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富士写真フイルムは5日、液晶ディスプレー用部品の新工場を国内に建設する方針を明らかにした。投資規模は1千億円以上になるとみられ、液晶関連の部品生産への投資としては最大級となる。06年以降の操業開始を目指す。ハイテク産業では中国や韓国メーカーの追い上げが激しさを増しているが、競争力のある最先端製品では「国内重視」の動きが鮮明になっている。富士写も国内の研究拠点と連携しやすい国内生産が得策と判断した。
新工場で生産するのは、液晶ディスプレーに不可欠な偏光板に張る「TAC(トリアセテートセルロース)フィルム」。液晶の表面に張られる偏光板の保護目的で使われる。高度な透明性と平たさが求められ、富士写が世界シェアの8割を握る。写真用フィルムの製造技術が生かされており、ほかにコニカミノルタホールディングスなど、国内勢がほぼ独占している。
世界的にパソコン液晶モニター、携帯電話などの需要が増え続けていることに加え、液晶テレビの生産も今後増える見通しで、TACフィルムは市場で品薄になりつつある。約千億円規模という同フィルムの現在の市場規模は急拡大するとみられている。小田原工場(神奈川県)などで生産量を増やして対応しているが、近く需要に追いつかなくなることが確実となり、設備投資計画を前倒しして実施することにした。
製品の進歩が速い最先端製品であるため、研究施設に近い製造拠点が望ましいことや、人件費があまりかからない自動化が進んだ装置産業であることなどから、国内で製造する方が有利と判断した。建設候補地を選定中で、大阪市や熊本県など複数の候補地があがっている。
液晶ディスプレーの核となる液晶パネルは、世界的に大規模な設備投資が相次いでおり、市場では一時的に余剰感も出ている。しかし富士写のTACフィルムや、電子部品大手、日東電工の偏光板などは、圧倒的な技術力と世界シェアをもち、有利に生産計画を立てられる立場にある。
90年代初めのバブル崩壊後、日本経済が低迷した「失われた10年」には競争力の低い製品は、人件費の安い中国や東南アジアへの製造移転が進んだ。しかし、ここにきて、付加価値の高い製品については国内に製造拠点を建設する傾向が強まっている。シャープは最先端の液晶パネル工場を三重県亀山市で今年1月に稼働。松下電器産業がプラズマ・ディスプレー・パネル工場を兵庫県尼崎市に建設することを決めている。
(10/05 17:30)
http://www.asahi.com/business/update/1005/101.html