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論理的には存続可能ですが、「デフレ不況」への対応ぶりを見ている限り無理のようですね。
http://www.asyura2.com/0406/dispute19/msg/669.html
投稿者 あっしら 日時 2004 年 11 月 17 日 02:23:53:Mo7ApAlflbQ6s
 

(回答先: 人口減少社会で資本主義は存続可能か? 投稿者 モモンガ 日時 2004 年 11 月 16 日 21:20:55)


モモンガさん、どうもです。

米国や西欧諸国が移民受け入れ政策を採り、日本経団連も移民受け入れを主張していることでわかるように、人口増加が需要増加に結びつき経済成長に資すると考えられているようです。(移民は低賃金で3K労働に就業する人の補充ということで供給サイドにとっても意義があります)

現在の「デフレ不況」は人口問題(増加率減少)とは直接の関係はありませんが、人口増加率が高い状態が持続していれば“緩和”されただろうと思っています。

(いちおう福祉国家ですし、企業経営者も国民生活のことをまったく考えないわけではないので、供給力>需要のギャップを縮小する財政支出や給与引き上げが行われた可能性が高い。設備投資が低迷して供給力が増加しないなかで人口が増加すれば、徐々にデフレギャップは解消されますし、人口増加に供給力が追いつかなければ設備投資が拡大し、それにより需要が増大します。設備投資効果で供給力過多気味になりますが、人口増加率が高ければ供給力過剰はまもなく解消されていくというサイクルになります)


提示された問題は、「一人当たりの生活水準が一定で人口が増加しないときに利潤を増大させる方法」はあるのかと置き換えることができます。

方策1:輸出の持続的増加

与件から国内総需要は増加しないわけですから、国外に需要を求める必要があります。

外からお金を稼ぎ、生産したモノは外に出て行ってなくなってしまうのですから、輸出は、需給ギャップを埋めながらGDPを増加させるもっとも合理的な経済行為です。

しかし、世界経済の成長率が2%〜3%という状況で、これまでも膨大な貿易収支黒字を計上し続けてきた日本が持続的に輸出を増加させることは難しいでしょう。
(人口が増加しない(減少する)ことで起きる可能性がある労働力不足は生産性の上昇でカバーすることはできる)

「総人口が減っても一人あたりのGDPが増えれば問題ない」と言う人のGDPが実質であれば、輸出の持続的増加が大きな条件になります。
(一人あたりのGDPを増やすことそのものがどれほど難しいかを如実に示してきたのが「失われた10年」であり「デフレ不況」です。ですから、「一人あたりのGDPが増えれば問題ない」というのは解にはなっていません(笑))


方策2:名目GDPの増加

現在は管理通貨制であり為替変動相場制なのですから、名目GDPを意図的に増加させる策を採ることができます。
(金本位制や固定相場制だったら、採用が非常に困難であったり、国際競争力を劣化させてしまう政策です)

ある生活水準を維持するのに、月々20万円が必要だとすれば、それを月々21万円にするというものです。極端に言えば、手取りが増えても何も良いことがない「空回りのインフレ」を実現するというものです。

生活水準は同じでも、そのために必要な名目可処分所得が増えれば、膨大な固定資本や債務を抱えているのが常態である企業は、減価償却や債務履行が楽になりその分利潤が増加します。
米国よりも高い率のインフレが続けば、為替レートは中長期的に「円安」へと動きます。

この間の日本は、このような政策さえ採ることができなかったために「デフレ不況」の泥沼にはまっています。

しかし、ただ名目だけのGDP増加でも至難なのが資本主義経済です。

経済主体(企業)は、デフレ不況になれば自分の生き残りを賭けて、設備投資を抑制し、賃金や雇用も抑制しようとします。自分の財布は締める代わりに、政府部門に対して景気対策=赤字財政支出の増加を求めます。

これが「失われた10年」の実態であり、赤字財政支出で激越なデフレ不況に陥らなかった代わりに、1000兆円もの膨大な公的債務を積み上げてしまいました。
政府部門が総需要を補填しようとすれば、税金で返済しなければならない公的債務を増加させ、結局のところ国民負担の増加で総需要が減少する状況を生み出します。

政府部門の赤字財政支出を増やせないのなら、輸出で利益を上げている企業から率先して給与を引き上げ、その波及効果で国民経済全体の名目GDPを増加させるしかありません。
(経営者団体が合意の上で企業が給与支払いを増やせば、総需要の増加を通じてそれぞれの企業に戻ってきます。戻ってこない企業は、それこそ存続に値しないところです)

技術は積み上げられるものであり設備は老朽化していくものですから生産性は徐々であっても上昇し、名目GDPを増加させるだけの政策でも、自然と実質GDPも増加していくことになります。

しかし、現実は、利益を貯め込んだり、人件費削減で利益を出そうとする企業ばかりです。(それどころか、経営者団体は総需要を縮小させる消費税アップ政策を主張しています)

理念ではなく論理として「利他主義=利己主義」を理解できない人たちが企業を経営し政府を運営している状況では、「人口減少社会で資本主義は存続できない」のかもしれません。
そして、無能ゆえに資本主義が存続できなくなれば、経営者団体や政治家の求めにより「社会主義」へと移行することになるでしょう。
(銀行への公的資金投入は将来の「社会主義」を先取りしたものです)


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