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NTT、固定電話基本料金値下げ 来年1月から月額最大で157円
NTTグループは一日、固定電話サービスの月額基本料を来年一月から最大で百五十七・五円値下げすると発表した。KDDIとソフトバンクグループが相次いでNTTよりも割安な固定電話サービスを表明したことに対抗する。「何もしなければ相当な打撃を受ける」(和田紀夫NTT社長)として、昭和二十七年に前身の電電公社が発足して以来、初めて基本料を値下げする。これでNTTと新電電の料金体系は実質横並びとなり、NTTが事実上独占してきた固定電話の基本料で本格的な競争が始まる。
NTT東西地域会社は、月額基本料を地域ごとに三段階に設定。このうち、東京など都市圏を対象とした区分では、基本料金を現行から五十二・五円値下げして千七百八十五円とする。一方、地方を中心とした区分は千五百二十二・五円で据え置く。
また、電話料金の口座振り替え通知書送付を、郵送からインターネット通知に無料で切り替えた場合には百五円値下げする。
このため、都市部の月額基本料は、現行より最大百五十七・五円値下げして千六百八十円になる。このほか、月額四百九・五円のプッシュ回線使用料も廃止し、プッシュ回線利用者では月額基本料が最大五百六十七円安くなる。
一方、KDDIなど新電電は十二月以降、都市部の月額基本料を千五百七十五円に設定する。しかし、開通後六十カ月までは工事負担金として月額百五円が別途必要となるため、利用者が支払う料金はNTTと新電電で格差は無くなる。このため、新電電がアピールしたい基本料金の価格優位性は、サービス開始前に消える格好だ。
和田社長は、この日の記者会見で「NTTは総合力で競争力がある」と強調したが、ソフトバンクなど新電電は、再び対抗値下げを検討している。
このため、和田社長は追加値下げに関し、「今後の推移を見守る」として含みを残した。固定電話サービスをめぐる三つどもえの料金競争は今後、さらに過熱する可能性が高い。
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■本格的な競争自由化に危機感
通信自由化から約二十年。これまでNTTが独占し続けてきた固定電話サービスの基本料金をめぐり、本格的な競争自由化を迎える。
「基本料金は独占市場のままだった。ここを奪いに行く」−。ソフトバンクの孫正義社長は八月三十日の記者会見で、最初にこの“聖域”に風穴をあけることを宣言。業界のタブーに挑戦し、NTTよりも割安な月額基本料を提示したことで、NTT内にも衝撃が走った。
今回の基本料金値下げは、NTTの危機感のあらわれであり、ADSL(非対称デジタル加入者線)に続き、通信業界は一段と厳しい競争時代に突入する。
基本料金とは、通信回線を利用する際に支払う回線使用料で、通話の有無にかかわらず回線を持つ通信事業者に支払う仕組みだ。通話料金は「マイライン」で事業者を選択する自由度が高まったが、固定電話は家庭までの通信回線をNTTが保有しているため、基本料金は依然としてNTT側に支払う必要がある。
このため、通信自由化で通話料金は大きく下がったが、その一方で、基本料金は昭和六十年の通信自由化前に比べ、現在は約13%も値上げされているのが現状だ。
ソフトバンクの孫社長はじめ、KDDIの小野寺正社長もこの問題に反発。NTT網を利用しない独自網で価格競争という挑戦状をたたきつけた。とくにKDDIは、インターネット技術を利用した固定電話の完全IP(インターネット・プロトコル)網を平成十九年度末までに完了すると発表した。NTT幹部も「こんなに早く来るとは」と驚きを隠さない。NTTは、こうした新電電の攻勢で仕方なく、値下げという対抗措置に踏み切った。この値下げに伴う減収は、NTT東西合計で約千六百八十億円と試算しているが、将来的な顧客の確保に何とかつなげたい考えだ。
固定電話業界では今後、光ファイバーを利用したIP電話など、既存網とは異なる新サービス競争も始まる。NTTも「将来には完全IP網を検討している」(和田紀夫社長)というが、既存網が大きいだけに、迅速に移行できるかどうかは未知数だ。(冨岡耕)
http://www.sankei.co.jp/news/morning/02iti001.htm