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http://www.asahi.com/special/usaelection/TKY200405210409.html
じり貧ブッシュ、さえないケリー 混沌とする米大統領選
19日、ワシントンでAP通信のインタビューに答えるケリー上院議員=AP
17日、米カンザス州で講演するブッシュ大統領=AP
イラク人虐待事件のショックで、米大統領選の情勢が様変わりしてきた。今やイラク戦争に残された最後の大義、「民主化」まで傷つき、ブッシュ大統領の支持率は「再選ライン」と言われる50%を割り込んだ。一方、民主党候補のケリー上院議員は、敵失で支持率こそ逆転したが「ケリー人気」は依然、盛り上がらない。当面は勝つも負けるもイラク次第という展開が続きそうだ。
●瀬戸際
「テロや逆境にあっても弱みを見せず、自信をもって前に進んでいく」
大統領は20日、連邦議会で開かれた共和党上下両院議員集会に出席し、大統領選に臨む決意を示した。ただし、質問を一つも受け付けず早々に引き揚げてしまい、追い詰められた心境をのぞかせた。
イラク人虐待や米民間人が首を切り落とされた事件が響き、5月中旬の各種世論調査では、大統領の支持率は4月より軒並み数ポイント減らし、40%台に落ち込んだ。01年の同時多発テロ直後には9割近かったのがほぼ半減、就任以来最低となった。
深刻なのはこの数字が持つ意味だ。ギャラップ社によると、戦後を通じて、投票まで半年を切った5月の時点で支持率が50%を割り込んだ現職はだれも再選していないという。最近では、92年の父ブッシュ氏が42%、80年のカーター氏が38%で、ともに2期目を目指す選挙で苦杯をなめた。
支持率が下がったのは米国民が「イラク戦争は正しい」という自信を失い始めたからと見られる。今月13、14日にニューズウィーク誌が行った世論調査では、戦争が「正しい」と答えた人は4月より6ポイント減って51%に。逆に「正しくない」は4ポイント増えて43%となり並びつつある。大統領のイラク政策を「支持する」は9ポイント減で35%に下がり、「支持しない」は57%に達した。
大統領を支えてきた保守派も動揺を隠しきれない。保守系コラムニスト、デビッド・ブルックス氏は虐待事件の広がりに「我々は自信喪失危機の寸前だ」と告白し、「(民主化という)理想主義に目がくらんでいた」と反省の姿勢すら見せている。ネオコン(新保守主義)の拠点、ウイークリー・スタンダード誌のクリストル編集長は17日付の同誌で、イラク国民の関心を米国人に対する怒りから国家再建に転換させるため、イラク暫定議会選挙の前倒しを求めている。
大統領も動揺の広がりを何とか抑えようと、24日を皮切りにこれから毎週演説して、主権移譲の詳細を国民に説明していく考えだ。
●袋小路
「労働者や家族のために戦い、ガソリン価格を下げる大統領が必要だ」
ケリー氏は18日、レギュラーガソリンの小売価格が全米平均で1ガロン当たり2ドルを超えたのを受けて、遊説先のオレゴン州でブッシュ政権のエネルギー政策を批判した。
ケリー陣営はすでに、外交・安保や経済について包括的政策を発表している。しかし、いまだに国民を引きつける目玉となるような政策を探しあぐねている。
誤算だったのは、最大の攻撃材料だった「雇用」が3月に就業者数が33万7000人増えて以来、回復基調に乗ったことだ。
イラク人虐待事件をめぐっては、ラムズフェルド国防長官の更迭を求め、軍の最高司令官である大統領の責任も追及している。しかしケリー氏はもともと、イラク戦争を容認したとあって、批判をしてもどうしても切れ味に欠ける。
戦後復興では、国連や国際社会の参加を求めてきたが、ブッシュ政権が軌道修正したため、主張が似通ってきた。大統領がイラクとアフガニスタンの米軍駐留経費として議会に求めた2回目の追加支出250億ドル(約2兆8000億円)もあっさりと承認した。
ケリー陣営にとってボディーブローとなっているのは、ブッシュ陣営が先手を打って2月から始めたネガティブキャンペーン(敵対的選挙運動)だ。上院議員として北米自由貿易協定(NAFTA)に賛成したのに今は批判しているなど、過去の投票行動と現在の主張の矛盾を洗い出し、「判断のブレ」をあげつらう内容だ。
さらに75ドルも払って高級美容室で髪を切ったり、100万ドルのヨットや計3000万ドル以上の邸宅や土地を所有していたりという「金持ち」ぶりを巧妙に突いている。財政支出の拡大を求める「リベラル」さもたたいている。
5月上旬に世論調査機関のピュー・リサーチ・センターが実施した調査では、ブッシュ氏は68%の人が「頑固」と評価したが、ケリー氏については42%の人が「考えを変えすぎる」と回答。ブッシュ陣営の思うつぼにはまっていることが浮き彫りになった。 (05/22 02:08)
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