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from 911/USAレポート アメリカの選択、日本の選択 冷泉彰彦
http://www.asyura2.com/0406/bd37/msg/429.html
投稿者 愚民党 日時 2004 年 10 月 11 日 00:55:04:ogcGl0q1DMbpk
 

                        2004年10月9日発行
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■ 『from 911/USAレポート』 第166回
   「アメリカの選択、日本の選択」

 ■ 冷泉彰彦   :作家(米国ニュージャージー州在住)

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 ■ 『from 911/USAレポート』 第166回
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「アメリカの選択、日本の選択」

アメリカはいよいよ選択の時期を迎えています。11月に迫った大統領選は、ブッシュ
とケリーの第一回討論でケリーが大きく追い上げる中、10月5日の副大統領候補の
討論に関心が集中しました。副大統領候補同士の討論というのは、これまでは余り関
心を呼ばなかったものですが、今回は弁舌に定評のあるエドワーズ候補が、実質に
政権中枢を担っていると目されるチェイニー候補に肉薄するのでは、ということで大
変な盛り上がりになりました。

結果的には、双方が事実関係の怪しい中傷を繰り返した結果「痛み分け」というのが
妥当なところでしょうか。右派で鳴らすFOXニュースのビル・オライリーは「ブッ
シュの受けたダメージの出血を少なくともチェイニーは止めた」という言い方をして
いましたが、案外そんなところかもしれません。

真っ正面からの斬り込みが期待された、ハリバートン疑惑に関しても、エドワーズは
空回りしていました。チェイニー氏が副大統領就任直前までCEOを務めていた同社
に対して、米軍から巨額な発注が出ている問題、同社の民間人が多く犠牲になって
「米兵犠牲者」の代わりを担っている、そうした構造の全てに迫ることはしなかった
のです。その代わりに、エドワーズが責め立てたのは「ハリバートンはイランで商売
をしていて核危機の片棒を担いでいる」というものでした。

攻撃が余りに唐突であったのと、「ブッシュ政権がイラクにかまけている間に、イラ
ンは一発か二発、北朝鮮は三四発の核弾頭を保有している」というケリーも言ってい
た「証拠のない話」を使って攻めたものですから、チェイニーには軽くあしらわれて
おしまい、という感じでした。

エドワーズは、健保改革などでは、流石に弁護士としての経験を生かした切れ味を見
せていましたし、「苦しい中で自分を大学にやってくれた父が、毎晩キッチンのテー
ブルで家計を計算していた原体験」というようなスピーチは「ファン」にはたまらな
いものであったと思います。ですが、それ以上でも以下でもありませんでした。この
稿を書いているのは、7日の木曜日ですが、全ては明日8日の第二回大統領候補論に
かかっている、メディアの論調は全てそんな感じです。ブッシュが善戦すれば情勢は
混沌としてくるが、もう一度失敗するようならケリーで決まり、今現在はそんなムー
ドが漂っています。

では、仮にケリー政権が誕生したとして、前回の民主党政権であるクリントン時代の
ように、世界の国境は再び低くなり、グローバリズムの明るい面が戻るのでしょうか。
すなわち、世界市場が統一されることで公平なルールが適用され、開放的な雰囲気の
中で、ヒト・モノ・カネが合理的に行き来するようになる、そんな日々がやってくる
のでしょうか。

私は楽観はできないと思います。今回のケリー、エドワーズ両候補が選挙戦を通じて
強調しているのは、緊張緩和と国際協調ではありません。むしろ「反テロ戦争」は継
続する、そういった姿勢で民主党の選挙キャンペーンは一貫しているのです。「オサ
マ・ビンラディンを、追い詰めて殺す。私ならそうする」だから「イラクへ行ったの
は間違いだ」というのが選挙戦を通じて一貫した論法なのです。

