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ベテラン神父は悪魔学の権威 "神に逆らう天使"研究50年
【読売新聞 2004年10月17日(日曜日)】
『地球万華鏡』
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ローマに、「カトリック教会史上初の悪魔学者(デモノロゴ)」を自任する神父がいる。
ローマ法王庁(バチカン)で外交官や福音宣教省などの主要スタッフを長らく務めた
高位聖職者のコラド・バルドゥチ神父(82)=写真=だ。
教会内でも増えている悪魔の存在否定派と、文字通りの神学論争を繰り広げる。
(ローマ秦野るり子、写真も)
バチカン近くの瀟洒なアパートにバルドゥチ神父を訪ねると、悪魔に関する自著を数冊、
手伝いの青年に持たせて、神父が登場した。「私が学んだのは、力トリックにとっての
悪魔だ。他宗教の悪魔はその名称しか知らない」と前置きして話し始めた。
神父によると悪魔とは、
「天使として創造されながら、神に逆らい、自らの自由意思で悪魔となり、
人間を、自分と同じように神から引き離そうと誘惑する」
存在だそうだ。神父は、数時間にわたるインタビューの中で、
「自由意思で悪魔になった」
とくどいほどに繰り返した。万物を創造したはずの「神」ではあるが、
悪魔の場合は神が造ったのではない、とわからせようとしたようだ。
神父が悪魔学を研究し始めたのは、1950年。ローマの代理司教から悪魔払いをつかさどる
「エクソシスト」にならないかと声をかけられたが、
「ただ払うのではなく、悪魔を専門に研究する人が必要だ」と主張し、受け入れられたという。
「デモノロゴはそれまでいなかった」から、「先生もいなかった」。
古文書をあさる一方、心理学、テレパシーや透視などに関する超心理学を学び、
悪魔学の体系化に努めた。
悪魔学にこだわった理由は、出身地のイタリア北部サルシナでの経験にある。
この町は、悪魔に取り憑かれた人を癒やす町としてカトリック教徒に知られる。
初代司教が使った鉄の首輪にその力があると信じられているからだが、神父の記憶には、
首輪にも癒やされなかった女性のことが今も深く刻まれている。
59年に初めての著書「悪魔に取り憑かれた人」を出版、イタリアで版を重ねる一方、
英、仏、独、タミル語などにも翻訳された。取り憑かれているかどうかを判断する基準を、
心理学の要素も取り入れて「初めて示した」ことなどが、大きな反響を呼んだという。
「新約聖書は三百回も悪魔に言及している」
「(バチカンの最重要事項を決定する)公会議が悪魔を定義している」
から、バルドゥチ神父にとって、悪魔が存在することに疑問の余地はない。
だが、最近では「聖職者でも約40%がその存在を否定している」。
60年代末から世俗の神学者が否定論文を立て続けに出したのが「こうした風潮の始まりだ」
と神父は怒る。デモノロゴに逆風が吹いているのも確かなのだ。
バルドゥチ神父は最近、デモノロゴとしてよりも、
「公然と宇宙人の存在を認めた高位聖職者」、として知られる。15年前から神学的に
UFOを研究した上での結論だそうだが、このおかげで、再び、世界のメディアに登場、
講演に飛び回る日々だ。
「UFOと悪魔学は全く関係ない」と言いつつ、UFOの国際会議でしっかり、
悪魔の存在に言及する。悪魔学に生涯をかけた老神父の信念に揺らぎはない。
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■ ベテラン神父は悪魔学の権威
http://conspiracy.exblog.jp/1187981/