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財務省の財務総合政策研究所
「社会階層・意識に関する研究会」報告書 2003年7月2日
http://www.mof.go.jp/jouhou/soken/kenkyu/zk064/zk064.htm
「・・・・・・以上、各研究成果を総覧すると、所得格差、
社会階層については、全体として、現時点で大きな変化があ
るとまでは言えない。しかし、静態的な所得格差は、年齢効
果を主因に近年わずかな拡大を示し、また、動態的な所得階
層間の移動確率は低下し、所得階層が固定化する兆しをみせ
ている。しかも人々の生活程度に関する意識のみならず、満
足度も所得階層との関連をわずかながらも強め、意識面にお
いても階層間の差が広がる傾向にある。その要因が日本の経
済社会構造の変化によるものなのか、景気停滞によるものな
のかはデータの追加等で見極める必要がある。
こうした状況が今後も継続していった場合、低位にある人々
のやる気は削がれ、向上心が失われてしまう危険性さえある。
社会の活力となる「やる気」を失ってしまう社会階層の二極
化、固定化は避けなければならないであろう。結果の平等を
達成するだけでは、人々インセンティブは高まらない。人々
のインセンティブを高めていくためには「努力が報われる」
仕組みが必要であるが、その結果として表れる格差を、いか
に人々が納得できる範囲に抑え、その意識を「嫉妬」に転化
させず、「やる気」につなげていけるかが重要である。その
大前提として、誰にも公平な機会が与えられ、いつからでも
再挑戦のできる、やり直しのきく社会が形成されなければな
らない。
経済の低迷が長期化し、高齢化が進展すると、どうしても所
得格差の拡大・階層の固定化が起こりやすくなる。閉塞感を
打破し、活力ある日本社会を築いていくには、これまで以上
に機会の均等や再挑戦の可能性を重視した施策が必要となろ
う。」