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ワシントンで1日開かれる先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で、中国の金人慶財政相と周小川中国人民銀行総裁を交えた会合が行われる。財務相代理クラスの会議では昨年以来、中国が随時参加しているが、G7と中国の金融当局トップとの会合は初めてである。
中国の経済的地位が急速に高まる中で、国際的な政策協調の必要性が高まっている。そのため、マクロ経済や金融の見方で、認識の共有を図ることが主目的とされているが、最大の焦点は中国の為替市場政策にかかわる議論である。
最近のG7では国名こそ明示してはいないが、大規模な相場介入や資本流出規制で1ドル=8・27元前後に固定している中国に対して、柔軟性を持った為替レートに転換することを求めている。とりわけ、中国貿易で膨大な赤字を計上している米国では、大幅な元切り上げや変動相場制への早期移行を求める声が高まっている。今回のG7でも大統領選を意識して、スノー財務長官が中国に決意を求める可能性もある。
中国自身も、為替相場制度に柔軟性を持たせなければならないことは認識している。また、06年末までには世界貿易機関加入の際の約束である外国銀行への人民元業務の完全開放を実施しなければならない。それに向けた取り組みも行わなければならない。
現在、中国は景気過熱にブレーキをかけようとしているが、金融システムが整備されていないこともあり、政府が融資規制を行うなどの方法に頼っている。国有銀行の抱える不良債権処理と併せて、金融政策が機能するシステムにしていくことが重要である。
今回の会合では、まず、こうした政策を遂行する上で不可欠な金融インフラの整備の加速を中国に求める必要がある。これが人民元の固定相場から変動幅拡大や完全変動相場制移行への第一歩である。為替調整は1971年8月のニクソン・ショックや同年12月のスミソニアン合意にみられるように、当該国のみならず世界経済にも大きな影響を及ぼす。
これまで、日米欧の主要国と中国が一堂に会して、通貨制度のあり方を議論する機会はなかった。しかし、中国の経済力からすれば、いずれ、人民元は国際通貨になることが必然である。相場制度の変更に伴うあつれきを最小限に抑えられれば、それに越したことはない。
軟着陸を目指すためにも、中国自身は為替相場を含めた金融市場自由化の行動計画を策定し、明らかにする必要がある。同時に、G7各国はこれまでの為替制度改革や為替調整の経験を伝授することが求められる。
世界経済の持続的発展のためには、先進国のみならず、中国やロシア、インドなども含めた広範な国の間での為替政策や経済政策の協調が欠かせない。今回のG7への中国のゲスト参加はその大きな一歩になりうる。こうした枠組みを継続していくことが、いま求められている。
毎日新聞 2004年10月1日 0時10分
http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/kaigai/news/20041001k0000m070152000c.html