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【バグダッド小倉孝保】イラクの旧フセイン政権が、感染者はいないとして国内のエイズ・ウイルス(HIV)問題を隠すため、少なくとも感染者180人を刑務所に隔離していたことが28日、感染者と遺族らの証言でわかった。暫定政府がようやくHIV対策を開始したが、薬品も入手できず、国際社会の支援が不可欠な状況だ。
証言したのは86年に輸入血液製剤でHIVに感染したファリド・ハリル・イスマイリさんと子供5人を失ったハリド・アリ・ジャバルさんで、旧政権崩壊直後からHIV被害を調査しているイラク赤新月社も事実を認めた。政府は当時「国内にHIV感染者はいない」と発表していたという。
イスマイリさんは血友病で、HIV感染直後、旧保健省によって南部サマワの刑務所に連行された。いったん逃走後88年に捕まり、以後、92年まで同刑務所内で隔離されたという。兄2人も同様に隔離され92年までに死亡している。感染者はディヤラなど他の刑務所でも隔離されたという。
また、ジャバルさんは血友病の子供5人がHIVに感染し隔離先で死亡。事実を知らされた直後、政府から「感染の事実を漏らした場合、処刑される」という趣旨の書類にサインさせられた。
イラク赤新月社によると86年、フランスの製薬会社から輸入した血液製剤を使った7〜14歳の血友病患者180人がHIVに感染。同年、最初の患者が報告された。その後、180人の家族らが感染し、調査で計335人がHIVに感染、うち272人が死亡し、現在63人が病院や自宅で治療を受けているという。
暫定政府への主権移譲後、赤新月社は335人の患者と遺族に対し毎月各5万ディナール(約4000円)の治療・補償費支給を決め、保健省も生存する63人に各1万5000ディナールを支給開始。赤新月社が中心になって4月に仏製薬会社を相手取り、それぞれ5万ドルの損害賠償を求める訴訟を米裁判所に起こした。
毎日新聞 2004年9月28日 東京夕刊
http://www.mainichi-msn.co.jp/it/computing/news/20040928dde001030035000c.html