勿論、若く軍事外交の経験が浅く、その方面での人生観・世界観(イデオロギーといっ
ても良いかもしれませんが)が確立していないエドワーズに比べて、ジョン・ケリー
の方は反戦や国際協調という哲学を持っていて、どんな局面でもそうした価値観をま
ずベースに行動する、そんな安心感もあります。ですが、仮にケリーがリベラルであっ
ても、今回のように「テロリストを抹殺するのは、こっちが上」というようなキャン
ペーンを続けていると、仮に選挙に通ったとして「あれは勝つための言葉の綾でした」
とは言えない面が出てくるように思えるのです。

ということは、これからの世界を考えてゆく上で、90年代のような国際協調とグロー
バリズム、というトレンドは世界各国が相当に努力をしないと取り戻せない、そう考
えざるを得ません。対立とか紛争というのは、坂道を転がる丸太が持っている慣性エ
ネルギーのようなもので、一旦転がりだしたものを止めるのは難しいからです。

そんな中、日本でも選択の季節を迎えているようです。アメリカの大統領選と同じよ
うに、今後の国の方針を左右する選択であるにも関わらず、アメリカのように世論が
参加することのないまま、ある選択がされようとしています。選択とは「MD(ミサ
イル防衛)構想」と武器輸出三原則の問題です。総理大臣の私的諮問機関である「安
全保障と防衛問題に関する懇談会」から報告書が発表されました、その中でMDと三
原則の問題が語られていますが、これは日本に取って大きな選択と言わねばなりませ
ん。

MD問題については、あくまでMDという未知の防衛技術に関して、生産管理などの
実用化のプロセスに関して日本の高い技術水準が期待されている、もっと言えば本
の技術なくしては高度な防衛システムが実現できない、そうした日本への期待が背景
にあると説明されてきました。

また、その日本に期待されている技術というのは、危険な弾頭などではなく、ミサイ
ル防衛用のミサイルを正確に飛ばすためのジャイロであったり、通信機であったり、
あるいは正確な飛行物体をつくるための素材技術であったりするというのです。(こ
れは懇談会報告書にあったのではなく、日本の財界などで言われていることですが)

例えば、ある薄さである張力を全面にわたって高精度で均質に整えた鋼板、であると
か、超低温や真空状態、あるいは超高温や太陽からの放射線を浴びても断線しないワ
イヤーだとか、同じく過酷な環境でも内部を保護する半導体の格納ケース、更には、
そうした部品を製造し、品質管理をするための精密な測定器などが含まれるのだと言
います。

要は、日本の技術が極めて高いので期待されている、その期待を満たすには武器輸出
三原則を緩和してでも、日米共同開発をしたい、その場合の供与する技術自体は危
険な殺人の技術ではない、とまあ、こういう話です。

私は、この問題は日本の産業競争力を損なう危険があり、計画に参加すべきではない
し、また武器輸出三原則の緩和も日本経済を繁栄させるという観点から見て、下策だ
と思うのです。

まず、MD構想に参加することは日本にとって危険な政策だと思います。得られると
ころは薄く、失うものが大きいと思うからです。このMD構想は、専守防衛の平和的
な装備だと思われています。確かにMD自体には殺傷力はありませんから、大量破壊
兵器どころか通常の兵器の持つ攻撃力はありません。ですが、MDは仮想敵国のミサ
イルによる威圧を無力化するのです。では仮に仮想敵があったとして、MDが装備さ
れた場合に、このハイテクの前に屈してミサイルの脅しを引っ込めるのでしょうか。

私はそうは思えません。ミサイルとMDが睨み合うような緊張関係があれば、もうそ
れは潜在的な紛争と言って良いでしょう。そこでMDの存在によって、ミサイルが無
力化されたとすると、パワーバランスの崩壊を取り戻すためには仮想敵の側は別の手
段を考えるに決まっています。核の均衡というのは、文字通り恐怖の均衡による抑止
力なのであって、その均衡が崩れればすぐに相手方は何らかの手を打ってくるのが常
識でしょう。

