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【ニューヨーク高橋弘司】米同時多発テロの現場跡地「グラウンド・ゼロ」で6日、拳銃で頭部を撃ち、自殺したとみられる25歳の米国人男性の遺体が見つかった。遺書はなかったが、男性は米大統領選でブッシュ大統領が再選されたことやイラク戦争の現状に怒っていたとされ、知人らは「政治的な抗議自殺は明白だ」と話している。
ニューヨーク・タイムズ紙などによると、自殺したのは南部ジョージア州アシンスに住むジョージア大学調査研究センター調査員、アンドリュー・ビールさん(25)。選挙翌日の3日以降欠勤し、婚約者と約束していた週末の家族の結婚式にも姿を見せず、婚約者や家族が行方を捜していた。6日朝、グラウンド・ゼロの立ち入り禁止区域内で、頭部から血を流して倒れている姿で見つかった。そばにピストルがころがっていた。
警察の調べに、ビールさんの母親は「息子は大統領選の結果に怒っていた。ニューヨークに向かったようだ」と答えていた。同僚は「彼はイラク戦争に猛反対していた」と明かし、上司のメアリー・マウニーさんも「自殺した場所は象徴的だ。抗議のつもりに違いない」と話している。
一方、大統領選翌日の3日、カナダ移民局が運営する「移住の手引」と題するウェブサイトに、米国から通常の約6倍にあたる11万5000件超のアクセスがあったという。オタワ発のロイター通信などが伝えた。ブッシュ再選を受け、米社会の保守化を懸念する人々がリベラル色の強いカナダへの移住を模索している現象とみられる。
毎日新聞 2004年11月8日 11時25分
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20041108k0000e030032000c.html