現在地 HOME > 掲示板 > 国家破産36 > 155.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
ユコス社追及 露経済に影 プーチン強権嫌い資本流出
【モスクワ=内藤泰朗】ロシアの石油最大手ユコス社への追及が大詰めを迎えるなか、プーチン政権内では、ユコスを解体するか否かで最後の攻防が繰り広げられている。だが、政治が経済に強引に介入するプーチン流の手法を嫌い、資本の国外逃避が再び増大する兆しを見せ始めており、原油高で絶好調にみえるロシア経済に早くも影を落としている。
モスクワ仲裁裁判所は、六日、法務省が先月、ユコス社保有の中核子会社、ユガンスクネフチガスの株式を差し押さえ売却するのは違法だとする決定を下した。巨額脱税で追及されるユコスは、同社の六割の石油を産出するユガンスクネフチガス売却の危機が当面回避されたことで、倒産までの時間を稼いだ。
一方で、法務省と仲裁裁判所の対立は、政権内部でユコス解体をめぐり、激しい攻防が依然続いていることを示した。
司法当局は昨年、当時ユコス社長のホドルコフスキー氏を巨額脱税や国家資産横領などの容疑で逮捕。税務当局は、二〇〇〇年から二年分として千九百七十四億ルーブル(約七千三百八十億円)の追徴課税を決めた。〇三年分を合わせた最終的な追徴課税総額が一兆円を超えるのは確実だ。
当局側はそうした中、ユコスの国内銀行口座を凍結し同社の資産差し押さえに入るなど、事実上、倒産、解体、国有化への流れが固まった。
ところが、ユコス問題では鮮明な立場を表明していなかったロシア財界の「顔」であるウォリスキー企業家同盟会長がここにきて、「(ユコス問題は)個人的な恨みや政治的問題と混同してはならない」と述べ、ロシアを代表する企業であり、世界の総産油量の2%を産出するユコス社をつぶしたら取り返しのつかないことになると激しく反発した。
同氏は少し前までテレビで、「誰が(ユコス追及の)首謀者なのか察しはつくが、それを言うのは恐ろしい」と震えていただけに、旧ソ連国家保安委員会(KGB)の後継機関である連邦保安局(FSB)が主導する政権内でもユコスの今後が議論となっていることをうかがわせた。
ただ、その議論の行方は依然不透明だ。
ロシア中央銀行などによると、プーチン大統領が政権の座に就いた〇〇年、二百四十八億ドルにのぼった国外逃避資金は毎年減少し続け、昨年前半にはソ連崩壊後初めて資金の流出より流入が上回ったが、昨年十月のホドルコフスキー氏逮捕以降、資金逃避が顕著になり、結局、年間で七十七億ドルが流出した。
グレフ経済発展・貿易相は五日、今年も少なくとも八十億ドル以上が流出するとみるほか、歴史的な原油高にもかかわらず、ロシアの経済成長率が昨年以下のレベルになるとの見通しを示した。(産経新聞)
[8月8日3時14分更新]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040808-00000012-san-int
逮捕されているユコスのホドルコフスキーは、カーライル・グループの相談役である。