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シンガポール(写真下)から金庫番が消え、国内でも肖像画の撤去、美辞の削除が続く北朝鮮。金総書記は、確実に追い詰められている
後楯の中国で金正日(キム・ジョンイル)総書記の秘密資金を担当する金庫番が最近、300万ドル(約3億1500万円)を持ち逃げし、シンガポールで失跡していたことが発覚した。スーパーK(ニセ米ドル)や薬物、ミサイル密輸…。不正な外貨獲得のすべてを知る男に、秘密警察の要員やヒットマンも派遣されているという。金総書記の肖像画撤去、尊称の廃止など北の変節も伝えられるなど、ベールに包まれた独裁王朝の瓦解の兆しが内部からも見えてきた。
【金総書記の直轄】
金総書記の秘密資金を管理する中国担当責任者が数カ月前、300万ドルをシンガポールの銀行から引き出して姿を消した。中国は北の“兄貴分”だけに、「金庫番の中でも重要な位置」を占めているという。
この責任者を追って、北の秘密警察「国家安全保衛部」の要員が平壌から現地に派遣された。
失跡に関連し、秘密資金を管理する「労働党39号室」の崔奉満(チェ・ボンマン)室長が引責で更迭されたとの有力情報もあるという。
「39号室は、金正日直属の外貨管理部署」と説明するのは、北朝鮮に詳しい恵谷治氏。
「もともとは表向き、党員から党費を集める党財政経理部の中から、秘密裏に作られた極秘組織。(北朝鮮系の)金星銀行頭取が室長をやっていた」と説明する。
【かつても持ち逃げ】
39号室には、各国の担当者が外貨の投資やニセ米ドル、麻薬や覚醒(かくせい)剤などの薬物、ノドンなどの弾道ミサイルの密売・密輸、などで稼いだ不正な“アガリ”が集中する。
「39号室にとっては、(300万ドル程度は)日常的に動かす金」で、過去にも「ロンドンの担当者が亡命した際も、いくらか(金を)持って逃げているはず」と恵谷氏は説明する。
「現金よりも逃げた人間が持つ情報の方が大きい」と解説するのは、コリア・レポート編集長の辺真一氏である。
辺氏は「逃亡で、北の不正な外貨獲得ルートが明らかになる。それが正規の貿易によるものか、ミサイルや麻薬などによる不正手段によるものなのか。それが白日のもとにさらされれば、北には大きなダメージになる」と指摘する。
北には対南(韓国)工作を担当する38号室も存在するが、いずれも公にされていない。「不正の一端が明るみに出れば、金総書記の不正蓄財も含め、金王朝存続に重大な影響が出る」(辺氏)
【ヒットマンも派遣】
偶像化運動が進む一方で、8月に病死したとされる最愛の高英姫(コ・ヨンヒ)夫人の妹の夫が米国に亡命している。
金総書記の個人資産について、恵谷氏は「妹の夫は39号室に近い立場にいたが、彼の証言によると、スイス銀行だけで40億ドルはあるといわれる」と説明する。
額はともかく、責任者の持ち逃げは、国家にとって許される所業ではない。すでに国家安全保衛部員も差し向けられている現状に、責任者の行く末はどうなるのか。
恵谷氏は「すでにヒットマンが出ているはず」と話す。「300万ドルの回収後、親族に危害を加えると脅し、本国まで連行することもあるが、偽装の交通事故などの形で消されるのではないか」と説明する。
辺氏も、ヒットマンによって消される可能性を指摘した上で、次のように説明する。
「逃げた方も相当な覚悟があるはず。そう簡単にはつかまらない。最終的には米国などの第三国へ政治亡命することもありうる。北が公金横領などの犯罪人として、身柄拘束を要求することもあるかもしれない」
38号室と密接な関係にあり、拉致担当機関である党作戦部の呉克烈(オ・グクリョル)部長の長男も今月初め、米国に亡命したとされる。
「作戦部の実態が明らかにされると思うと、金正日は眠れない日々が続いていたはず。まさにWパンチ」(辺氏)
【中国の意向を反映】
カネと情報の「裏の責任者」失跡が相次ぎ、内部の統制の緩みが明らかになった北。
数々の金総書記の暗殺未遂に加え、表面化した金総書記の肖像画の撤去や、金総書記に対する「偉大なる領導者」など美称(尊称)の削除からも、金王朝体制の崩壊の兆しが見て取れる。
肖像画撤去は、金総書記自身が在外公館に対し、「肖像画を下ろし、家宝として保管せよ」と指示したとされる。
ただ、金総書記の指示にもかかわらず、北の幹部たちは肖像画を外すのをためらっていた。このため、最近、改めて金総書記が撤去を命じた可能性があるという。
朝鮮外交筋によると、国際社会から孤立化する金総書記の変節には、“兄貴分”中国の意向が反映されているという。
中国側は「食糧やエネルギーが枯渇し、海外からの援助なしでは北は生き残ることはできない。世襲・独裁の象徴する個人崇拝では国際社会の理解は得られない」(同筋)と北指導部に助言したとされる。
経済改革の失敗が追い打ちをかけ、国の財政破綻(はたん)が超深刻化しているため、国際援助を得るためになりふり構わぬ手段に打って出たというのだ。
【後継問題が難航?】
後継者問題に絡み、金総書記が厳しい立場にあるという。
前妻との長男で放蕩(ほうとう)息子の正男(ジョンナム)(33)、高英姫(コ・ヨンヒ)との間の二男の正哲(ジョンチョル)(24)、三男の正雲(ジョンウン)(22)の3人の息子がいる。
親族の情が厚い儒教社会だけに、正男、正哲の“一騎打ち”の可能性が高いとされてきたが、北朝鮮の情報筋は「後見人の高氏がいなくなったことで、金総書記が世襲は無理と判断。世襲を象徴する自分の自画像をはずさせた」と分析する。
いずれにせよ、さまざまな憶測にまみれながら、金王朝は着実に終焉(しゅうえん)に向かっている。
ZAKZAK 2004/11/19
http://www.zakzak.co.jp/top/2004_11/t2004111924.html