現在地 HOME > 掲示板 > Ψ空耳の丘Ψ37 > 393.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
手ポリオの私が、こんな記事を転載投稿するのも、なんか変か?ブラック・ユーモア?私は両手不自由です。私は、日本にまだポリオの生ワクチンがない時代にポリオにかかりました。だから、ワクチンの副作用とか不良品のロット39の影響(1975年から1977年生まれの人に投与されたワクチンのポリオの抗体保有率が低いという問題 http://www.gikai.ageo.saitama.jp/t113-matuki.html#C など)には関係ないですけど、やはり、ポリオという言葉が出ると気になります。今までは、こんなことも何も考えずに生活してきましたが、反戦運動で外に出て、パソコンもやり始めて、遅まきながらようやく少しずつ、いろんなことを知るようになりました。まだ何もよく知りません。そういう者でも参加できるような世の中の風潮になるべきだ。レッセ・フェール粉砕。今の反戦運動や福祉運動をやってる連中はもっと何も知らないか、言わないか、すごく知ってても何も教えないかで、とにかく衝突を避けるだけの、うわべのキレーゴト人間ばかりである。険悪な衝突になる前にまず、いろんな情報や価値観をよく調べたり聞いてみたりして話し込めるような雰囲気がないのです。・・・なお、この記事は、下記の阿修羅の投稿の関連記事です。ちょっと古い記事で、すみません。
「営利企業の終焉を予告する映画『ザ・コーポレーション』」Jason Silverman [Hotwired]
http://www.asyura2.com/0406/bd36/msg/608.html
投稿者 乃依 日時 2004 年 8 月 04 日 02:36:06:YTmYN2QYOSlOI
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
HOTWIRED JAPAN(2004/5/17)
http://hotwired.goo.ne.jp/news/news/technology/story/20040517306.html
2004年5月13日 2:00am PT
■エイズのポリオワクチン起源説を支持するドキュメンタリー映画(上) Kate Rope
ニューヨーク発――エイズの起源は解明されておらず、その謎はアフリカの森を掻き分けニューメキシコのスーパーコンピューターにまで入り込む。エイズの起源をめぐり、相容れない2つの仮説が立てられ、科学者たちと1人の粘り強いジャーナリストが対立しているが、この謎を追うすべての人を満足させる答えは出そうもない。
エイズの原因となるヒト免疫不全ウイルス(HIV)が人体に入ってからの動きは十分に解明されている。しかし、世界でとりわけ悲惨な伝染病をもたらすこととなったHIVが、どうやって人間に感染したのかは依然としてわかっていない。感染経路については、アフリカでサルの狩猟を行なっていた人々とする説と、1950年代にコンゴの住民に使われたポリオワクチンとする説がある。
ニューヨーク市で9日(米国時間)まで開かれていた『トライベッカ映画祭』で、後者の仮説を題材にしたドキュメンタリーが初公開された。ピーター・チャペル氏とキャサリン・ペイシュ氏が監督を務めた『エイズの起源』(The Origins of AIDS)は、イギリスのジャーナリスト、エドワード・フーパー氏が1999年に記した
『川』(The River)の中で示された証拠を追跡したものだ。フーパー氏は著書の中で、(20年近くに及ぶ調査に基づき)ポリオワクチンの開発競争における1人の人物の役割がエイズの流行につながったという説を提起している。
フーパー氏の結論について、映画に登場する1人の生物学者は「医学界で最も嫌われた仮説」と評している。このドキュメンタリーのためにインタビューを受けた研究者たちの研究成果に真っ向から挑むものだからだ。しかし、反対派のさまざまな意見は、ドキュメンタリーの編集過程で切り捨てられた。
アラバマ大学バーミンガム校のベアトリス・ハーン教授(薬学)は「世間の人々は私の意見に耳を貸さない。それどころか、フーパー氏の仮説に異議を唱える者の意見はいっさい聞き入れられない」と語る。ハーン教授はアフリカの森林に生息するチンパンジーを追跡し、HIVの発生源はチンパンンジーだという結論を導き出した。この結論には、ほぼすべての人が納得している。
だが、チンパンジーの間で感染するサル免疫不全ウイルス(SIV)がいつどのようにしてHIVに変化したかという問題になると、フーパー氏と、フーパー氏の説を否定する一派が対立する。
ハーン教授をはじめとする複数の科学者は、アフリカで広く行なわれていた野生動物の肉を得るための狩猟が感染経路になったと特定している。狩猟者たちは、(チンパンジーを含む)野生動物を捕獲して食べられるよう処理する過程で、噛み傷や切り傷を負っていた可能性がある。
アリゾナ大学で生態学と進化生物学の助教授を務めるマイケル・ウォロビー博士は「われわれが知っているすべての事柄から判断すると、ウイルスが種の壁を自然に乗り越えて伝染したのはほぼ明白だ」と語る。ウォロビー博士はハーン教授と共同で、HIVのサルにおける起源を追跡した。
