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パリの地下に秘密社会? 古代トンネルにバー付き映画館 「捜すな」張り紙残す
【パリ21日井手季彦】パリ中心部の下を迷路のように走っているといわれるトンネルで、何者かがつくった秘密の映画館が発見され、パリ市警察は、文字通りの“地下社会”が数年前からできているのではないかとみて調べている。
トンネルはローマ帝国時代、街を建設するため石を切り出してできたとされる。一七〇〇年代からは一部を遺骨埋葬所として利用している。
映画館は八月末、十六区のトロカデロ広場に面した、映画博物館や劇場のある建物の下と推定される場所で見つかった。約四百平方メートルの広さで、スクリーン、座席、映写室のほか、バーを備えた食堂もあった。
パリ市警察は電気の不正使用の疑いで、電力会社の職員とともに捜索したが、電線は切られ「われわれを捜すな」という張り紙がしてあった。映画館は、五年ほど前から使用されていた可能性が強いという。
“地下社会”をつくっているのは画家や写真家たちとみられる。英BBC放送は、そのうちの一人の声を紹介。男性芸術家は「地下で活動しているのは五百人から千人。たくさんのグループがあって、芝居や展覧会、ダンス大会もある」と証言している。
トンネルの入り口は、公式には、一般公開されている十四区の地下埋葬所しかない。現地メディアによると、そこから映画館が見つかった地点まで、トンネルを通ると三百キロもあるという。
“地下社会”の住人たちはマンホールなどから出入りしているとみられるが、警察は、崩壊したり迷ったりする危険があるため、決して立ち入らないよう、市民や観光客に呼びかけている。
(西日本新聞) - 9月21日14時35分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040921-00000070-nnp-kyu