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4兆円の資産が消える? 電話加入権、廃止を含め見直し
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http://www.asahi.com/business/update/1004/001.html
6000万件を数える電話加入権が、やがては消えてなくなるかもしれない。合わせて4兆円を超すといわれた個人や企業の資産だが、総務省が廃止を含めた見直しを進めているからだ。加入権は転売できるし、借金の担保にもなれば、税金の滞納整理にも活用されている。価値がなくなったら、影響は大きい。
■経営判断で
総務相の諮問機関・情報通信審議会の電気通信事業部会は、電話加入権を含めた接続料の見直しに関する答申を今月中旬にも出す。これに先立って7月末に出された答申案は、加入権を得るために払う1件7万2000円の施設設置負担金について「本来の意義が失われてきている」とし、加入権の存廃についてはNTT東西会社の「経営判断」とした。
この答申案への意見「パブリックコメント」を総務省が募ったところ、135件が寄せられた。公表された内容をみると、加入権売買業者を中心に約6割が廃止に反対。ほかに買い取り制度を求める声、賛成の立場でも慎重な論議や影響を最小限に抑える仕組みを求める意見があった。
NTT側も「(加入権で)投資資金を集める意義は失われた」とする一方、税法の改正など廃止した際の社会的な影響を小さくするための措置を国に求めている。
■足らぬ質草
総務省は7月、加入権にかかわる業者を集めてヒアリングを行った。この場で、39万件の加入権を担保に総額195億円の融資が行われているという数字が披露された。
東京都豊島区の質店、島田屋商店は約2000件の加入権を預かっている。融資額は計約6000万円。信用がある人には6万以上貸すこともある。
戸枝殖宣(とえだ・たつよし)社長によると、加入権を質草にする人には、消費者金融などでは借りられない年金生活者や失業者、零細の個人事業主が多い。
「加入権がなくなると新たな質草を取らなければならなくなる。社会的に立場が弱い人は借金の手段を失う。弱い者いじめにならないようにしてほしい」と言う。
加入権の存廃が経営に直接響くのが、加入権売買業者。約300社でつくる全日本電話取引業協会は「加入権は国民の財産」と廃止に反対する。
同協会によると、高度経済成長の60〜70年代、電話設置は順番待ちで、すぐに電話を引きたい人は50万円前後も払って加入権を買った。
しかし、加入権消滅論議で取引相場は徐々に下落。今では1件1万円を下回ることもある。同協会の武田貢事務局長は「加入権を資産と認識している人が少ない。もっと関心を持ってほしい」と訴えた。
■税金回収は
行政にとっても加入権消滅の影響は大きい。税金滞納者から加入権を差し押さえ、税金回収の手段にしてきたからだ。
青森県は県税滞納者に対し、103人分の加入権を8月末に売る、と通知した。すると、35人が滞納分を払うか、納める意思を示すかした。
滞納整理で加入権を売り出す場合、電話番号が入札会場で公開される。また、新たに電話を引くと、電話番号も変わってしまう。ある自治体の税務担当は「電話番号を失うことは、信用を失うことと同義なんです」と話している。
加入権は会社の資産として計上することができる。廃止論が浮上してから時間がたち、実勢価格に合わせて資産価値を引き下げている企業もあるが、全日本電話取引業協会は、億単位の影響が出る企業もあり、電話で事務の代行を行っている企業などが特に影響を受けやすいとみている。
〈電話加入権〉 NTTの固定電話を新たに引く人が、7万2000円の施設設置負担金を払うことで発生する権利。NTTに買い取ってもらうことはできないが、転売や質権を設定して融資を受けることができる。多額の加入権を資産として計上している企業もある。
電電公社時代は設備料の名目で最高8万円のときもあった。金額が高く、新規加入の妨げになっているとの声もあり、02年には負担金を払わない代わりに、月額基本料金に640円を上乗せして払う方式が導入された。これだと加入権は得られず、加入期間が9年5カ月以上になると負担金を超える金額を払うことになる。
(10/04 00:26)