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8月16日(ブルームバーグ):所得税やキャピタルゲイン税の減税、5年ぶりの高成長、100万人を超える雇用創出、グリーンスパン連邦準備制度理事会(FRB)議長の前向きな景気認識、イラク戦争での勝利――。ブッシュ政権や議会、FRBに対して米大手企業の首脳や株主が求めた願いは、すべて実現した。
にもかかわらず、米国の金融・資本市場やブッシュ経済に対する信頼感は失われ、S&P500種は軟調な展開になっている。
8カ月前、ブルームバーグ・ニュースがストラテジスト13人を対象にした調査では、今年のS&P500種は年間ベースで少なくとも2.3%の上昇になるとの見通しが優勢だった。この見通しが、大統領選でのブッシュ大統領の地滑り的勝利につながるはずだった。
原油高、テロ脅威
ところが現実は、最高値更新を続ける原油相場、イラク戦争の戦闘終結宣言後の790人を超える米軍兵の死亡、テロの脅威に対する米政府の警告といった要因が、株式相場に重くのしかかり、S&P500種のほか、ダウ工業株平2均、ナスダック総合指数は先週、年初来安値に達した。
2000年出版の著書「投機バブル 根拠なき熱狂」のなかで、ドット・コム・バブルの終えんを予想したエール大学のエコノミスト、ロバート・シラー氏は「投資家の信頼感が何にも増して相場のけん引役になっている」と指摘。その上で、「株式相場は上昇観測だけに支えられてきた。その支援要因が急速に色あせている」と語った。
投資家のセンチメントを反映する「ステート・ストリート投資家信頼感指数」は、7月の数値が84.3と、過去7カ月間で6回目の低下だった。年初の水準は109だった。
収益成長
ブルーバーグ・ニュースがストラテジストを対象にした調査によると、モデル・ポートフォリオの株式組入れ率は平均64%と、年初の同67%を3ポイント下回る水準にある。また、トムソン・ファイナンシャルがまとめたアナリスト予想でも、S&P500採用企業の増益率見通しは、第3四半期が15%、第4四半期が15.5%にとどまった。過去4四半期の増益率は20%を上回る水準を維持していた。
新規株式公開(IPO)市場でも、アメリカン・シーフーズやクラリアなど少なくとも12社が今月これまでにIPO計画の撤回または延期を明らかにしている(ブルームバーグの集計データ)。
「非現実的」
一方、ファンドマネジャーの間には、信頼感の低下が株安につながったとの見方に異論を唱える向きもある。債券ファンド世界最大手、パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の投資責任者、ビル・グロス氏は、株価下落の背景を「信頼感が低下したわけではなく、見通しが非現実的だったのだ」と説明。「テロ、戦争、原油、大統領選をめぐる不透明感といった要因を悪材料に挙げる向きは、過去20年間の繁栄が低金利や金利低下によって支えられていた事実を忘れている」と指摘し、「バラの花は散る運命にあった」と語った。
ブルームバーグ・ニュースが7−8月にまとめたエコノミスト調査によると、今年の米国の消費者物価指数(CPI)の伸び率は2.7%と、2000年以来の高水準。国内総生産(GDP)成長率は4.3%と、1999年以来最高を記録する見通しだ。
見通し実現のためには、4−6月に3%に低下したした成長率を上昇に転じさせなければならない。米証券チャールズ・シュワブ傘下USトラストの主任投資オフィサー、ティモシー・リーチ氏は「われわれは再び、高インフレ・低成長のリスクに直面している」と指摘。「顧客はより慎重な投資スタンスを取ることの必要性を感じている」と語った。
投資家の懸念は売買高にも表れている。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は1日当たり平均13億株と、前年同期の14億株を下回っている。今年1−4月は平均15億株だった。
値動きも小幅だ。今年1−7月のS&P500種は高値と安値の差が87ポイントと、1994年以来10年ぶりの低水準。企業収益拡大を背景に3月と5月には上昇に向かい始めたものの、原油高やテロ警戒に対する懸念が相場の足かせとなった。
株式相場ばかりでなく、債券相場も振るわない。メリルリンチが算出している「USトレジャリー・マスター・インデックスによると、今年これまでの国債相場の投資収益率(利息の再投資分を含む)は2.21%にとどまっている。
米ピュー・リサーチ・センターが今月5−10日に実施した世論調査によると、米成人の3分の2が景気の現状を「まずまず」または「振るわない」と評価した。登録有権者を対象にした調査では、ブッシュ大統領再選よりもケリー大統領誕生のほうが、景気回復の可能性が高いとの見方が優勢だった。
こうした要因のすべてが再選を目指すブッシュ大統領にとってマイナス要因となる可能性がある。ブルームバーグの集計データによると、第二次世界大戦以降、大統領選の年に年初から投票日までのS&P500種の騰落率がマイナスになったのは、1960年と2000年の2回。その2回とも、現職大統領の政党が敗北。騰落率が小幅なプラスにとどまった1992年も、現職の父ブッシュ大統領が敗北し、民主党のクリントン大統領が誕生している。
原題:Bush Economy, Viewed by Stock Market, Loses Investor Confidence
{NXTW NSN I2IUA607NBB5 http://quote.bloomberg.com/apps/news?pid=90003009&sid=aIpmgsOne6So&refer=jp_top_world_news
翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先:
東京 柴田 広基 Hiroki Shibata hshibata@bloomberg.net Editor:Okubo
記事に関するコラムニストへの問い合わせ先:
Monee Fields-White in New York at mwhite@bloomberg.net, and
Scarlet Fu in New York at scarfu@bloomberg.net
記事に関するエディターへの問い合わせ先:
Frederic Wiegold in New York at fwiegold1@Bloomberg.net.
更新日時 : 2004/08/16 14:41 JST
★ 参照投稿
『ほんとうに金利を引き上げ続け引き締めも継続実施するのなら、「誤り」ではなく「確信犯」でしょう。』
( http://www.asyura2.com/0403/hasan35/msg/647.html )