一方、ドキュメンタリーの主軸を構成するフーパー氏の理論は、野生動物の狩猟を経路とする説に反論するものだ。もし野生動物の狩猟が昔からの習慣だったとすれば、フーパー氏は、なぜエイズは20世紀の後半になるまで流行しなかったのかと疑問を抱いた。そして、科学史上最も高貴な取り組みとして挙げられるポリオの撲滅の中に、自分なりの答えを発見したのだ。
映画で取り上げられた米国の科学者、ヒラリー・コプロフスキー博士は、1950年代を中心にアルバート・セイビン博士やジョナス・ソーク博士とポリオワクチンの開発競争を繰り広げた人物だ。コプロフスキー博士はベルギー領コンゴで経口ワクチンのテストを実施している。フーパー氏はワクチン接種が行なわれた地域とエイズが最初に発生した地域の地図を作り、両者の地理的な相互関係を提示した。最初に記録されたHIVの症例は、1959年にコンゴで採取された血液サンプルから見つかっている。
フーパー氏は自身のウェブサイトに、「両者の位置は劇的に一致している」と記している。「エイズの最初期の症例が確認されたのは中央アフリカだが、同じ地域で1957年〜1960年に、コプロフスキー博士のポリオワクチンが100万人以上に接種されている」
それでは、いったいどのようにしてワクチンがサルのウイルスを人間に感染させたのだろう? 今回のドキュメンタリーに使われた粒子の粗い記録映像では、実験室で白衣を着た科学者たちが、細かく刻んだサルの臓器のスープで培養しているポリオウイルスを示している。その後このポリオウイルスから、ワクチンが作られている。
フーパー氏は、コプロフスキー博士が行なったワクチン接種で、SIVに感染したチンパンジーの腎臓がポリオウイルスの培養に使用されたと非難している。映画は、1950年代に実施された別のポリオ撲滅活動で、サル・ウイルス40(SV40)の入ったワクチンが何百万もの人々に使われた歴史的な先例を示す。
コプロフスキー博士と同僚の科学者らは、チンパンジーの腎臓が使われたという疑惑を否定している。また、米国内に残っていたワクチンのサンプルを第三者機関がテストした結果、チンパンジーのDNAやSIVの痕跡は見つからなかった。米国では、チンパンジーとは異なるサルの臓器からポリオワクチンを製造していた。しかし、ドキュメンタリーのクルーが探し当てたコンゴの現地スタッフ数人は、チンパンジーの腎臓が採取されたこと、その腎臓が現地でのワクチンの追加生産に使用されていた可能性もあることを強く主張している。
(5/18に続く) [日本語版:米井香織/高森郁哉]
日本語版関連記事
・エイズ治療薬を感染予防薬に――世界各地で実地試験始まる
・HIVを死滅させるタンパク質、サルの細胞内に発見
・アフリカのエイズ患者統計の信頼性をめぐる議論
・HIVの起源は「サルを食べたチンパンジー」か
WIRED NEWSのメール購読申込みはこちらへ http://hotwired.goo.ne.jp/reception/index.html
Hotwired Japan メールサービス
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
HOTWIRED JAPAN(2004/5/18)
http://hotwired.goo.ne.jp/news/news/technology/story/20040518309.html
2004年5月13日 2:00am PT
■エイズのポリオワクチン起源説を支持するドキュメンタリー映画(下) Kate Rope
(5/17から続く)
しかし、たとえこのような現地スタッフの証言が最終的に立証されたとしても、フーパー氏にはなお、SIVがぴったりのウイルスを持つサルからぴったりのタイミングで人間にもたらされたことを示す必要があると、反対派は述べる。
ニューメキシコのロスアラモス国立研究所で科学者として働くベティ・コーバー博士は、スーパーコンピューターの『ニルバーナ』の「協力」のもとで、HIVの遺伝的な変化を年表にまとめた。同博士は1980年代中ごろから1999年にかけてのHIVの変異を調べ、HIVの分子時計を作成して変異の速度を割り出した。
さらにコーバー博士とニルバーナは、速度から逆算して、HIVの最終共通祖先――現存するすべてのHIVの変種の祖先にあたるウイルス――の年代を1931年と特定した。コーバー博士が正しければ、HIVは1931年以前にサルから人間へと伝わったことになり、コプロフスキー博士がポリオワクチンのテストを行なっていた時期よりはるかに早い。コーバー博士は2000年、この研究結果を『ネイチャー』誌で発表した。
コーバー博士とニルバーナが、エイズの起源をめぐる論争にHIVの年表を提供した一方で、アラバマ大学のハーン教授はアフリカのジャングルを歩き回り、チンパンジーの便と尿を採取した。ハーン教授はSIVの遺伝的な手がかりを得る目的でこれらのサンプルを分析し、チンパンジーの種類によってSIVの種類が異なることと、HIV-1の祖先と思われるSIVは1種類しかないことを突き止めた。HIV-1はエイズの原因ウイルスとして1983年に世界で最初に発見され、全世界で6000万人以上がHIV-1からエイズに感染している。
ハーン教授は「われわれは1999年にネイチャー誌で論文を発表し、HIV-1に変化したと思われるSIVはアフリカ中西部で見つかったものだけだと主張した」と話す。ハーン教授の研究結果によると、エイズの発生源と推定される位置は、コプロフスキー博士がワクチン接種を行なった場所から西側にずれている。