潜水艦を相手に近い海溝に隠してMDで落とせない至近距離からミサイルの脅しをか
ける、あるいは何らかの陸上兵力、または有人飛行機による攻撃を匂わせて「均衡=
抑止」を維持しようとするはずです。MDのハイテクに恐れをなして武装解除したり、
恐怖の均衡を諦めるような「仮想敵」なら、そもそも巨額の予算を投じてMDなど開
発する必要はないのです。

この欄で以前にもお話ししたのですが、そもそも、MDの技術は、成層圏なり大気圏
外を超音速で飛行する敵方のミサイルを、標的に達する前に空中で撃墜して無力化す
るものだと言います。それは動いている物体の動きを予測し、その物体よりも高速で
正確にその物体を捉えることのできる爆薬を積んだ飛行物体を開発し、飛ばす、とい
うことです。この技術はそのまま、極めて正確で高速なミサイルを飛ばす技術が含ま
れています。ミサイルとの違いは、標的が静止している都市か、飛んでいる敵のミサ
イルかの違い、そして弾頭に核兵器があるかどうかの違いだけです。

つまり、MDを開発することは、より高度なミサイルを開発することになるのです。
仮に敵が同様のしかし技術的にやや劣るMDを開発して防御体制を固めてきたときに
は、より高度なMD技術を持っているということは、より優れたミサイル技術を持っ
ていることと同じなのですから、敵の性能の劣るMDの防御網を破って敵国の住民を
大量殺傷するミサイルを飛ばすことは可能なはずです。MDイコール受け身の平和な
もの、というのは誤りだと思います。少なくともMDでにらみつける対象国の政府と
世論はそう考えるはずです。

アメリカの政策にも矛盾があります。現在のアメリカは「反テロ戦争」を戦っている
のだと言うのです。この場合の「敵」はテロリストであって、そのテロリストの手に
仮に核兵器が渡っては大変なことになる、それがアフガンでのタリバン狩りの際にも、
イラク戦争開戦の際にも口実とされました。ですが、MDというのは、テロとの対抗
にはならないのです。あくまで独立国家の「正規(?)のミサイル」による攻撃を無
力化するためのものです。フセイン政権を潰した口実は、今日正にブッシュが弁明し
たところによれば、イラクがテロリストに核兵器を渡す危険があったから、というも
のでした。

ならば、核の脅威や核拡散は、ミサイルという形ではなくテロリズムのような陰湿な
形で出てくる、少なくともホワイトハウスの描く「脅威」はそういうことのようです。
その一方で巨額の予算を投じてMDをやる、そこには全く一貫性はありません。むし
ろ、ミサイル攻撃がMDで無力化されれば、かえって陰湿な侵入テロという手法で揺
さぶりをかけてくる、その危険は増大すると見るべきでしょう。

日本の場合は、更にMDの具体的な仮想敵が問題になります。北朝鮮が当座の「防御
対象国」なのでしょうが、こちらが早晩体制崩壊ということになれば、その次は中国
になってしまいます。中国との間で、あちらがミサイルなら、こちらはMD、ならば
あちらは潜水艦だ空母だ・・・などという恐怖の均衡ゲームを行う必要性は、日本に
は全くありません。意味のない、不必要な、そして止めようと思えば今すぐやめられ
る「緊張の増大という悪循環」を断ち切ること、MDをやる、やらない、という選択
には大きな意味があると思います。

MDにかこつけて、武器輸出三原則を緩和するというのは、どういうことなのでしょ
う。当初は上に述べたようなMDのための「生産技術」の供与に限られても、一旦緩
和をすれば、徐々に「防衛産業」という名前の下で「軍需産業」がこれまで以上に育
成されていくことになってゆく可能性があります。これは日本の国益と完全に矛盾し
ます。

何故「軍需産業」は悪なのでしょう。それは殺人の道具を作っている罪深い存在とい
うだけではありません。他の産業とは全く違う危険な要素を持っているのが軍需産業
であり、それは日本の産業競争力を向上させるどころか、危機に陥れる可能性がある
のです。

