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「不良債権は風評」
日本の株式市場は企業が公表した決算を無条件に信頼して株価を形成している。
アングラで流される情報はすべてインサイダーであり、インサイダー情報の発信と
流布は犯罪行為である。
ダイエーは直近の第1四半期の決算で今2月期通期の営業利益600億円、
税引利益410億円を予定通りに達成できると発表した。ダイエーは実質的に
銀行管理下にあるから、これは主力3行が認めた唯一正当な決算予想である。
しかるに主力3行はダイエーを再生機構に持ち込むという。債務超過寸前で上場が
維持できなくなったカネボウとは大違いで、ダイエーは堂々たる黒字企業である。
高木社長は先週末に幹部社員を召集して再生機構入りを断固拒否し、自主再建で
結束しようと訴えた。経済産業省の杉山秀二次官も「金融の視点だけで再建計画を
論じるのは本末転倒である」と述べている。誰が見てもこれが正論である。
「高木社長の成算」
金融庁の圧力を受けて迷走する主力3行に対して、高木社長には自信と成算が見える。
以下は今後の展開に対する私の大胆予想である。
第1に、再生機構への持ち込みにはダイエー自身の申請が必要だが、高木社長は
断固拒否の構えである。取締役会が結束すれば銀行は高木社長を解任できない。
第2に、ダイエーの収益力は高い。今期予想の1株利益91円が45円に半減しても
株価収益率(PER)20倍で800円が妥当株価となる。
第3に、ダイエーの借入金はピークの3兆円から今期末には9000億円以下に
縮小する。
ダイエーがこの9000億円を返済すれば名実ともに堂々たる優良企業である。
返済は次の順に進行するだろう。
第1に、高木社長は推定3000億円の第3者割当て増資を募り、既に複数の
投資ファンドが名乗りを上げている。
第2に、主力3行は融資残高のうち3000億円を株式に転換する。
理論的な株価の割安は歴然としているから、投資ファンドと主力3行は積極的に
出資に応じるだろう。
第3に、ダイエーには借入金に見合う店舗不動産がある。その一部を用いて
3000億円を証券化する。
ダイエーは合計6000億円の資本金と3000億円の不動産証券化で9000億円
の債務を一掃する。今期中に計画の半分を達成するメドが立てば、ダイエーは無借入金
の優良企業となり、何人も経営に介入することができない。
これらは私の空想ではなく投資ファンドの常識的な手法である。万一再生ファンドに
持ち込まれたとしても、基本的な手法と内容に大差はないだろう。
私は終始一貫ダイエーの借金は不良債権ではないと主張して来た。しかしアメリカの
キャッシュフロー経営を唯一絶対の評価基準とする竹中大臣は、不動産や株式を保有
する企業を片端から不良債権と断定する。
しかし米国系投資ファンドは日本の歴史的な借金経営の長所を熟知しているから、
金融庁の圧力を受けてたたき売りされた不動産やゴルフ場や企業を次々に買収して
大儲けした。株価が暴落したダイエーは資金を短期間に大化けさせる絶好のチャンス
である。
「資本主義の危機」
高木社長を突き上げているのは、日本の資本市場に吹き込んだ新しい時代の風である。
再生機構の介入説が株価を暴落させたのに対して、高木社長の増資を核とする債務一掃
計画が具体化するにつれてダイエーの評価は大逆転し、株価は反騰に転じるだろう。
そもそも再生機構は赤字企業を救済するための機関である。もし黒字企業への介入を
許せば、金融界と産業界にまたがるすべての企業の生殺与奪を一人の独裁者が握る
結果を招き、日本の資本主義の活力が死ぬ。
http://www.kyas.com/club9/c9/c9_535.html