ハーン教授はつい最近も、アリゾナ大学のウォロビー博士とともに、コンゴ民主共和国で昨年実施した調査の結果をネイチャー誌の2004年4月22日号で発表している。ハーン教授とウォロビー博士は、コプロフスキー博士がワクチン接種を行なった地域を訪れ、便と尿のサンプル97個を採取した。そのうち1つのサンプルにSIVの遺伝子が含まれていたが、HIV-1に変化したと考えられている種類とは異なっていた。ウォロビー博士は「系統樹の違う枝に属するウイルスだった」と語る。「つまり、HIV-1の兄弟にあたるウイルスではなく、遠い親戚だったのだ」
一方、フーパー氏に賛成する研究者もいる。
米国立チューレーン霊長類研究所で熱帯医学を研究するプレストン・マークス博士は「フーパー氏の指摘の正しい点は、時期についてだ」と話す。「発生時期は第二次世界大戦後から1960年代前半までに集中しているようだ」。野生動物の肉を取引する習慣はもっと以前からあったため、20世紀後半にエイズが急激に広がった背景には人為的な原因があるにちがいないと、マークス博士は考えている。
ただしマークス博士は、コプロフスキー博士のワクチンにチンパンジーの腎臓が使用されたとは考えていない。また、たとえ使用されたとしても、通常は血液から血液に、あるいは血液から粘膜にしか感染しないウイルスが、ワクチンに使われた臓器を通じて感染するとは思えないという。
ドキュメンタリーの監督を務めたペイシュ氏とチャペル氏は、ハーン教授とコプロフスキー博士からさまざまな話を聞き、コンゴへの調査旅行にも同行した。しかし、作品の中ではフーパー氏に好意的な科学者ばかりが取り上げられていることに、ハーン教授とコプロフスキー博士は当惑を覚えている。
ドキュメンタリーのプロデューサーであるクリスティン・ルゴフ氏は「科学的な議論を行なうつもりはもともとない」と話す。ルゴフ氏はフーパー氏の仮説が公平に扱われていないと感じたため、フーパー氏について広く伝えたいと考えたのだ。ルゴフ氏は、タイのバンコクで7月に開催される『第15回国際エイズ会議』で作品を上映できればと考えている。
エイズの起源をめぐる論争はますます加熱しているが、ハーン教授によると、それも長くは続かないという。「われわれはサハラ砂漠以南のアフリカを対象に、チンパンジーの広範な調査を行なう予定だ。5年後には、これ[ポリオワクチン起源説]はまったく無意味なものになっているだろう」
[日本語版:米井香織/高森郁哉]
日本語版関連記事
・エイズ治療薬を感染予防薬に――世界各地で実地試験始まる
・HIVを死滅させるタンパク質、サルの細胞内に発見
・アフリカのエイズ患者統計の信頼性をめぐる議論
・HIVの起源は「サルを食べたチンパンジー」か
WIRED NEWSのメール購読申込みはこちらへ http://hotwired.goo.ne.jp/reception/index.html
Hotwired Japan メールサービス
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【cf.】
The TRIBECA FILM FESTIVAL May 1-9 2004 Program [Documentary>2 Competition]
“THE ORIGINS OF AIDS” (U.K. 2003 92 min Color and B&W U.S. Premiere)
http://www.tribecafilmfestival.org/2004/filmguide/eventnote.php?EventNumber=2151
Directors: Peter Chappell, Catherine Peix
Producers: Christine Le Goff, MFP (France)
Coproducers: Arnie Gelbart, Galafilm Productions (Canada), Christine Pireaux, Les Films de la Passerelle (Belgium)
Screenwriter: Stephane Horel
Coscreenwriter: Peter Chappell
Editor: Catherine Peix
Music: Frederic Lagnau
Short Program Note: http://www.tribecafilmfestival.org/2004/filmguide/eventnote.php?EventNumber=2151
For more than 20 years AIDS has ravaged the planet. The ancestral virus was found in chimpanzees, but the question remains: How did it cross over to humans? Origins examines the controversy that engulfed the scientific community when it attempted to explain the genesis of one of the deadliest diseases to afflict mankind.
