相場を操作するヘッジファンドの動向についても述べた。株式相場を動かしているのはグリーン・スパン(FRB議長)とヘッジファンドの阿吽の呼吸と言っても過言ではない。
両者の違いは、グリーン・スパンはアメリカの国益のために「モノを言う」が、ヘッジファンドには儲け以外に何もない点である。両者がプレイできる市場は金融市場(株式市場等)と商品市場(オイル市場等)である。この二つの市場間の資金動向を決めるのは金利である。世界的に金利が下がる場合は商品市場へ、また上がる場合は金融市場へ資金が流入する。6月末までの2年間、アメリカは超低金利1%まで金利を下げ続けてきた。日本も同じく超低金利と金融緩和政策を維持してきた。だから日米株価が低迷を続けたのは当然である。
よく「出口論」が語られるが、日米は現行金融政策からどのように抜け出すかの議論である。出口論が大切なのは、それによって今後の両市場の動向が変化するからである。
出口は決まった!
FRBは本年6月30日と8月10日に、各0.25%の利上げに踏み切ることにより政策転換した。さらに9月21日にも0.25%を予定している。アメリカは超低金利政策を抜け出し、高金利政策へ政策転換を果たしたのである。
では日本の超低金利、金融緩和政策の出口はどうだろうか。超金融緩和を解除する場合、かつてのゼロ金利政策復活はないと財務省は言うが、実はリスクをヘッジすると同時に銀行の資金コストを軽減させる一石二鳥を狙っている。来年4月からペイオフ解禁で従来の預金保護がなくなるが、金利ゼロの「決済用預金」は依然全額政府保証である。
銀行は今預金者を脅したりし、すかしたり(景品合戦)で、資金コストゼロの決済用預金獲得に努めている。金融緩和策解除による金利高を資金コストダウンでカバーできるのは、超預金高国日本(預金残高800兆円)ならではの「出口」である。
原油高は終わった!
「雇用の減退、消費の伸び止まりは一時的」といったグリーン・スパンは正しい!
二度の利上げにもかかわらず、利上げ超敏感の米国住宅着工数は8月の時点で前月比8.3%増の197万8000戸であった。驚くべき勢いである。住宅着工は消費波及効果が大きいから、最近の消費の落ち込みもグリーン・スパンの言うとおり今後心配ない。グリーン・スパンは議会証言で「アメリカ経済は予想外に強く、原油価格だけが気がかりである」と言って、アメリカ経済は「原油さえ下がればリスクはない」と述べ、市場が他の経済ファンダメンタルから目をそらし、原油だけに注目するよう誘導している。これは大統領選前の10月末の株価をピークに持ってゆくために「原油が下がれば株が上がる」という基本線を市場に認識させる『伏線』である。
今後グリーン・スパンはヘッジファンドと示し合わせて、びっくりするほど原油価格を上げ、あっという間に暴落させるだろう。日米株価急騰場面は近い。
一寸一言:私は来る「Sunra Hawaiian Night」に出演し、名曲を歌います。
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発信者 : 増田俊男
(時事評論家、国際金融スペシャリスト)
http://www.chokugen.com/opinion/backnumber/h16/jiji040820_262.htm