まず、軍需産業は官需です。官需の中でも非常に特殊な需要なのです。そこには厳密
な意味での競争原理や、市場原理は働きません。何故ならば効果の検証ができないか
らです。競争が働かない原因は簡単です。民間に同様な需要がないからです。戦時国
際法によって殺人が免責されている国家だけが武装を許されている、その武器を売る
商売には、民需によって鍛えられる価格の妥当性、性能の妥当性、というチェックは
利きません。

民間には300万円で売られている自動車は、仮に官庁の公用車として納入される場
合でも、300万円の二倍や三倍にはならないでしょう。そこには民需の形成した価
格というものがあるからです。公共事業の場合は、民需との比較は直接できませんが、
出来上がったダムを見て著しく価格が高ければメディアを通して住民が問題視し、議
会のチェックや会計検査院のチェックが入ります。

ですが、防衛関連だけは別なのです。それは軍事機密というベールが邪魔をするから
です。最初に述べた副大統領候補討論でもあったように、現在、アメリカでは、イラ
ク復興に当たって軍の「下請け」になっているハリバートン社が問題視されています
が、こうした軍事産業の場合は、どうしても軍事機密という口実で情報が公開されな
いことが多いのです。結果的に、軍に供給しているガソリン代が不当に高い、という
ような問題以外は具体的な批判ができないのです。

まして、戦車や軍用機、そしてハイテクの塊のようなMDなどに至っては、「軍事機
密」という隠れ蓑の向こう側で、一体何が妥当な価格なのか、社会的なチェックは不
可能です。こうした環境は日本経済の不得手とするところです。MDプロジェクトに
おいて、アメリカから強く誘われるまでになった日本の技術力は、民需の過酷な価格
と性能の競争によって養われたことを思うと、政治と軍事の影に隠れた世界では、コ
ストと性能という板挟みの中で戦う緊張感を維持することはできないと思います。

では、官需との癒着では腐敗するとして、国際市場に出て行くのはどうでしょう。仮
に「死の商人」の非難をどうにかやり過ごしたとしても、軍需産業には難点がありま
す。それは、何と言っても世界全体を市場にできないという点でしょう。有効な兵器
であればあるほど、「同盟国」には売るが「仮想敵」には売りたくない、自然とその
ような流れができて行くと思います。これはどうしようもない、兵器の特質です。民
生品のように、世界市場全体を相手に売りまくる、というのは不可能なのです。

性能に関しても、基本的に兵器は殺人の道具ですから、平時に「実際の性能」を確か
めることはできません。まして、その性能が目の肥えた大勢のユーザーの批判にさら
されて鍛えられるということはないのです。デジカメの解像度などの性能は、世界中
のカメラ好きのファンがチェックし、インターネットなどで噂を流しますから、ウソ
はつけない厳しい世界があります。ですが、同じデジカメ技術でも「偵察衛星」の映
像ということになりますと、政治的な使用目的にしろ、機密のベールに覆われた運用
にせよ、微妙なレベルで厳しく性能を問われることは民需に比べて劣ると思うのです。

更に言えば、仮に軍需産業が肥大化し、同盟国には売るが、仮想敵には売らない、と
いう動きになっていったとすると、そうした区別はだんだんと民生品にも拡大すると
思います。結果的に、第二次大戦の元凶ともなった「ブロック経済」が再現してゆく
ことにもなりかねません。それは、例えば「フランス」や「中国」は「あっち側」だ
からトヨタのレクサスや、ソニーのプレステ2は売らない、という形は最初は取らな
いかもしれません。

ですが、軍需産業の開発競争なり、MDがらみの仮想敵作りをしながら、緊張が高まっ
た場合は、レクサスに使われている高度なカーナビは軍事転用が可能だとか、プレス
テ2のCPUとDVD読み出しを使ってミサイルが飛ばせるなどという「イチャモン」
が入って、民生品の市場が限定されることはあり得るでしょう。