Full Program Note: http://www.tribecafilmfestival.org/2004/filmguide/eventnote.php?EventNumber=2151&FullNote=1
Where did AIDS come from? Science has determined that the ancestor virus of HIV is found in chimpanzees. But how did it cross over to humans? Could AIDS have arisen as a result of Western medical intervention in Africa? This provocative documentary examines those questions in depth, and suggests that the notoriously insular scientific community deliberately thwarted efforts to find the answers. The film relies heavily on the testimony of investigative journalist Edward Hooper, whose 1999 book The River posited a link between HIV and a contaminated oral polio vaccine (OPV), which Western doctors fed to roughly a million people in central Africa between 1957 and 1960. Famously smacked down by the scientific establishment at a 2000 London conference on the OPV controversy, Hooper here receives corroboration from lab assistants who participated in the preparation of vaccines cultivated with contaminated chimp tissue. More importantly, doctors who for years denied authorizing the use of chimp cultures in Africa come forward, on and off the record, to reveal the truth. In a just world, this film would compel scientists to re-examine the evidence, but with billions of dollars in vaccine patents at stake and the prospect of devastating class-action lawsuits, the cover-up may continue. Science is, as one of the interviewees observes, "a very cruel culture," in which hypotheses exist only to be demolished by those with the facts -- or the power -- to debunk them. To those affected by AIDS, and denied access to the truth about its origins, that culture has been very cruel indeed.
以下略。
Director's Bio http://www.tribecafilmfestival.org/2004/filmguide/dirbio.php?EventNumber=2151
Director's Statement http://www.tribecafilmfestival.org/2004/filmguide/dirstate.php?EventNumber=2151
Film Contact Information http://www.tribecafilmfestival.org/2004/filmguide/psource.php?EventNumber=2151
TRIBECA CINEMAS...54 Vrick Street(at Laight Street)New York City
アルバート・セイビン博士 http://sabin.uc.edu/biography.ucm/video.ucm
ジョナス・ソーク博士 http://www.achievement.org/autodoc/page/sal0bio-1/
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【参考】HOTWIRED JAPAN
HIVの起源は「サルを食べたチンパンジー」か Kristen Philipkoski 2003年6月13日 2:00am PT
http://hotwired.goo.ne.jp/news/news/technology/story/20030619302.html
