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4日の衆院厚生労働委員会で、民主党が提出した年金制度改革関連法の廃止法案は与党の反対であっさり否決された。5、6日の衆参両院本会議で否決され廃案となる見通しで、与党の「数の力」の前に野党としては打つ手がないのが現状だ。しかし、財政対策を理由に年金改革法の廃止を拒否しながら、抜本改革案の協議に民主党を誘うことで世論の批判をかわす与党の手法は、両刃の剣でもある。当面の国会対策には有効でも、今後抜本改革を放棄した場合、国民の批判は再び一気に与党に向かいかねない。
「体系見直しがやられていないのは事実」。4日の衆院厚労委で、年金改革法作成に深くかかわった自民党の長勢甚遠氏は、同法が抜本改革案でないことを認めた。
年金改革法は、各種世論調査で約7割の国民が「白紙撤回」を求めている。自民党は同法案を強行採決した影響などで参院選に敗れた。そこで「放置すれば毎年5兆の赤字が出る」との理屈で同法を正当化しつつ、抜本改革の必要性も認める戦術に転換。3党合意に基づく「年金一元化を含めた社会保障制度の一体的見直し」をする与野党協議機関を設置し、再度民主党を話し合い路線に引き込もうというわけだ。
こうした同党を民主党は攻めあぐねている。廃止法案は、与党が衆参両院で過半数を握る以上否決される。党内には「与党と話さないと改革は進まない」との意見もくすぶるが、対決姿勢を鮮明にした直後に3党合意に戻るのも難しい。4日の同委でも自民党の大野功統・年金制度調査会長は「一元化を含め協議していこう」と水を向けたが、民主党の枝野幸男・前政調会長は「一元化について自民党内の意見をまとめてもらわないと協議に入りようがない」と答えるにとどめた。
政府は民主党の支持母体・連合も加わる「社会保障の在り方に関する懇談会」も発足させ、同党を孤立させようとしている。今後は自民党も「抜本改革」の答えを出すことを迫られるが、4日の同委では民主党案批判に終始し、自らの改革案については方向性すら示せなかった。先の展望を見いだせない点では与党も野党と変わりがない。【吉田啓志】
毎日新聞 2004年8月5日 東京朝刊
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/kokkai/news/20040805ddm002010180000c.html