勿論、今現在も旧ココムと現行の三原則の流れで、軍事転用の可能な民生ハイテク製
品・部品の輸出には規制があります。ですが、軍需産業が正面切って国策になり、更
に敵味方の区別が明らかになってゆけば、民生品や汎用部品、更には測定器や工作機
器などの「敵方」への禁輸はより厳しくなって行くでしょう。

そうなると、益々世界全体を相手にして商売が難しくなります。その穴を埋めようと
して、軍事産業を「育成」すれば、更に「仮想敵」との緊張は拡大するのです。これ
が軍事産業の宿命です。これは、第二次大戦後60年近く、日本に繁栄をもたらした
全方位外交、全世界市場という「戦略」をかなぐり捨てるものだと言わなくてはなり
ません。

「死の商人」という言葉があります。兵器を作り、兵器を売る者は人間の生命を弄ん
で金儲けをしている、それは一面の事実でしょう。国家間の緊張がセールスを産み、
新たな戦争が最新兵器のショーケースと化す、そして武器の拡散が新たな脅威を生み
出す、これでは正に「死」を材料にビジネスをしているという非難を浴びても仕方が
ないでしょう。ですが、軍需産業の悪い面はそれだけで、そんなイメージ的な難点さ
え割り切れば経済成長の一つの原動力になる、いわゆる財界の人々がそう考えている
としたら、こちらも甘いと言わざるを得ません。

そんな中、10月8日の金曜日には、ミズーリ州セントルイス市で、第二回の大統領
候補同士の討論が行われました。今回は、「対話集会形式」というスタイルで、市民
代表からの質問に両候補が答えるという形を取り、二人とも発言に際しては歩き回っ
て有権者に語りかける生々しいスタイルとなりました。

結果的には、ブッシュ側では第一回ほどの「失点」はなかったものの、イラク、減税、
輸入薬品の禁輸問題、生命倫理、雇用などにわたって、改めて「全ての問題にわたっ
た厳しい対立(NBCのティム・ラサートの直後の感想)」が浮き彫りになったと思
います。ただ、今回は内政問題が中心という触れ込みの割には「イラク」が大きく取
り上げられ、そこでブッシュが守勢に回ったこと、ケリーの「ブッシュ減税で恩恵を
受けているのは、この部屋の中で大統領と私と司会のチャーリー(ABCの花形キャ
スターのチャーリー・ギブソン)だけ、みなさんは損をしている」という「具体的な
攻め」に対して、大統領が効果的な反撃が全くできなかったことなどから、今回もケ
リー優勢という結果と見るべきでしょう。

ですが仮にケリー政権になったとしたら、一気に平和が来るのでしょうか。そう簡単
には行かないと思います。国際的な緊張は解けず、相変わらずテロリストとの化かし
合いが続き、中東情勢も不透明なまま、そんな状態が当分は続くと見るべきでしょう。
とりわけ、今現在、ケリー陣営のアジア政策、日本政策はまだ不透明です。というよ
りも、候補もスタッフも勉強不足で政策立案に至っていないと見るのが妥当でしょう。
まだ間に合います。アジアへのMD配備問題や、武器輸出三原則に関して、ブッシュ
との「同盟」を解消し、日本の従来の冷静な政策に戻す、仮に政権交代があったなら、
そんな日米関係の回復作業を進めるべきなのでしょう。

アメリカの選択が日本に大きな影響を与えることは間違いありません。ですが、日本
がアメリカの選択に合わせる必要はありません。日本は日本独自の選択をすべきだと
思います。仮にブッシュ政権が続いたとしても、日本として選択をし続けるというの
は、全く同じことだと思います。

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冷泉彰彦:
著書に
『9・11(セプテンバー・イレブンス)ーあの日からアメリカ人の心はどう変わったか』
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