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)がどのようにして自然界から出現し、人類史上でも最大級の破壊的な感染症を生み出したのかという謎を解明する、新しい手掛かりが突きとめられた。
1999年に、HIVのヒトへの感染ルートが、アフリカ中西部のチンパンジーだったことを突き止めたのと同じ研究チームが今回、チンパンジーがそもそもどのようにHIVに感染したかの経緯を解明した。研究結果は『サイエンス』誌の6月13日号に掲載。
研究によると、チンパンジーがHIVに感染したのは好物のエサ、すなわちサルを食べたためだという。HIVの原型、『サル免疫不全ウイルス』(SIV)は、シロエリマンガベイと、オオハナジログエノンという2種のサルのウイルスが混ざり合ったものが、チンパンジーに感染したと思われる。
「チンパンジーを殺してその肉を食べるという、ヒトが最初に感染したと想定されるルートと似ている」と研究チームのメンバーで、イギリスのノッティンガム大学遺伝学研究所に所属するポール・M・シャープ教授は述べている。
チンパンジーは遺伝子がヒトと98%同じだが、SIVに感染してもエイズは発病しない。研究チームによると、この事実は、HIVワクチンを開発するうえでとくに重要な手掛かりになるという。チンパンジーが発病しない理由を解明できれば、ヒトにも同じようにエイズを発病しない抵抗力を植え付けられるだろう。
チンパンジーは、上記の2種のサルからウイルスに感染して、最終的に混種ウイルスが形成された可能性が高いと研究チームは述べている。おそらく数万年前の出来事だったため、チンパンジーは、エイズのような病気を発症させない抵抗力を発達させる機会があったと思われる。
その後、この混種ウイルスがヒトに伝染し、『HIV-1』になった(研究者たちはこれまで、もう1つのヒト型HIVウイルス『HIV-2』がスーティーマンガベイから感染したことを突きとめている)。
国連合同エイズ計画(UNAIDS)によると世界中で毎日、1万6000人がHIV(エイズウイルス)に感染しているという。世界中の成人のHIV感染者3860万人のうち約半分は女性で、320万人は15歳未満の子どもとなっている。
米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)によると、米国のHIV感染者は90万人で、毎年、4万人が新たに感染しているという。感染者の半分以上は有色人種で、新規感染者の半分は25歳未満となっている。
シャープ教授によると今回の研究結果は、HIVの原因がポリオワクチンかもしれないという説の誤りを、さらに明確に示したという。『サイエンス』誌に発表される論文は、HIVが薬害ではなく、自然発生した可能性が大きいと論じている。
ポリオワクチン説に関する質問に対して、シャープ教授は電子メールで次のように答えている。「もうその話はたくさんだ! 『ポリオワクチン説』はすでに、関連分野での経験が乏しい少数の人々をのぞいて事実上、みんなの頭から消え去っている」
ポリオワクチン原因説は、HIVの原型ウイルスに感染したチンパンジーの細胞を使ってポリオワクチンが作られたのが原因だと示唆している。ポリオワクチンに使用されたのは、1950年代後半のアフリカ東部のチンパンジーだった。しかしシャープ教授の研究結果によると、HIV-1は1930年ごろにアフリカ中西部のチンパンジーの感染したSIVが起源だという。
「だから、チンパンジーの生息地も、年代も違うことになる」とシャープ教授。
シャープ教授によると、以前使用されていた経口ポリオワクチン(OPV)のサンプルを調べた研究チームもあるが、SIVは発見されなかったという。(チンパンジーではなく)アジア・北アフリカ産のサル、マカークのDNAが見つかったのは事実だが、ワクチン開発者がマカークの腎臓の細胞を使っていたのだから不思議はない。
今回の新研究は、野生のチンパンジーに見られるSIVの自然感染について、さらに焦点を絞った研究がなされるべきだということを示唆するものとシャープ教授は考えている。
「たとえば、チンパンジーが他の種のサルからSIVに感染しなかったかどうか、調べるのも興味深いだろう。チンパンジーとヒトはよく似ているため、チンパンジーにうまく適応して広まるウイルスは、将来、ヒトも感染するおそれがある。『HIV-3』になる可能性もあるわけだ」
バーミングハムにあるアラバマ大学のベアトリス・ハーン薬学教授は、ヒトが謎のHIV-3に感染する可能性は現在のところ低いものの、研究者たちは警戒し、未然に防ぐ努力をすべきだと主張している。ハーン教授は、最新論文の共同執筆者でもある。
「問題なのは、現在の社会行動のせいで、さまざまな感染症の異種間感染の機会を増やしているのではないかという疑問だ。今問題になっているSARS(重症急性呼吸器症候群)も然りだし、サル痘ウイルスも記憶に新しい」とハーン教授は語った。
[日本語版:矢倉美登里/湯田賢司]
日本語版関連記事
・セックス後の投薬でHIV感染はどこまで防げるか
・黒猫の秘密がエイズ治療の手掛かりに?
・人種によって効果に差がある? エイズ予防ワクチン
・広がるHIV感染、男性に迫る女性感染者数
・エイズ長期未発症者の謎に、また新たな光
・HIV感染後の長期未発症者の謎、一部解明される
・真のエイズ予防ワクチン、実現に一歩近づく
・エイズ予防策として期待されるジェル状殺菌剤
WIRED NEWSのメール購読申込みはこちらへ
WIRED NEWS 原文 (English)