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12/02 18:21 後遺症、次世代にも ガス流出事故から20年 インド・ボパール
死者数最大三万人とも言われる史上最悪の企業災害、インド中部
ボパールの有毒ガス流出事故から三日で二十年。多くの人が今も後
遺症に苦しみ、被害は次の世代にも現れているようだ。怒りと絶望
が交錯する町ボパールを訪ねた。
崩れかけた鉄骨、ただれた皮膚のような繊維がまとわりつく朽ち
たパイプ。殺虫剤用の有毒ガス、イソシアン酸メチルを吐き出した
米ユニオン・カーバイド(現ダウ・ケミカル)子会社の工場跡地だ
。
現在は閉鎖されマディヤプラデシュ州政府が管理しているが、非
政府組織(NGO)の多くは、放置された有毒物質で土壌や水の汚
染が進行していると指摘。一日三交代で二十四時間警備する担当者
も頭痛を訴える。
一九八四年十二月三日午前零時すぎ。当時二十八歳だったラシダ
さんは「唐辛子を焼くような」臭いで目が覚めた。目やのど、鼻に
強い刺激。外から「逃げろ」の声が聞こえ、めいの手を引いて飛び
出し、多くの死体をよけながら走った。今も息切れや関節の痛み、
倦怠(けんたい)感が続く。「あの時死んでいればどんなに楽だっ
たか」と思うことも少なくない。一緒に逃げためいには時々パニッ
ク障害も起こるという。
被害者の治療にあたるサティナス・サランギ氏は「事故後に生ま
れた子供たちに異常が出ている。男児は通常より成長が遅れたり頭
部が小さい子が多く、女児は逆に太っている。詳しい原因は分かっ
ていない」と話す。
工場に隣接する地区に住むナディム君(12)は成長が遅れ知能
の発育にも影響が出ている。ほとんど話せず、学校にも行けない。
母親のナジマさん(35)は「被害が受け継がれていくと思うと、
もう子供はつくれない」。
関係者によると、政府や企業側が詳しい調査を行っておらず、被
害者の多くが貧困や無知などから専門的な診断・治療を受けていな
いため、被害実態は不明な点が多い。
政府は死者数を約三千人としているが、NGOなどによると、現
時点での死者数は三万人を超す。政府や会社側からこれまで支払わ
れた補償金は最高十万ルピー(約二十三万円)。被害者の不満は強
い。(インド中部ボパール共同=古池一正)
20041202 1821
[2004-12-02-18:21]