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【香港】ＨＳＢＣが交通銀20％掌握＝外銀初
英メガバンクＨＳＢＣホールディングス系で、香港拠点の香港上海銀行は６日、中国本土商業銀５位行の交通銀行（2003年末総資産1,119億米ドル）の株式19.9％を144億6,100万元（人民元、以下同）で取得、北京市の人民大会堂で調印式を行った。外資系金融機関が、本土銀の権利を中国国内法の規制枠一杯まで掌握するのは初めて。ＨＳＢＣは「最後の対中投資」としており、交通銀への経営参入を本土事業のパイプとしてフル活用する方針。出資による本土大規模行のコントロールが有効かどうか、関係者の注目を集めている。
■中国当局が期待感
調印式は中国人民銀行（中央銀行）の周小川総裁が主催。黄菊副首相も来賓として出席し、今回の両行の連携について「中国の金融改革を進める重要なカギだ」と強い期待感を示した。
両行を代表し、ジョン・ボンドＨＳＢＣ会長と蒋超良・交通銀会長がそれぞれ出席。ボンド会長は「今回の投資は、ＨＳＢＣグループの新たな窓口を切り開いた。我々の中国ビジネスで重要で意義深いステップだ」と語った。蒋会長は「当行にとって外銀を戦略的パートナーに迎えるのは初めてのこと。力強い連合を実現したい」と意欲を述べた。
■交通銀、年内上場か
ＨＳＢＣからの出資のほか、交通銀は、◇中国財政部から50億元◇中央基金から30億元◇社会保障基金から100億元◇現株主が増資として11億3,600万元――の資金をそれぞれ注入。◇劣後人民元債120億元分を発行◇不良債権414億元を半額で中国信達資産管理に売却――などの処理を行ったうえ、自己資本比率8.43％を達成する目算だ。
処理後には香港上場を計画しており、蒋会長は「早ければ早いほど良い」と積極的。上場時期は９月〜11月の間が濃厚だが、市場の調達環境をにらみ来年上半期に先送りする可能性もあるという。
■ＨＳＢＣ一歩リード
ボンド会長は今回の投資にあたり「今回が中国で最後の（大規模な）投資だ」と述べ、計画中の中国銀行、中国建設銀行の海外上場にあたって、積極的な役割を果たす考えがないことを匂わせている。
権利の約２割を押さえたことで、ＨＳＢＣは交通銀に役員２人を送り込む考え。交通銀が本土137都市に展開する2,700店舗のネット活用と、ＨＳＢＣ系が連動したクレジットカード業務の運用開始を当面の最大目標にするという。
外銀の本土銀投資の加速は、03年12月に中国銀行業監督管理委が同一の外資による出資上限を、株式全体の20％以下まで引き上げたのがきっかけ。これまでに米シティバンクも上海浦東発展銀の権利５％を取得しているが、ＨＳＢＣ系は◇恒生銀が興業銀の15.98％◇香港上海銀が上海銀の８％――の権利をそれぞれ取得しており、本土銀の権利買収でリードを奪っている。
■影響力、どこまで…
８日付明報によると、業界の反応は様々だ。
出資に先立ち米ムーディーズは香港上海銀の格付けをＡａ３に据え置くと公表。今年上半期の業績から見て今回の出資額は本体の財務に影響しない、という。
一方、スタンダード・チャータード銀の王冬勝（ピーター・ウォン）取締役は「ただ役員を送り込んだだけでは、経営改革への影響は限定的」と指摘。「本土銀が必要としている外銀の運営、リスク管理、トレンド商品の販売、サービスのノウハウをどこまで外銀から取りこもうとするかがカギだ」と述べ、交通銀出資の成否は実際の業務にＨＳＢＣがどの程度食い込めるかが焦点、との見方を示している。（NNA）
[8月9日10時34分更新]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040809-00000002-nna-int
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。